わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

病気の話

円形脱毛の「治っています」はどこを見ているの?

本日は円形脱毛症のお話。特に治療についてです。

 

円形脱毛症の治療をしているとき、治っています/治っていませんという位置が

患者さん本人の指摘とこちら側の指摘が微妙に異なっていることがよく見られます。

それは多分見ているものが違うからなんですよねえ。

 

では、患者さんの「治っている」はどこを見ているのか?

それは髪の毛が生えてきているかどうかです。

そりゃあそうだと思うかもしれませんが、それを厳密に見ていくと、

「しっかりとした太い毛が」「それなりの長さ生えてきて」「頭皮が隠れること」

という3条件を満たして初めて生えてきている。という認識になるように思えます。

 

逆に、皮膚科医の治っている所見というのはもっとシンプルで、

「毛穴から髪の毛が顔を出しているか」

だけなのです。

 

この差が起きるのはどうしてなのか?

これはもう仕方の無いことなのですが、

患者さんが気にするのは見た目の話になるわけです。

見た目として円形脱毛が見えなくなるには髪の毛で頭皮が隠れなければいけません。

それに対して皮膚科医が気にしているのは、

円形脱毛症の異常な自己免疫反応が消えているかどうか?

なのですよね。

 

円形脱毛症で何が起きているかは実ははっきりとはわかっていませんが、

髪の毛の構成タンパクのなにかに対して自分の身体が自己免疫を起こしており、

白血球やリンパ球が髪の毛を攻撃し、そのために毛が細くなり、結果として抜けていく。

というように理解をしています。

そのため、自己免疫反応が起きているか落ち着いているのかが大事なポイントになってきます。

その時落ち着いているというポイントが、毛穴からきちんとした髪の毛が顔を出しているかという面なのです。

もちろん毛穴から髪の毛が出ていないければダメですし、

顔を出している毛の状況も確認し、きれいな形で伸びているということを確認する必要もあります。

ただきれいな毛が伸びていれば、現時点では自己免疫反応は十分に抑えられているということも確認できます。

つまり、今後は良くなってくることが十分に期待できるということがわかるのです。

 

このように、円形脱毛症が治ってきているかを確認するポイントは患者さんと治療者とでは微妙に異なるのですね。

なので、患者さんが治っていないように思えるポイントを、皮膚科医が「治っています」というふうに説明することも

往々にして出てくるのです。

簡単に言えば、皮膚科医は「今後落ち着いて髪の毛が生えてきますね」ということを「治っている」と表現し、

患者さんは「髪の毛が生えて症状がなくなった」のを「治っている」と表現するんですね。

皮膚科医は未来を見て治療効果を判断し、患者さんは過去を見て治療効果を判定しているといっても良いでしょう。

 

同じ病気、同じ言葉でもそれぞれ見ているものが微妙に違うというのも、

面白い話ではないでしょうか?

台風のときに最適なアトピーのスキンケアはありますか?

今回はアトピー性皮膚炎のお話。

特に台風のお話と搦めてのお話になります。

 

夏から秋にかけて日本は台風に見舞われます。

毎年1回は台風に翻弄されると考えても良いかと思います。

というくらい毎年来るのに台風の時用のスキンケアってあまり考えていなかったなあと。

 

台風のときのスキンケアで何を重視するかというと、それは

湿度

でしょうね。

台風の日の気温はあまり上がることがありませんが、湿度がどんどん上がります。

まあ100%になるといっても過言ではありません。

その湿度がどのように影響するかと言えばそれは汗です。

汗の蒸発がとにかく落ちること。

これが問題になります。

汗がいつまでも皮膚に付着していることにより、アトピーのお肌はまず確実に悪化します。

いわゆるあせもだったり、汗負けだったりを引き起こすわけですね。

これで結構調子を崩される方も多いように見られます。

 

では対応はどうするかというとまずは

湿度コントロール

つまりエアコンを上手に使用して湿度を下げることが大事です。

ただ室温がそのままで湿度だけ下がると寒さを感じることも往々にしてありますので、

そこは洋服の枚数を増やして調節したほうがいいでしょうね。

まずとにかくエアコンを上手に使いましょう。

 

もう一つは汗のコントロール。

つまり、流すこと。

です。

そうです、朝のシャワーは実は台風のときにも非常に有効なスキンケアとなるのです。

汗をかくのは仕方ない。ただその汗をそのままにしておくのは良くない。

というわけですね。

 

台風のときのスキンケアはまずエアコン、次にシャワー。

この2つの道具を上手に使いこなせば、アトピーの悪化も最小限に食い止められると思いますよ。

ぜひお試しください。

アトピー性皮膚炎全身療法の患者さんの、災害時での治療継続計画について

なんかタイトルが小難しいお話になっていますが、簡単にまとめると

「なにか災害が発生したときに治療を継続できるようにしておきましょう」

というお話です。

 

今年のお盆休みは宮崎県の地震に始まり、台風に終わるといったところでしょうか。

神奈川の地震もありましたね。

ということで災害時の備えについてきちんと考えなければと思った方もいるかも知れません。

今回のお話はアトピー性皮膚炎の災害時の対策についてです。

ウチでのお話が主体となりますので、参考に留めていただき、

それぞれの主治医の先生に相談してくださいね。

 

アトピー性皮膚炎で災害時に問題になるのは全身療法との関連でしょうか。

定期的に注射を打つ必要がある、そして打たないと湿疹が一気に悪化する

という状況に被災すると追い込まれる可能性があります。

そして、こちらは災害時だけの問題ではなくて、治療提供者側についての問題も提起します。

実際に昨年起こった事例ですが、全身療法を処方している皮膚科の先生がお亡くなりになった。

そのために全身療法を継続できずに困ってしまった。

というケースも起こりました。

今だと、そういった突然死のような状況だけではなく、新型コロナの後遺症。などということも考える必要があるでしょう。

 

では全身療法のリスクはどこに有るか?

それは在庫管理にあります。

内服にしても注射にしても、手許にどれだけの薬を用意しているか?

がポイントになりますね。

つまり、手許がゼロなら次の注射時期までしかリミットはありませんが、

残っていればその本数だけリミットは伸びます。

 

つまり、一番脆弱なのは、

「院内に定期的に受診し、注射を行っている患者さん」

ということになるわけですねえ。

 

今回のお盆のあれやこれやを見て、今までは対応を取っていなかったこのリスクについては

(どうするかはずっと考えていましたが)

今後積極的に対応を取っていくことにします。

 

処方箋で薬をもらっている方はできればお早めに受診していただくこと。

こちらは今まで通りになります。

※なお、最大3ヶ月分までの処方であることはあらかじめご了承ください

内服についても同様、1ヶ月毎に受診をしていただく形になります。

最長で手許には1ヶ月分の薬剤が用意できる形になります。

変更するのは当院で注射を打っている患者さんです。

こちらについても注射薬を3ヶ月分処方させていただきます。

そして、毎回通院時にどこまで自己注射ができるか確認をし、

自分で出来るとことまで進めていく形に変更させていただきます。

もちろんそれで自己注射が出来るようになればそのまま自宅で注射していただいて構いません。

 

また、3ヶ月分まとめて処方することにより、以下のメリットが生じます

・予約変更の電話をしなくても済む

・発注ミスで受診時に注射薬が届いていない可能性はなくなる

・まとめて処方することで高額療養費の対象となる可能性がある

という所がメリットになるかと思われます。

 

日本、東京が災害の大い土地であるというのはもう逃れられない宿命のようなものです。

であるならはそれを真正面から受け止めて、しっかりと対策をしていったほうが良いのではないかと思うのです。

運用の変更についてご理解をいただければ幸いです。

夏の終わり、汗疹はできにくくなる?

今回は汗疹のお話です。

 

夏もだいぶ深くなりました。そろそろ終わってほしいところなのですが…

汗疹の患者さんがよく受診されるのですが、

見ているとどうも夏が長くなるにつれて受診さる方が減っているような気がするのですね。

これは、汗の出方も影響しているかもしれません。

 

汗疹は何か?

実はよくわかっていません。

ただ外来で診察していると、汗の中、もしくは汗によって増えた何かに対して

アレルギーの反応を起こしているのではないかというように感じることがあります。

あとは個人の体質ですね。アトピーの子はできやすい印象があります。

このあたりは汗疹の状況の変化に関連している可能性がありますね。

 

夏の終わりに汗疹の子が減る理由はいくつか考えられます。

まず身も蓋もないのは、汗疹になった子はすでに受診して手許に薬があるから。

これは十分に考えられます。薬の量と汗疹の面積によりますが、量によっては1回の受診で

一夏分充足するということがあるのでしょうね。

もう一つの可能性は汗の出方が変わること。

汗というのは状況によって違う汗が出ることが知られています。

夏の汗はサラサラ。冬の汗はベタベタとよく言われますが、これは実証されています。

ではサラサラ汗になるにはどうすればいいのか?

こちらは高温に長期間さらされること。なんですね。

つまり毎日高温環境にいるにつてれてサラサラ汗は大量に出るということです。

 

汗の量が多ければ、もしも刺激物が汗の中にあったとしてもそれが流されてしまいます。

また、刺激物の量もサラサラ汗では少ない可能性があります。

 

こういった理屈により、そもそも夏が深くなると汗疹の子は減ってくるのではないか。

と睨んでいます。

 

ただまだ解明されたデータはほとんど無いんですよねえ。

今後の研究の発展に期待することにしましょう。

抗生剤がない!(2024年8月)

今日は抗生剤のお話。

いやあ、夏休み前は大変だったのです。

夏休みが明けたら劇的に状況が良くなるわけではないというのは切ない話なのですが…

 

現在抗生剤が品薄になっています。

原因は色々あります。

・薬価が必要以上に下げられたこと

・原材料を輸入する必要があること

・メーカーの生産体制が不安定なこと

などですね。

お金がないから物が入らないし、設備投資もできずに劣化し、トラブルになる。

というように認識しています。

こちらは薬学系の資料を見ていただくといいかもしれません。

 

そのような状況下で何が起きているかというと、端的に言えば薬局への供給不足です。

ある程度は入荷はしているのですが、それが需要に対して足りていないという現状があります。。

特に出荷調整ということで、今まで薬を多く処方している薬局にはその薬を供給し、

使っていない薬局には供給しないという形で傾斜配分がなされております。

そのために現状では薬局ごとに置かれている抗生剤の種類が異なり、

それぞれの薬局ではそれぞれ別々の抗生剤が枯渇しているという状況になっています。

 

この現状は非常に非効率かつリスキーなものです。

医薬分業により、クリニックでは院内処方はなくなりました。

院外処方ということで処方箋を発行するのですが、患者さんがどこの薬局に行くのかはコントロールできませんし、

してはいけないことになっています。

そのために、いざ薬局に行ってみたらその薬がないという事態が発生します。

薬がなければ、クリニックに電話して薬を変えてもらうか、別の薬局に足を運んで薬をもらうかしかありません。

いずれも手間と時間がかかる状況です。ここで無駄が生じてしまいます。

薬局にとっても必要な薬を渡せないということになりますからこちらも問題です。

 

幸いにも今までウチでは処方薬の変更を言われることは数えるほどしかありませんでした。

ただ処方している薬はそれが一番効果があるから処方しているわけで、その薬がないから変更しても

同様の効果が期待できるとは限りません。

そこも怖い所です。

ただ薬局に薬がないために一番効果のあるであろう薬とは違う薬を最初から処方するということは

すでに発生しているのです。

診察が順調に回ってるように見えても実は目に見えないところでこのような綱渡りは発生しているのです。

 

残念なことにこの状況は早急に改善するというものではなさそうで、しばらくはこの状態が持続しそうです。

抗生剤が必要にならないように毎日のスキンケアをしっかりと行うこと。

万が一感染症にかかったときには治療を最後まできちんと行い、ぶり返さないように務めること。

は現時点でも行える対応です。

頑張って夏を乗り越えていきましょう。

長期休みには眼科受診を

今日はアトピー性皮膚炎のお話です。

時間があるときには体をしっかりとメンテしましょうねというお話です。

 

アトピー性皮膚炎は一般的には皮膚だけの問題とされています。

もちろん別にアレルギーがあればそれはそこで治療をしっかりと行うべきですが、

アトピー性皮膚炎の子が皮膚科以外に受診をしたほうが良い科がありまして、

それが眼科なんですよね。

 

アトピーと目の関連、それはアレルギー性結膜炎だけではありません。

目の周りの湿疹、及びその湿疹治療薬のステロイドという問題があります。

 

特に目の周りの湿疹が強い子については、目を引っ掻いたり、叩いたりすることが往々にしてあります。

そのために目にも強く影響が出てきます。

まず起こり得るのは白内障。

こちらは目の周りをいじることだけではなく、アトピー素因がある場合がそもそも白内障になりやすいとされています。

もう一つは網膜剥離。

こちらはかゆみで目を叩くことが原因となります。

 

もう一つ、治療に伴い目で問題になるのは緑内障です。

こちらはステロイドの塗り薬に伴う副作用と考えられます。

どうしても眼圧が上がってしまうのですよね…

 

 

このようにアトピー性皮膚炎そのもの及び治療によって、目には様々な副作用が出てきます。

そこで問題になってくるのは目の症状の出方でして。

目の症状はかなり進行してから自覚症状は出てくることもあります。

その段階で対応しようとしても難しくなることが往々にしてあるのです。

つまり症状が出る前から定期的に症状を確認する必要があるのです。

そう。定期的に。

 

ということで夏休みの時間があるときには一度眼科の受診をすることを推奨します。

ただ、小さな子の目を診察するというのはある意味特殊技能ですので、

年齢によっては近くの眼科の先生では対応できないということもあるかもしれません。

その場合は声をかけていただければ少し離れたところにはなりますが、小児眼科専門の先生に紹介させていただきますね。

 

アトピー性皮膚炎の方は大人、子供を問わず、

年に最低1回。できれば2回は眼科で診察を受けてくださいね。

眼科の先生には、「アトピーがあるから目を診察してもらいなさいと皮膚科の先生に言われましたー」

と言えば、必要なポイントをしっかりと診察してくれますからね。

時間のあるときに、「症状が出ていない」ことをしっかりと確認していきましょうね。

足の裏の多汗症の治療法について(2024年8月)

先日子供の足の裏の皮剥けについてお話をしました。

その原因の一つに多汗症を上げたのですが、今回はその足の多汗症についてのお話です。

なお2024年8月時点での状況になりますので、今後新規治療薬が出る可能性がありますので、

そちらはご注意ください。

 

足の裏の多汗、いわゆる足底多汗といいますが、悩んでる患者さんは結構多いのです。

統計によると、手のひらとワキについて3番目だとか・・・

 

ただ、まず外来で積極的に話を聞くことは少ないのが実情ですし、

汗をかくけど気にしていないという方も多そうで、実際の所どれだけの患者さんがいるのかというのは多分わからないです。

しかし、外来でイボや水虫の処置をしているときに足の裏の汗が多いなあと思う方も多くいるのが実情です。

 

多分いるけど、気にしていない方も多いので、実数はわからない。

というのは本当のところでしょう。

 

 

では、気になっている方の治療法にいいのはあるのか?

というと、実は心もとないのが現状です。

保険診療、いわゆる病院で処方できる塗り薬というのは実はゼロ。

というのが現在の状況です。

現在いくつかの薬剤の治験が行われているというお話もありますが、

まだ市販には至っていません。

あとは抗コリン薬の飲み薬というのもありますが、足の裏だけのために

飲み薬を飲むというのもねえ。と言われるとそのとおりですし、

実際に副作用も全身性のものが出る可能性があります。

また現在品薄でおくすりがないと薬局で言われたこともあったり…

あとは処置としてはイオントフォレーシスが一つの方法でしょう。

足の裏を水につけて軽く電流を流し、それにより汗の出が落ち着くという方法ですね。

こちら、一応医療機関でも行えることにはなっていますが、ほとんどの皮膚科では導入していません。

うちもまだ導入はしていないですね。

あとの問題は時間がかかること。数分以上は必要になるようです。

(だから医療機関では設置されていないという面もあります)

自宅でも出来るようですので、購入して自宅で試してみるというのも一つでしょう。

自費の治療といえば塩化アルミがあります。

こちらはどの部分にも使えるので当然足にも使用可能ですね。

ときに刺激が出たり、負けたりすることもありますが、確率はあまり高くはないです。

ただ、効果は処方薬に比べて落ちますし、何回も塗らなければいけないのでそういう意味では少し手間がかかります。

そういう欠点はありますが、現在では最も容易に手に入りますので、もしも気になっている方は

一度試してみても良いかもしれません。

 

治療法について簡単に説明しました。

結局のことろ、すぐに使える効果の出る治療法というのがないので、治療しない。

治療できないなら気にしても仕方ない。

気になっても方法がないなら諦める。

ということで悩んでる方は多いのかもしれませんが、現状では治療に繋がらないので諦めている

そのようなパターンに入り込んでいるのかなあと思っています。

 

しかし、今後は薬剤の開発も進むでしょう。

その時にはこちらのブログで情報提供をしていきたいと思います。

 

今回は多いけど諦められている?足の裏の多汗症のお話でした。

 

手足口病、爪の変化が出てきました(2024年8月)

今回も手足口病のお話です。

 

先月にも簡単に説明しましたが、手足口病の今年の流行は爪に影響が出るパターンのようです。

実際に外来でもそのようなケースに遭遇してきました。

 

手足口病はいくつかの種類のウイルスが原因となり発生します。

その中でもコクサッキーA6型を原因とする手足口病は、発生してしばらく立った後に

爪に影響が出ることが以前から知られていました。

またコクサッキーA6型手足口病はその他にもいくつかの特徴が知られています。

 

そして、今年の手足口病はどうもこのコクサッキーA6が原因ではないかと症状から考えられてきました。

そうすると一つのポイントとして爪の脱落が起きるのかということになります。

この反応は感染してからしばらく立って、概ね1ヶ月ぐらい経過して出現するのですが、

最近の外来でこのような変化が出た方が出現してきましたよ。というお話です。

 

つまり、予想の通りのウイルスの感染が原因となるわけです。

 

 

ではこの爪の変化はどのようなことが起きるのか?

まず、爪の一部が浮いてきます。爪の中途から丸い形の白く濁った爪が出てきます。

実はこれは爪が皮膚にくっつかずに浮いている様子を反映しているんですね。

また、爪の根元が同様に白く濁って浮いてくることもみられます。

こちらは同じ反応が爪の根元で起こっている様子。

そして、それが爪の伸びと伴い、かぱかぱ浮いてきます。

途中で浮いた爪は側面まで浮いている状態が拡大し、どちらかの端だけで爪がくっついているようになりますし、

根本が浮いた爪は、先端部だけでくっついているように見えます。

そして最後に爪を何処かに引っ掛けた拍子にポロリと落ちる。

という流れで症状が出てきます。

 

その後は、何事もなかったかのように新しい爪が生えてくることがほとんどなので心配はいらないのですが、

爪がポロッと行ったらそりゃあびっくりしますよねえ。

 

 

対応は…残念ながらありません。

一度浮いた爪がもとに戻ることはありません。なので、剥がれるのを待つ形になります。

なので、どれだけ良い状況で剥がれるかという状況になります。

浮いている爪を引っ掛けて剥がして出血するというのが一番良くないパターンですので、

引っかからないようにあらかじめ爪を切って整形して引っ掛けないようにすることもよくあります。

あとは段差をジェルネイルで埋めるとかですかねえ…

 

コクサッキーA6型の手足口病はこのように終わってからしばらく立ってから爪の症状が出てくるので

いやらしいんですよねえ…

今年は注意が必要ですね。

という話でした

 

日焼けかと思ったらりんご病でした…(2024年8月)

というケースを複数経験したので、簡単に解説します。

 

日焼けとりんご病。実は合併して出ることがありまして。

特にりんご病の顔や手足の発疹の出現のきっかけになるのは

陽に当たることだったりします。

(なお、ストレスや寝不足も同様に原因になるのですが、

今回の話の趣旨とは変わるので割愛します)

 

ではひやけとりんご病の発疹の出方はどのように違うのか?

まず顔から

・日焼けの主体である、鼻の頭、おでこにはりんご病では症状はでない。

・下顎、口の周りにもりんご病の症状は出ない。

・日焼けするときは唇もがさがさになるが、りんご病ではきれい。

次に体の方も

・首の後ろにはりんご病では症状が出ない。

腕についても同様に

・日焼けはベッタリとした赤み。りんご病は網状の赤み。

・りんご病では手の甲に赤みが出ることはあまりない。

ですね。

 

理由としては日焼けは露光部に照射量に比例して症状が出るのに対して

りんご病は出る部位が決まっていること、特に腕足では網状に出ること

の違いがあります。

りんご病の赤みがなぜ出現するのかはわかっていませんが、

ウイルスが壊れたあとの欠片によるアレルギーと考えられています。

そのため血管の位置に合わせて症状が出てくる可能性があります。

 

確かにどちらも日にあたったあとに症状が出るのが特徴ですが、

日焼けとりんご病の発疹は細かく見ていくと少し違うことがわかるかと思います。

ただ、パット見ではわかりにくいかもしれませんね。

もしもどちらかわからなくて気になる方は一度皮膚科にご相談ください。

クロックスが原因の足の皮むけ?

という例を毎年経験するので、簡単に解説をしてみましょう

 

足の裏の皮むけを理由に受診される患者さんが毎年夏に見られます。

幼稚園児から小中学生くらいまでかな?

もちろん大人も多いのですが、大人の場合は水虫。

でも子供の場合は少し話が異なりまして。

その原因、実は汗なのですよ…

 

もちろん水虫の検査はしますが、水虫はいません。

ではなぜ皮がむけるかというと、汗っかき。

その汗が足の皮をふやかして皮むけを作るのです。

ではなぜ汗がたくさん出るのか?

おおもとの原因は夏だから。

なのですが、もう一つ理由がありまして。

 

それがクロックスをはじめとする靴なのです。

ゴムやビニール底の靴が原因です。

 

つまりスニーカーのような布や革の靴と異なり、

吸水性・吸湿性が一切ありません。

なので、汗をかいたその汗が靴の裏にそのまま残り、

皮膚の方へと再度浸透します。

そのために皮膚がふやけてしまい、結果として弱くなり剝けてくる。

という現象が起きるのだと考えます。

こういう子にはスニーカーを履くように、靴下をはくように指導すると

症状が良くなることも多いので、たぶんそうなんだろうなあと思っています。

 

勿論水虫は考える必要があるので、

心配な方は一度皮膚科を受診してください。

検査して有無を確認しますので。

 

足の皮むけが気になる方はまず足元のチェックをしてみてはいかがでしょうか?