わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

アレルギー

PM2.5にやられた日

今日は一日なんとなく調子が悪かったのです。

午前中は目に症状が出ていました。左の結膜がなんとなくゴロゴロ。

午後からは鼻に症状が移りました。

くしゃみや鼻水が出るような状態。

おかしいなと思い、体調を考えてもそんなに悪くはなく、

(風邪の初期症状も結構似ることがあるのです)

抗ヒスタミン剤を飲んで症状を抑えていました。

 

でも、外来をしていると、患者さんの中にも数名、

今日からアレルギー反応が悪くなった人が居ます。

みんな同時に悪くなることには理由がある。

と思い、あれこれ調べてみると、ああ、コレだ。

 

PM2.5ですかね。どうも黄砂が日本に来ていたようなんです。

 

PM2.5とは直径2.5μm以下の小さな微粒子のこと。

そこにいろいろが物質が付着して大陸から飛んで来るわけです。

で、その付着した物質により、アレルギー反応は悪化するわけなんです。

 

だから、悪化したのね。

と思いながら午後の診察をしていました。

スギ花粉もなくなってきて、ホッとしていた所、

思わぬアレルギー反応に巻き込まれた日でした。

おしまい。

 

結婚前に、金属パッチテスト?


考えてみたら、そうだねえ。

といったお話です。今日のお話は。

 

結婚とパッチテスト?

普通は全く結びつかない単語ですが、

指輪という言葉を介するとうまくつながります。

 

結婚指輪や婚約指輪、高いですもんね。

たしかに、金属アレルギーがあったから、高い指輪をつけようとしたら

ダメでした。

というお話は切ないですもんね。

 

今まで全く聞いたことのないお話なので、

最初はびっくりしましたが、考えてみたらちょっとの手間暇とお金をかけて

予めテストしておいたほうが安心ですもんね。

確かにそっちの方は合理的だ。

 

という話でした。

なお、パッチテストは暑い日には積極的に行いたい検査では有りません。

汗だくの季節は向きませんからね。

もしも、ご希望の方が居ましたらお早めにどうぞ。

 

皮膚科医、花粉症になる

花粉症の季節はそろそろおしまいですが、今回は花粉症の話です。

 

花粉症ですが、発症したのはいつからかははっきりと覚えていなかったりします。

でも、悪化した原因ははっきりとわかります。

東京に引っ越しをしたこと。

その後毎年激しく症状が出るようになりました。

 

原因は何でしょうねえ。

はっきりとはしませんが、

関東に移って花粉の量が増えたこと。

大気汚染やPM2.5の影響。

等があるかもしれません。

 

花粉が増えるのは南の地域だから仕方有りません。

大気汚染は・・・どうなんでしょう?

無いとは今無いでしょうけど、証明するのは難しいですよね。

大気汚染が無く、花粉の多い地域に行けばよく分かるのかもしれませんが、

完全に比較試験を行うわけには行きませんし。

 

ということで、花粉症、東京に来ると悪化する可能性がありますので、

この春に引っ越しをされた方は要注意ですね。

【緊急】エピペンの回収ですが、追加もあるそうです(2017年4月)

 

先日も記事にしたと思うのですが、

エピペン0.3mgに追加の回収指示が出たそうです。

 

ロット:PS00025A

使用期限:2017年10月

 

です。

該当の方はファイザーさんまでご連絡くださいとのことでした。

 

なお、念のために回収する形であり、

まだ、事故の報告は無いとのことです。

でも心配ですから、該当者はお早めに対処ください。

エピペンの回収が始まりました。

月曜日に飛び込んできたニュースです。

 

食物アレルギーやハチさされに起因するアナフィラキシーショックの治療薬であるエピペンですが、

一部の製造品に針が正常に出なくなる不具合が有ることが確認され、

メーカー回収となりました。

 

幸い日本ではまだ同様の報告はないようですが、

致命的な自体を回避するための薬剤の、非常に大きなトラブルです。

 

手元にお持ちのかたはすぐに確認をしてください。

詳細について確認をしたい方はこちらのサイトからご確認ください。

なお、製造ロットはPS00019A、使用期限は2017年4月となっているようです。

そろそろ使用期限が切れる製品でもありますので、確認・必要時に交換をしっかりとおこないましょう。

特にこれからは虫のトラブルも増える時期です。また、子どもたちは新学期になります。

新しい学校・新しい先生とトラブルが起きやすい環境になりますので、この機会に一度

周りの人と一緒に手順を確認してみても良いかもしれませんね。

 

手足のウイルス性発疹。まだ続いています(2017年1月-3月)

昨年秋にも記事にしたかな?

乳児から幼児期の手足のウイルス性発疹ですが、

まだぼちぼち続いています。

受診者も週に1名くらいはまだ居ますね。

 

症状は、手のひら、足の裏、耳の赤みとむくみ。

3箇所全部に症状が出ることもあれば、12箇所のみのこともあります。

症状も痒かったり痒くなかったり。

 

まず赤い点で出てきます。

それが数を増やし、繋がって赤い面になります。

その時にはパンパンに皮膚もむくむことが多い様子。

その後1週間程度経過してから、徐々に皮が一枚剥がれてきます。

更に1週間経過するとしわしわの皮膚になり、

徐々になくなっていく。経過としては概ね1ヶ月位ですかねえ。

 

近くの先生では診断が付かず受診される方も居ます。

 

この原因はウイルス。でも感染はしません。

というのも、感染していたのは多分23週間前だからです。

半分くらいかな?胃腸炎や風邪を引いていたというお話がありました。

たぶんそのウイルスの「かけら」が悪さをしていると考えられます。

 

かゆみがでる子には結構なかゆみのこともありますが、

ステロイドの塗り薬を使うことによって、

ある程度症状を抑えることができますし、

みんな時間とともに引いてきますので、心配しないでくださいね。

食べ物がつくとアレルギーになるから食品由来成分は全部使っちゃダメですか?

食物アレルギーが元は皮膚から入った成分に反応するところから始まるんだ。

このお話はここ数年で一気に広がった感じがありますね。

今回はその先のお話についてです。

 

さて、では食品由来の成分を皮膚に使用するのは一切良くないのかというお話です。

 

うん、結構難しいんですね。これは。

と言うのはどこで線を引けば良いのかという問題があるからです。

 

まず最初に「食物アレルギーがどのようにして発生すると考えられているのか」から説明しましょう。

最初のきっかけは実はお肌にあります。

皮膚特に顔の荒れた皮膚(湿疹の皮膚)に食品由来の化学物質がくっつきます。

するとその成分に対して感作という生体反応が起こります。

この「感作」とは、アレルギーの準備状態のこと。

つまり、この感作された物質に後日もう一度触れるとアレルギーが起こりますよ。

という状態になります。

 

そして、後日の話です。

顔にその物質が付着することからアレルギー性の皮膚炎が起こります。

いわゆるかぶれですね。

そしてこの感作は全身全体に起こるものですから、

当然口やお腹の粘膜でも起こります。

口の粘膜で起これば口の周りの蕁麻疹、嘔吐の反応を起こすこともあります。

お腹の粘膜で起これば腹痛や下痢、嘔吐。当然体の蕁麻疹という形で症状が起こります。

これが食物アレルギーの症状という形で目にみえてきます。

当然反応が強ければ血圧低下などのアナフィラキシーに至るわけです。

 

で、問題はその成分。

一つわかっていることは、小さいものよりも大きなもののほうが危険であろうということ。

それなりのサイズが必要になるんです。

したがって、分解されているものであれば相対的に危険度は低いと考えることができます。

 

 

ココまでが基礎編。

ココからが問題なんですが、由来成分を全て塗ってはいけないのか?

どちらかというと、Yesです。

 

使わなければ行けない理由があれば別ですが、

そうでなければ使用する必要は無いでしょう。

と考えます。

無用なリスクはとらないほうが良いのではないでしょうか?

 

ただし、例外があります。

過去にすでに使われていて、問題ないのがわかっていればOK

と考えてもいいかと思います。

だって、過去に一杯の人が使っていてOKだったわけですからね。

過去からのデータの蓄積が有るわけです。

 

 

まあ、でも、使わなくてもイイんじゃないの?

というものは使用しないのがベターかと思います。

 

松山英樹選手、リオ辞退。 虫刺されなら仕方ないのでは? その1:症状編

すみません。ゴルフはやりません。

でも、今回のニュースに関してはゴルフをやっている人からの記事は沢山有るのですが、

虫刺されという観点からの記事がなかったので、書いてみました。

特にゴルフの知識での間違いについてはコメント欄で指摘していただければ幸いです。

 

簡単にまとめましょう。

ゴルフの松山英樹選手が今年の夏に行われるリオのオリンピックを辞退したとのこと。

理由としてはジカ熱の問題もありますが、もう一つ。

「虫刺されのアレルギーが強く出る」からというのが挙げられているようです。

 

では、皮膚科医の立場から少し見ていきましょう。

 

虫刺されの反応が強く出るとありますが、これにはいくつかの条件があります。

1)年齢

2)刺された虫の種類

3)刺された回数

の3点で決まります。後は体質も有るかもしれませんが、

こちらに付いてははっきりとはしませんのでおいておきましょう。

 

まず年齢です。

松山選手は現在24歳。若いですね。

しかし、若いということはアレルギーの反応が活発であるということでもあります。

勿論、アトピーや喘息などの何らかのアレルギー疾患の既往があれば

更にアレルギー反応が強く有ることも十分に考えられます。

したがって、年齢要因も無視できるものではありません。

 

次に刺された虫の種類です。

こちらは、全て細かく別れることに注意が必要です。

つまり、蚊は「蚊」に刺されたという種類ではなく、

「ヤブ蚊(ヒトスジシマカ)」か「イエ蚊(アカイエカ)」か?というレベルの違いでもありますし、

どうも、更に地域ごとの微妙な蚊の種類の違いも判断しているみたいなんですね。

つまり関東のヤブ蚊と東北のヤブ蚊の違いも体は別個のものとして判断している印象を受けるのです。

 

最後に回数ですね。

それぞれの種類により、反応が異なることは前項でかいたとおりです。

そして反応の強さは回数によって決まるものなのです。

つまり、初回は強い反応。

そして回数を重ねる毎に反応は弱くなるわけです。

(詳しく書くともう少し異なるのですが。過去の記事を参考にしてください)

 

これらの要因を総合的に考えると

「若い人が、初めて行った外国で虫に刺された場合は、

非常に反応が強く出てしまう」

という問題が発生するわけです。

 

松山選手はアメリカであれば何度も行っているでしょうし、

何回も虫に刺されているでしょう。

でも、南米であればそんなに旅行している回数も多くは無いと考えられます。

大きな大会が有るという話も聞きませんし。(情報求む!)

 

つまり、ブラジルに行った場合、単なる虫刺されでも

大きな問題になてしまう可能性は十分に考えられるのです。

 

え、治療すればいい?

いえいえ、そう簡単にはいかなさそうですよ。

 

次は治療について考えて見ましょう。

 

また蚊に刺されました・・・

下の娘の話ですがね。

また、蚊に刺されました。

ということでまた写真をとってその変化を見てみました。

 

今回は変化早いです。

刺された10分後にはすでに蕁麻疹用の発疹が出始まっています。

IMG_8445

周囲にも少し赤みが出ていますね。

 

そして1時間後。

すでに症状が完成していますね。

IMG_8447

 

いわゆる大人の虫刺されという状態です。

 

虫刺されの症状の出かたはRPGを想像すると良いかもしれません。

刺されるたびに経験値がたまり、ある一定以上になると

レベルが上がるというシステムですね。

 

レベルとその症状は以下の用になります。

レベル1:無反応

レベル2:即時型反応- 遅延型反応+

レベル3:即時型反応+ 遅延型反応+

レベル4:即時型反応+ 遅延型反応-

レベル5:即時型反応- 遅延型反応-

です。

 

経験値はそれぞれの虫により違います。

また、同じ虫でも地域ごとに別途の経験値になるようです。

 

前回のブログの写真では

レベル2

ですが、

今回は

レベル3から4

位ですね。

 

もしかすると前回と今回では刺された虫の種類が違うかもしれません。

 

今回は小さな子が虫に刺された時の症状の出方に違いについてでした。

虫刺されも奥が深いものだったりするのです。

毛虫に注意!

いや、ここ2週間位でしょうか。

ものすごく増えています。

 

公園や生け垣に毛虫は居ませんでした?

庭や学校には?

見つけたら要注意。即刻駆除しましょう。

でないと、刺されます。

 

他の虫さされと異なる点は

毛だけが飛んで来ること。

です。

虫が見えなくても出ることがありますからねえ。

 

刺された後の家での対処はまず冷やすこと、洗い流すこと。

洋服に付いた毛は50度以上の熱湯に浸すことで無効化できるそうです。

洗濯することも有効でしょう。

 

あとはとにかくステロイドを塗って痒みを抑えましょう。

長くても1週間で治すことのできる病気です。

でも、途中は痒いので、なにはともあれ皮膚科を受診してくださいね。