わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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病気の話

気温が下がってあせもになる?(2024年9月)

今回もあせものお話。

 

 

9月に入って気温が下がってきましたね。

朝夕の環境がだいぶ快適になった気がします。

ただその快適な環境があせもを呼ぶというお話もありまして。

 

その原因は何かというとエアコンとの複合作用です。

今までは気温が高かったからエアコンをしっかりと夜間も使っていました。

ただこれから朝夕気温が下がるので、エアコンを止めました。

ということも起きると思います。

実はコレが良くなくてですね。

エアコンを一気に止めてしまうと夜間から深夜の室温が結構上がってしまいます。

そのために汗をかいてしまう

そしてあせもを作ってしまう。

という状況になってしまうのです。

 

この時期のエアコンの使い方は難しいのはわかるのですが、

一気に止めるということはしないで、徐々に弱くするというような使い方が大事かと思います。

 

極端に走るのは良くないんですよ…

 

今週あせもが多かった理由(2024年8月)

今日はあせものお話。

 

いやあ、今週はあせもが多かったですねえ。

ということでどうしてそのようなことになったのか簡単に解説します。

 

まず要因の1点目は台風ですね。

台風は南から湿った空気を連れてきます。

今回の台風10号でも東京にやってくる雨雲は常に南からでした。

そして雨を降らせたわけですが、もう一つの特徴として湿度もつれてきました。

常に、一日中、湿度100%です。まあ室内はまだましかとは思いますが、夏の晴れの日よりも明らかに湿度は高いです

ということは汗はずっと蒸発できずに皮膚の表面に滞留します。

そのためにあせもを生じる結果になりました。

 

要因の2点目は新学期です。

まあ、学期前からかもしれませんが、スキンケアのレベルがどうしても落ちてくるんですよねえ。

そして新学期が始まると一気に下がる。

という現象が発生します。

今日の外来でも「忙しくて朝のシャワーが出来ません」という声を何度聞いたことか。

当然汗を流すことができないので、汗が皮膚の表面に滞留する時間が長くなります。

そのためにあせもが生じる結果になりました。

 

 

あせもの要因は汗であることがご理解いただけるかと思います。

ではあせもの悪化する要因は何かというと、汗の量と汗の付着時間です。

 

それが今週は、台風で汗の量が増える。

そして忙しくてシャワーが出来なくて汗の滞留時間が増える。

結果として汗疹が一気に悪化するというケースが発生したようです。

 

一般に夏休みの後半はあせもの頻度が下がってくるものですが、

今週は気候的な要因と社会的な要因が悪い方に組み合わさった結果として

あせもの子が多く受診することになったようです。

 

ちょっとしたことで皮膚は大きく変化するんですよねえ…

実に興味深いのです。

アトピーの全身療法では転院時に必要な情報が有るのです

今回はアトピー性皮膚炎のお話です。

 

アトピー性皮膚炎の全身療法が始まって6年が経過しました。

現在では多くの方が治療を行っていると考えられます。

適応も生後6ヶ月まで広がっているので子どもたちでも治療中の子は多いです。

 

そこで問題になってくるのが引っ越しです。

引っ越しにより、医療機関を変える必要があるというのは仕方が内面では有るのですが、

そのときに、前の医療機関から情報を引き継ぐ必要があるんですね。

 

アトピー性皮膚炎の全身療法を行うにはいくつかの条件が実はついています。

湿疹の面積の広さ、症状の強さを数字にするのですが、それがいくつ以上という形で

条件設定がされています。

ただ、その数字って、調子が良くなると下回ってしまうことがほとんどの例で有るのです。

そうすると引越し先の医療機関で最初に皮膚を見ると該当しない。

という残念な結果になってしまうのです。

そこで大事になるのは前医のデータ。初診時つまり一番悪いときの

数値データが必要になるのです。

そのデータを使用して全身療法を継続することができるのです。

これ、大事なお話です。

 

なお、その数字がなにかに付いては処方している医師は把握していますので、

引っ越しのお話と同時にデータをほしいといえば、

紹介状にして記載してくれると思います。

できれば数日の余裕を持って、一度皮膚科に相談していただくとよいかと思います。

 

 

引っ越しのときの作業は膨大なものでは有るのですが、

アトピー性皮膚炎の紹介状に関しては、全身療法を行っている方は

必ず用意してもらってください。

スムーズな治療を継続するために最初に一手間かけるのが大事です。

0才児でも耳の中まで洗って良いんですよ

というお話です。

 

 

耳の湿疹は結構な頻度でめにします。

特に0才児に多いんですよね。

 

なぜ耳の湿疹ができるのか?

以前にもお話はしていますが、

生後3ヶ月までは皮脂の分泌が多いため、

それ以降はよだれや食べこぼし、ホコリなどの汚れのため。

に湿疹が発生します。

 

そして、もう一つの問題は耳を洗わないこと。

耳に石鹸をつけてはいけないと思われているようです。

 

実は耳に石鹸をつけるのはダメでも禁忌でも無いんですよねえ。

というのも、すでに耳の穴の中には赤ちゃんの段階で鼓膜ができています。

そのため、構造としては大人と同じです。

ただ、その情報をお母さん方は知らないので、

耳に水をかけてはいけないと思ってしまっているのです。

なので、外来でそのようなお話をするとびっくりされるのですよ…

 

耳のスキンケアの鉄則はしっかりと洗い、しっかりと流すことです。

回数のお話は別の機会にしますが、

耳たぶの中から、耳の穴の中に水が入っても構わないので、

しっかりと石鹸をつけること。

そして大量の水で洗い流すこと。

というスキンケアを徹底しましょう。

耳の穴の中には水は入っても頭の中には水は入りませんので、

それはご心配なく。

耳の穴の中の水については最後に綿棒でお掃除すれば大丈夫。

まああまり水が入ることはありませんけどね。

 

耳たぶとその中は意外に湿疹ができやすい場所でもあります。

毎日しっかりと洗って予防してあげてくださいね。

皮膚科受診日は水虫の市販薬は塗らないで

来てほしいのです。

 

 

ということで今回は水虫のお話。

ドラッグストアや薬局では水虫の市販薬が色々と置いてあります。

水虫かもと思ったときは、市販薬を塗って皮膚科を受診したほうが良いですか?

というお話です。

 

皮膚科は、

水虫の市販薬を塗って受診すると、結果的に水虫の診断治療が遅れますよ。

という考えです。

 

水虫とは何か?白癬菌いわゆる水虫のカビが足の皮膚につくことにより生ずる病気です。

なおこの白癬菌は水虫で無い方の足にはおりません。

つまり、白癬菌が有るかないかが水虫の診断の基準となるわけです。

実際に皮膚科では水虫の診断をするために足の皮膚を削って

顕微鏡で水虫の有無を確認するんですね。

 

ただ、その検査は市販薬を塗ってしまうとわからなくなってしまうのです。

薬のせいで水虫がいなくなってしまうんですね。

そうなると逆に診断できないのです。

だって元々いないのか、居たけど居なくなったのかの判断は顕微鏡ではできないですから。

 

そうすると皮膚科としてはまず何も塗らずにしばらく経過を見て、

症状が出たら再度顕微鏡で検査をしてという形で対応をせざるを得なくなるのです。

また再度受診していただくことになるので、手間がお互いかかってしまうのです…

 

 

また、そもそも論として、水虫と言って受診される方のある程度の割合で、

水虫でない方がいるのです。

汗による湿疹だったり、多汗症だったり、ウイルスによる病気だったり。

そういったものを水虫と言って受診される方も多いのです。

だから顕微鏡で検査をする必要があるんですけどね。

逆に市販薬をそういった病気に対して塗っても効果は期待できません。

というところもあまり水虫の市販薬をおすすめしない理由でもあったりします。

 

できれば皮膚科を受診する日は最低でも市販薬は塗らないでほしいですし、

本当のことを言えば市販薬を使う前に一度受診していただきたいところですねえ。

浸水した道を歩いて帰った後にすることは?

今回は災害対応のお話です。

皮膚科的に少し考えてみることにしましょう。

 

昨今の集中豪雨、以前よりも凄さを増していますねえ。

お家も浸水のリスクを考える必要がありますが、それ以外にも、帰宅途中に

浸水に見舞われその中を歩いて帰ったとき、その後どうしたらよいかを考える必要がありますね。

 

足がびしょびしょでお家に帰る前に行ったほうが良いことがあります。

それは家族に連絡を取ること。

自宅でもあらかじめ準備をすることで被害を最小限に食い止めることができます。

ではその被害は何か?健康被害ですね。

つまり浸水した水はただの雨水ではありません。

雨水、下水の入り混じった水である可能性があります。

少なくとも一度側溝に入った水ですので、側溝内のさまざまな有害物質に汚染されていると考える必要があります。

また側溝内には動物の死骸などがありますので、病原微生物への暴露も考える必要があります。

そのようなモノを家に持ち帰るわけですから帰ってこられる側でも相応の対応をする必要があります。

なので、事前連絡からの準備は大事です。

 

では連絡された側は何をするかというと。

まずは玄関にバケツやビニールの大きな袋を準備してください。

可能ならざっと洗えるようにお湯/水を準備すること。

そしてお風呂場まで、床を歩かなくても良いようにお風呂場までタイルや防水シートを敷いておく。

最後にお風呂にお湯を張っておくこと。

以上は帰宅直後に行えるように準備することを推奨します。

可能であればアルコールで消毒する準備も必要です。

というのも時間が経てばその汚染物質は乾燥し、ホコリとなって舞うことになります。

そのリスクを下げる必要があるんですね。

 

ということで事前に準備をしてもらってから帰宅します。

帰宅して玄関先でまず行うこと。

脱いでください。

靴も、濡れたズボンも全部脱ぎましょう。

上半身も汚れたのであれば、汚水のついた服は全部脱ぎます。

そしてそばに置いたバケツなり、大きなビニール袋なりにしまい、

蓋をするかくくるかをして、汚水でそれ以上周囲を汚染しないようにします。

 

で、タオルや防水シートの上を歩いてそのままお風呂場へいきましょう。

そしてまずはしっかりとシャワーをして汚れを落としてください。

一般的に石鹸は1回使えば良いと思いますが、心配なら2回石鹸で洗いましょう。

その後湯船に入り、体を温めると良いかと思います。

 

湯船に入って行うことはまず汚水付着部に傷が無いかの確認です。

水虫、擦り傷、虫刺されなど、皮膚の一部に傷があればそこから感染を起こす可能性が

跳ね上がります。

同様にふやけて破れた皮膚についても要注意です。

湯船の中でゆっくりで良いので全身特に下半身はくまなく確認してください。

問題なければOK。

温まったら、まず湯船のお湯を抜き、浴槽内を洗剤で掃除し、もう一度シャワーで汚れと湯船のお湯を落として上がります。

その後は清潔な服を着て、汚水が付着した可能性があるところを消毒して回りましょう。

最後に寝る前に再度足を中心に皮膚のチェックを行います。

その頃にはふやけた皮膚も乾燥していると思いますので、再度傷の確認を行います。

 

(汚水の付着した洗濯物・靴への対応は専門の方の情報を確認してください。

こちらでは割愛します)

 

当日の対応はそれでOKです。

翌日以降ですが、

・もともと免疫の低下している方(糖尿病、ステロイド/免疫抑制剤内服、抗がん剤治療中など)

・汚水付着部に傷、虫刺され、水虫など皮膚ダメージが見られる方

・新たに皮膚になにか症状が出てきた方

は早く医療機関を受診することをおすすめします。

持病があり、定期的に通院している方はそちらの受診を検討してもよいですし、

皮膚科や形成外科、外科などいわゆる皮膚や傷の対応ができる医療機関を受診しても構いません。

免疫力が低下している方であれば状況によっては予防的に抗生剤などを飲むことも考えられます。

またそれぞれの皮膚症状がある方は、感染症を注意しつつそれぞれの皮膚症状を抑える必要があります。

なお、受診時には汚水に触れたことはきちんとお伝え下さい。

その情報が有るか無いかによって医療従事者の感染症対応が変わってくる大切な情報ですので、

状況の説明をしていただけるとありがたいです。

後は医療の方で対応という形になります。

 

感染症ですが、吸い込みからの呼吸器感染症もありますが、まず最初に考えるべきは

皮膚局所からの感染症です。

一般の方であれば大きな問題になることがありませんが、特に糖尿病などの方では

対応が遅れると切断レベルの話に進行することがありますから注意が必要です。

本当に怖いんですよ…

 

最後に繰り返しになりますが、

浸水した水はただの雨水ではありません。有害物質、病原微生物を含んだ汚水です。

きちんと対応し、その後の感染症もしっかりと予防してくださいね。

アトピーは秋に2回悪化する?

今回はアトピー性皮膚炎のお話。

その中でも学生さん以下の年齢のお話になりますかねえ?

 

秋のアトピー性皮膚炎。

季節の変わり目にはアトピーは悪化しやすいと言うお話はよく耳にするかと思います。

ただ、秋に関しては悪化のポイントは2つ有るのですよ。

簡単に説明をしていきましょう。

 

一つは気候変動によるものです。

大体9月終わりから10月にかけてですが、気温が下がるとともに湿度が徐々に下がります。

そのため乾燥が強くなり、アトピーが悪化します。

一般的に言われる秋のアトピー悪化というのはこのことを指すことが多いです。

対応としてはしっかりと保湿をすること、保湿剤そのものを夏用から冬用に切り替えることでしょうね。

 

ただ、秋の悪化にはもう一つあります。

こちらは先の気象条件とは異なる社会的なものです。

つまり、9月1日。

いわゆる夏休みの終わりですね。

もっとも最近の学校は8月中に2学期が始まるところも多いので、

以前よりは幅が出ますが、夏休みの終わりから学校の始まりにかけては

悪化するパターンが多いようです。

こちらの原因は実は難しく、いろいろな要因が考えられます。

一つはスキンケアの低下。

夏休み中に毎日シャワーをしていた子が2学期になって止めてしまう。

ということも往々にしてあります。

そのために悪化する可能性があります。

あとは、睡眠不足やストレスですね。

夏休みの宿題の仕上げだったり学校の準備だったり。

睡眠時間は短くかつ不規則になる子も多いでしょう。

学校に行くこと自体がストレスになる子もいるでしょうし、

心理的な障壁がなくとも生活習慣が変わりますからそれはストレスになります。

そのために湿疹が悪化するということもあります。

最後、受診できない問題ですね。

忙しく、やることがおおい新学期当初は物理的に時間が取れないとか、

保護者側もバタバタするために受診がなかなかできないということになりがちです。

そのために薬がなくなってもそのままになってしまう。

という問題が発生し、結果的に治療強度が下がるから湿疹が悪化するということになります。

 

そういったわけで、空気の乾燥の時期は要注意ですが、

夏休みの終わりから二学期の始まりは子どもたちのアトピーにも負荷がかかりますので、

要注意ということになるのです。

 

秋も少しずつ顔を出してきた気候ではありますが、しっかりとケアは続けていきたいところです。

秋に流行する皮膚病って何がありますか?

今回は秋のお話。

もうそろそろ夏もおしまいですからね。

 

秋に流行する皮膚の病気はいくつかありますが、

代表的なものはこの3つでしょう

・いぼ

・みずいぼ

・しらみ

この3つは夏にすでに種がまかれているのですよ。

 

種がまかれていると言っても植物のように本当にタネがあるわけではありません。

原因となる微生物はすでに取り付いているというお話です。

いぼはイボウイルス(ヒト乳頭腫ウイルス)

みずいぼは水イボウイルス(伝染性軟属腫ウイルス)

しらみはシラミ

ですね。

 

いずれも潜伏期間を持って発症する病気です。

潜伏期間というのは感染が成立してから症状が出るまでの時間のことですね。

いぼとみずいぼはウイルスが皮膚に感染して発症するわけですが、そのウイルス粒子は非常に小さいので

当然目には見えません。

ウイルスが多く出現し、皮膚に変化を起こして初めて症状として捉えることができます。

そういうタイムラグが生じるのが特徴です。

シラミは逆に目に見えます。

ただ、隠れるのは上手なので、シラミが取り付いた段階では目で見つけることはまず不可能。

ではなぜ症状が出るかというと、シラミが頭皮から血を吸う。その時皮膚に入るシラミのタンパク質に対する

アレルギーとして痒みが生じるんですね。

つまり、刺された当初は何も起きないのですが、何度も吸われるうちにある日突然アレルギーが成立する。

そのために症状が出る。

ということでしらみが取り付いてから症状が出るまでの時間差が潜伏期間ということになります。

 

でき方は違うとは言え、潜伏期間はそれぞれ数週間暗いと考えます。

つまり秋に流行する病気というのは今頃に感染が成立している可能性が高いというわけです。

秋の病気は夏に始まっているわけなのです。

毛虫の季節がやってきました?(2024年8月)

毛虫の季節がやってきたんでしょうかねえ?

 

今回は毛虫の話です。

 

毛虫による皮膚炎というのがあります。毛虫の毛が皮膚に刺さり、アレルギー反応を起こすわけですね。

ちなみにこの皮膚炎を起こす毛虫は蛹にも成虫になった蛾にもその毒針があるのですが、

数からいうと毛虫の毛の数がダントツで多いのです。

その毛虫皮膚炎の患者さんを目にするようになりましたというお話です。

 

毛虫皮膚炎は年に2回春と秋に発生します。

問題はシーズンごとに発生量が大きく変わること。

つまり、患者さんが多く受診するシーズンと全然受診しないシーズンがあるのです。

今年の春は全然受診しないシーズンでした。

秋はどうなるのかというとまだまだ読めないのです。

ただ患者さんが来ましたよというお話。

しかし、この時期は帰省先で発症して帰って来る方も多いので東京で発生しているかというと

そこがまだわからないんですけどねえ…

 

ただ、毛虫皮膚炎の特徴として、

特に体の一部に密集し、その集中部分から離れるに従って徐々に密度が下がってくる。

そしてとてもかゆい。

そんな発疹を見たときには毛虫からの皮膚炎を疑ったほうが良いのです。

これから増えてくるかもしれませんので要注意ですね。

食物アレルギーの子の「許容量」と「許諾量」のお話

今回は食物アレルギーのお話です。

といっても専門家と言には詳しくはないのでざっくりとしたお話になるのですが、

家族や周りの食物アレルギーを持っている子やその保護者と接するうえで

知っているとお互い楽になるお話をしようかと思います。

 

食物アレルギーとはある食品を食べると極微量でアレルギー反応が起きて

困ってしまう病気と考えてよいかと思います。

こちらアレルギーなのでざっくりと微量で症状が出るのですが、その量というのは個人によって異なります。

つまり、それぞれの食物に対する「許容量」があるんですね。

これを超えると症状が出る。だからダメ。

という制限量になります。

これは医学的なものであり、かなり厳密なものです。ちょっとでも超えるとダメなこともあります。

 

ただ、人間は機械ではありませんので、そんなにはっきりくっきりと区別出来るわけではありません。

この許容量も状況によって多少変化します。

例えば、風邪を引いているとき。

例えば、疲れているとき。

例えば、喘息など他のアレルギー症状が出ているとき。

そういった時にはこの許容量が下がることが起こります。

つまり、「いつもは大丈夫だったのに今回は…」というパターンですね。

 

また食品側の問題もありますね。

旬の季節にはタンパク質の量や濃度が増える。そのためにタンパク量では変化がなくても、

それを含んだ食品の許容量が変わるということもあります。

同じ食品でも銘柄や産地が変われば、その成分量も変わる可能性もありますよね。

 

このように一般的には固定された数字と思われる「許容量」も状況によってブレてきます。

そうなんです、これは決まった数字のよう見えるけど、ある程度の幅が実生活上では出てしまうものなのです。

 

 

 

このような状況によってブレる「許容量」を見ている保護者の方はその時の状況によって食物摂取量に制限を更にかけるのです。

つまり予防的に数値を変えることにより、食物アレルギーの発症を抑えようとするわけですね。

実に合理的な方法だと思います。

この保護者により安全率を加えて出された量を今回は便宜上「許諾量」としましょう。

なので、この「許諾量」は完全に社会的な数値になります。

まあ一般的に考えて「許諾量」は「許容量」と同値か、それ以下になるわけですね。

 

そして、この食物アレルギーの「許諾量」は「許容量」以上にダイナミックに変化する数値でもあります。

では何によって変化するのか?

保護者の主観的な考え方で変わります。

例えば周囲の医療状況。

病院はそばにある?救急車はすぐに来る?知っている先生に見てもらえる?

という条件を確認し、問題があるなら「許諾量」を下げることにより食物アレルギーの発生を予防しようとするわけですね。

極端なことを言えば、朝昼と夜とで「許諾量」を変えることもあります。病院が空いているか否かというのは大事ですから。

同様に周囲の環境によっても変わります。

保護者が近くにいるかいないか。医療従事者がすぐに対応できる環境にあるか?でも「許諾量」は変わりますよね。

実際に保育園幼稚園小学校でも、一応食べられるけど、対応リスクはあるので食事は制限しますというお話もよくあったりするのです。

例えばキャンプに行って誰も対応できないのに食物アレルギーが出たら…いかがですか?

危ない橋はわたりたくないですよね。

 

というのが保護者の主観的・社会的な「許諾量」の考え方になるのです。

つまり、

食べられる=食べさせる

ではないということは普通に起こりうることなのです。

食べられる。けど、状況を考えて食べさせない選択をする

ということもあって当たり前なのです。

 

食物アレルギーについて全くわからない。

ということは今ではだいぶ減りました。

根性や気合で乗り切れるものではないということも理解していただけるようになったなと思います。

ただ、今まで大丈夫だったから今回も大丈夫。

では無いということ。食べられるけど食べさせないという選択をすることもあるんだということ。

これは理解してほしい事柄かなあと思います。

 

ちょうどお盆の帰省で帰省先の両親・義両親との間で板挟みになっている

食物アレルギーの子持ちのお母さんの声が聞こえたので、

簡単に解説してみました。

 

まず保護者の意見を聞いてからにしてくださいね。