わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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病気の話

皮膚科でみる小1ギャップ

小学校が始まり、1週間が経過しました。

新1年生の肌のトラブルが増えています。

まあ、仕方ないことですけどね。

 

それはなぜか。

どうしても生活習慣がかわります。

そのために大きな精神的な重圧がかかってきます。

ストレスにより、悪くかるということがまず上げられます。

当然、睡眠の状況も変化するでしょう。

一般的には睡眠時間は短くなると考えられます。

 

また、汗をかいても今までの時間に帰ってこられるわけでは有りません。

より、汗が皮膚に付いている時間は長くなり、それが刺激になってしまいます。

 

次いでスキンケア。

どうしても学校が始まると朝のシャワーやお昼の塗り薬が出来なくなってきます。

 

そのために湿疹が悪化する子、蕁麻疹が出てくる子が続出するのです。

 

まあ、時間と共に多くは良くなっていくことも多いかと思いますが。

落ち着かない場合は少し頑張って朝や帰宅時にシャワーをする、薬を塗る、

早めに寝るなどの対処で良くなることも多いです。

 

是非試してみてください。

診断の正確さについて考える。

さて、前回、天気予報の信頼性についてお話をしていきましたが、

今回は病院での診断の正確さについてのお話をしていきたいと思います。

 

さて、質問です。

どうして、しっかりとした診断をつける必要があるのでしょうか。

 

答えは、

今後のことをより深く知るため

です。

 

 

診断というものは、将来を知るためのものです。

つまり、これからどうなっていくのか。

症状はどのように変わっていくのか。痕や後遺症は残るのか。

遺伝するのか。するとしたらどのくらいの確率で遺伝するものなのか。

もう一つ。

治療はどうすれがいいのか?何が効くのか?

治療出来なくても、病気の進行を食い止める方法はあるのか?抑える方法はあるのか?

ということを知るために「診断」を行う必要があるのです。

 

もちろん、診断の重要性については病気の程度である程度変わってきます。

ただのカブレ

遺伝性の病気

では、重要性は全然変わってくるでしょう。

 

カブレであれば、

かっちりと診断を付けなくても治療していけば良くなるでしょう。

何が原因かはあまり追求しなくてもよいでしょう。

「繰り返したら、原因を考えましょう」と私も良く言っていますが、

それは、慌てる必要は無いからです。

 

では、遺伝性の病気についてはどうでしょうか?

遺伝する病気にはいろいろな種類が有ります。

ざっくりとしたお話になりますが、(詳しいお話はいろいろな本に出ているので省略)

人間は同じ遺伝子を2本持っています。

その2本の遺伝子のうち、

1本に問題があれば出る病気と

2本両方に問題がないと出ない病気が有ります。

それぞれ、遺伝の形式はちがうわけです。

メンデルのえんどう豆の実験を思い出してもらうといいかもしれません。

1本で出る病気は子どもに半分の確率で遺伝します。

2本の病気はそもそも発症する可能性はあまり高くないものがほとんどですが、

重い症状で出る病気が多いのです。

また、性を決める遺伝子に異常があるかどうか。

異常の有る子の中で症状が出る子はどこくらい居るのか。

など、もっともっと難しい話にもつながっていきます。

つまり、診断をして、遺伝の形式を知ることは、血のつながりという面からは

非常に大事なことになります。

 

最後に癌の話です。

癌の診断とは、がん細胞がどのような細胞なのか、

由来はどこかを考えることが主体になります。

人間の体にはいろいろな細胞が有ります。

そのほとんどすべての細胞が癌になるわけですが、

元々の細胞の性質を持っていることが有ります。

そのため治療方法も変わってくることが有ります。

放射線が効きやすいか効きにくいか。

抗癌剤はどのような物が効果あるのか。

手術の時に、見た目の癌の範囲から更にどのくらい細胞が散らばっているか。

などは、がん細胞の種類によって変わってきます。

また、転移はし易いかどうか。

転移するとしたらどこに転移するのか。

についても癌ごとにクセが有ります。

そのクセを知り、早め早めに対処するために診断をしっかりとしなければいけないのです。

 

診断の信頼性が低いこと。

言い換えれば大雑把な診断しかしないことについてはこれだけのリスクが有るのです。

したがって、大学病院などの大きな病院では

大勢のスタッフが集まり、診断を正確に下すために検討会をしっかりと行うのです。

また、必要があれば、他の診療科の先生や他の病院の先生に相談することも有るのです。

 

このように、診断をしっかりと行うことは未来を知ることと同義語になるのです。

おちんちんの湿疹はまずパンツのチェックを

今回のお話はおちんちんのお話です。

幼稚園から小学生くらいの男の子で時々おちんちんの湿疹がある子がいます。

原因は何でしょうか?

 

幾つか考えられます。

まず汗。

汗って、結構しみるんですよね。

また、汗を煮付めて皮膚に塗るとみんなかぶれることが知られています。

そのくらい、汗の刺激は強いのです。

もう一つは蒸れ。

どうしても密閉空間なので、湿度が上がり、蒸れてしまいます。

体感温度が上がると痒みを感じるのは人の常。

それで引っ掻いてしまい、湿疹を悪化させてしまいます。

 

最後の一つはおしっこです。

そんなに?と思うかもしれませんが、これも原因としては忘れてはいけません。

男の子のおちんちんは特にこのくらいの年齢ではみんな包茎状態です。

つまり、亀頭包皮と亀頭の間にはどうしても隙間ができています。

その隙間におしっこがたまり、それがパンツに付いてしまい、皮膚にくっつく。

そのためにおしっこで皮膚がふやけ、湿疹を作ってしまうのです。

 

ちなみに、おしっこが悪さをしているか判断するのは比較的簡単です。

そうです、パンツを見れば良いのです。

パンツに黄色いおしっこのシミが出ていれば、おしっこのカブレの可能性があるのです。

 

 

治療については通常の湿疹と同じで構いません。

しかし、スキンケアでもいくつか気をつけるべき事が有ります。

 

まず、洗うこと。

洗うことにより、汗やおしっこなどの水に溶ける刺激成分はなくなります。

次に乾かすこと。

蒸れを抑えることも大事です。

ブリーフの子の場合、トランクスに変えることも考えても良いのかもしれません。

最後に一つ。

パンツはこまめに変えましょう。

朝には必ず。汗をかいた後にもパンツを変えてあげたほうがよいでしょう。

 

 

三寒3枚、四温は1枚

暖かい日と寒い日が交互に続きます。

三寒四温は本来冬の言葉なのですが、春のこの時期にこそふさわしいような気がします。

 

気温の変化によるアトピーや乾燥肌の悪化が目立つようになりました。

でも、大体悪くなるのは、低温→高温になったとき。

逆に高温→低温になった時にはあまり悪くはならないようです。

なぜでしょう?

 

原因は多分汗。

さらに、その原因は洋服の枚数に有ると考えます。

 

汗をかくと悪くなる。これはほとんどの子に当てはまります。

正確には汗をかいた状態を放おっておくと。ですが。

では汗をかくのはなぜか?

厚着をしているから。

なのです。

 

特に低温→高温になった時に症状が悪くなるのはそのためです。

温度が下がった時に厚着をして、

温度が上がったにもかかわらず、厚着のままでいる。

これが汗をかき、湿疹を悪化させる要因となっているのです。

 

対策は簡単です。

まず。洋服の枚数を「ダイナミックに」変えること。

天気予報を見ながら、大胆に調節するとよいでしょう。

3枚来た翌日に半袖1枚でも構いません。

また、一日の中でも温度の変化が大きくなっていますので、

朝、昼、夕のそれぞれ、枚数を変えて下さい。

朝の厚着のままお昼の温かい時間を迎えるのも問題ありです。

 

もう一つ、シャワーをすること。

日中に外出すると、多くの場合は汗をかいてしまいます。

帰宅したらすぐにシャワーを浴びて下さい。

 

それだけでずいぶん楽になるはずです。

 

もう一つ、暖かくなったら脱ぐことも対策の一つなのですが、

なぜか、特に男の子は洋服を脱いだりしたがらないんですよね、

不思議だ・・・

じんましんが流行しています

ここ数日の間ですがじんましんが流行っているようです。

 

もちろんじんましんはウイルスや細菌などの感染性微生物が直接関与するものではありませんので

例えばエボラ出血熱のような感染の流行とは話が違いますが、

どうも、この時期に多くの子に出現するような要因が幾つかあるようです。

 

その1

風邪が流行っている。

溶連菌を思わせる風邪も多いですし、ウイルスによる風邪も多いようです。

時期的なものでしょうね。

先ほど、じんましんは微生物が直接関与するものではないと書きました。

でも、間接的な関与をしていることは結構多いのです。

以前にも書きましたが、子どものじんましんの誘因で一番多いのは

風邪を始めとする感染症です。

大きな誘因となるのです。

 

その2

気温、環境の変化が大きかった。

次の項目ともかかってくるのですが、気温の変化がここ数日、非常に大きなものになっています。

まさか、4月に雪が降るなんて。ねえ。

ぽかぽか陽気の数日後の話ですから、たまったものではありませんね。

 

その3

新年度が始まり、ストレスがかかっている。

家族全員が忙しくなると、当然子どもにもその影響が出てきます。

旅行やお出かけ、学校の準備などで慌ただしくなると、

寝る時間が影響を受けます。また、バタバタするだけでもストレスになっていきます。

このストレスもじんましんの大きな誘因となるのです。

 

そのような理由もあり、今、じんましんが出ている子が沢山受診するのでしょう。

この現象は、もうしばらく続きそうですね。

さめはだととりはだ2 とりはだの話

さて、次は鳥肌のお話です。

 

鮫肌と鳥肌。似ていますが、少し違います。

この鳥肌、アトピーや乾燥肌の子によく出てきます。

毛穴のぶつぶつは鮫肌に似ていますが、

部分は全身のどこにでも出来る可能性があるものです。

鮫肌は一部ですから、ここに大きな違いが有ります。

 

鳥肌の原因は軽度の湿疹。毛穴の周りに軽い湿疹が起きているのです。

鮫肌には湿疹性の変化は有りませんので、ここが大きな違いになります。

当然湿疹である鳥肌は痒みが有ります。

鮫肌はかゆくないので、ここも大きな違いです。

 

治療についても同様です。

鮫肌は何もしなくて大丈夫ですが、

鳥肌は放おっておくと湿疹になってしまいます。

なので、症状をみて、落ち着か無さそうであればステロイドの薬を塗って

抑えこむ必要があるのです。

 

鮫肌は体質ですが、鳥肌は湿疹。

似ているけど、異なる2つ。しっかりと対処していきたいものですね。

 

さめはだととりはだ1 さめはだの話

今回のお話は鮫肌についてです。

鮫肌は遺伝ですよ。というお話です。

 

鮫肌はどこに出来るのか。

多くは腕、足の外側です。

より細かく言うと、上腕の外側、大腿の伸側。

また、頬部にもできることが有りますね。

 

正式な症状名は「毛孔性苔癬」。もうこうせいたいせん。と呼びます。

毛孔とは毛穴のこと。

苔癬とは難しい言葉ですね。分解しましょう。苔はコケ。ブツブツしているからでしょうか。

癬とはセンと呼びます。皮膚のトラブルはみんな癬です。

例えば水虫は白癬。奈美悦子さんがかかったのは関節症性乾癬ですね。

皮膚に何かあれば癬なのです。

 

病名は皮膚の症状を表しています。

なので、鮫肌のぶつぶつは毛穴に一致してブツブツができることです。

これは湿疹では無いので、自体が痒くなることはありません。

ただ、ブツブツしているだけなのです。

 

問題なのは発症年齢。

この毛孔性苔癬は中年まで見られます。

特に思春期までに強く出ることが有ります。

そして、中年になるとだんだん引いていくのです。

 

そして、この毛孔性苔癬は遺伝します。

特に優性遺伝と言われる形式なので、

子どもにその症状が伝わる確率は1/2となります。

 

 

以上の特徴があるので、診察の時に何が起きているのか。

診察した時、子どもには毛孔性苔癬が有るのですが、

親にはなくなっていることが結構有るのです。

両親一緒に来ていれば概ね判断するのは簡単ですが、

来院していない方の親にあったりするとはっきりしないんですよね。

また、その人も年齢的に消えていることもあるので、余計わかりにくいんです。

 

以上、さめはだのお話でした。

 

 

追記。

幸いなことでこのさめはだを巡って、診察室内で夫婦喧嘩が始まったことは有りません。

ふう。

 

りんご病が流行っているようです。

ここのところ患者さんが立て続けに来ているので、注意喚起の報告です。

特に練馬区、西東京市の患者さんがおりますので、少し流行しているようですね。

 

と思って東京都の感染情報を確認してみたら、結構多く患者さんが出ているようです。

クリックして11.pdfにアクセス

特に幼稚園児から小学生に感染者が多いようですね。

 

 

でも、本当に気をつけるべきは大人です。

子どもの場合は、熱が出て赤くなるくらいですが、

大人の場合は症状が激烈に出てきます。

高熱、関節の痛み、むくみなどもありますし、

特に下肢の紫斑が強く出る方がいますので、要注意。

また、妊婦さんは特に注意して下さい。

妊娠初期に感染することにより、トラブルが起きる可能性が有ります。

 

最後に、必要な情報へのリンクを貼っておきますので、参考にしてくださいね。

http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k04/k04_23/k04_23.html

お風呂に入らないことは湿疹が出来る大きな要因になる

ということをまざまざと思い知らされました。

 

先日、所要があり、家族全員で外出しました。

帰宅が遅くなり、その日は子どもたちは入浴せずにそのまま寝ることにしました。

すると、翌日の朝のことです。

赤ちゃんのほっぺたにガサガサが出てきました・・・

 

入浴をしないことは湿疹が出来る大きな要因となります。

原因は様々ありますが、一つには汗。もう一つは涎です。

拭けば大丈夫かとおもいきや、どうもそれだけではたり無さそう。

やっぱり、シャワーで大量の水流を使って洗い流す必要がありそうです。

 

これから暖かくなり、汗も沢山かくようになります。

まず、しっかりと洗ってしっかりと流す。

それが、湿疹予防で大事なことになります。

 

赤ちゃんの湿疹の原因がわからないのはよくあること

自分の娘が何をしているかなんて、完全にわかることは無いのです。

たとえ、それが赤ちゃんであったとしても。

というお話です。

 

左の脇腹に、米粒位の大きさの湿疹が出来ました。

かれこれ1ヶ月くらい前でしょうか。

現在も微妙に残っています。

痒くないこと。あとは、湿疹の自然治癒を見て行きたいので、

薬を塗らずに敢えて残してあります。

 

でも、この湿疹のできた原因がわかりません。

洋服などで擦れる部分でもありません。

皮膚の下には骨もありません。

(一般に骨の直上は擦れやすく、湿疹ができやすいのです)

引っ掻いている様子もありません。

 

自宅で皮膚科医がいっつも(?)見ている娘の湿疹の原因ですら

はっきりしないこともあるのです。

 

よく外来で湿疹にしても他の皮膚の病気にしても、

原因は何かと問われることがあります。

しかし、結構な割合で解明することは難しいのです。

理由はいくつかあります。

ひとつは時間が経ちすぎていること。

半年前からの湿疹の原因を解明するのは非常に難しいのです。

もう一つは、自分でもわからない原因があること。

本人が気がついていない以上、わかることはありません。

最後の一つは原因らしい原因がないこと。

ということも結構あるのです。

 

そのような場合はどうするのか?

とにかく湿疹を治すこと。それに尽きます。

そして同じような湿疹が繰り返すようであれば、

そこに共通する原因を検討するような形になるのです。

 

ちょっとしたものの原因を探すことの方が

皮膚科では難しかったりするのです。

「原因は、はっきりしません」

と言われてもがっかりしないでくださいね。