わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

液体窒素

娘の手にイボ(尋常性疣贅)ができたので、液体窒素で灼いてみた 処置4日後

さてされ、更にそのまた翌日の写真です。

 

vv 4d

 

昨日に比べて少しずつ硬くなってきました。

昨日は少し柔らかかったのですが、徐々にしっかりとしたかさぶたになってきたようです。

 

これからしばらくはこのままでしょうね。

 

娘の手にイボ(尋常性疣贅)ができたので、液体窒素で灼いてみた 処置3日後

さてさて、更にそのまた翌日の写真です。

 

 

写真ではわかりにくいかもしれませんが、かさぶたになってきました。

この状態になると、もう痛みもありませんね

むしろ、かさぶたによるむず痒さの・ようなものができたようです。

 

昨日書いた2パターンのなかで、良い方に進んできました。

もう一つのパターンは水ぶくれが擦れて破けてしまうパターンです。

この場合は必要に応じて塗り薬や被覆材が必要になります。

まあ、今回は力のあまりかからない手の側面であったことも落ち着いている理由なのでしょう。

 

さて、あしたはどのようになっているでしょうか。

 

娘の手にイボ(尋常性疣贅)ができたので、液体窒素で灼いてみた 処置2日後

さて、その翌日です。

 

vv 2d

 

昨日とはあまり変わりませんね。通常に生活している分には痛みはありません。

でも、まだ当たると痛いようです。自転車で転んで手をついた時には痛がっていましたね。

 

このまま数日が経過するかと思います。

この期、2パターンに分かれるのですが、さて、どうなることやら・・・

娘の手にイボ(尋常性疣贅)ができたので、液体窒素で灼いてみた 処置翌日

さて、今回は処置翌日のお話です。

 

痛みはその日の夜に少し有りました。

どうも触ると痛いようですが、何もしていない時は痛くも痒くもないようです。

 

vv 1d

 

肉眼でははっきりませんでしたが、写真にするとよくわかります。

イボの処置をした所の周りが水ぶくれになってきました。

少し盛り上がってきているようです。

また、その周辺部は赤みが出てきました。

 

液体窒素による直接的な影響である、低温熱傷からの水疱形成と、

液体窒素により、皮膚に炎症が誘発されて出てきている症状です。

 

この症状を見て、疣贅の治療は効果があると考えるのです。

 

但し、気を付けて欲しいのですが、今回は手の側面という比較的皮膚の薄い部分に処置を行ったために

比較的早い時期から反応は起きています。

一般的な足の裏のイボの場合はもう少し余計に時間がかかることも多いですし、

症状はあまり強く出ないこともあります。

時には全く水疱にならないこともあるので、あくまでも今回はひとつのパターンとなります。

 

さて明日はどのようになっているのでしょうか。

娘の手にイボ(尋常性疣贅)ができたので、液体窒素で灼いてみた 処置当日

医者の不養生・・・とは少し違いますね。

そう言ったら小児科の先生の子供は風邪もうかつに引けないですよね。

 

3月末の事です。妻から娘の手に何かができていると言われました。

どれどれ

と思って確認してみると、

vv Pre Treatment

あらら、イボですね。

 

ということで先週液体窒素を使って灼いてみました。

 

土曜日の午後にクリニックに来てもらい、

最初にエムラクリームを塗り、パーミロールで皮膚を保護します。

 

エムラクリームとは麻酔の塗り薬です。

現在日本ではレーザーの痛みを取るためだけに使用されていますが、

海外では注射の痛みの軽減、その他痛みを伴う処置の時に使用されている薬剤です。)

 

通常30分から60分程度で痛みを取る力は十分であるとのことですが、

今回は1時間半くらいしてから処置を行いました。

(遊びに行ったら想定外に時間がかかってしまっただけです・・・)

 

液体窒素を当てるときには当クリニックでは綿棒に綿球を巻きつけたモノを使います。

それを、イボの部分が白くなるくらいまで当てます。

VV Treatment 1vv Treatment 2vv Treatment 3

こんな感じですね。

 

そして1回液体窒素を当てた後は時間が経過し、白くなったイボが皮膚の色に戻るまで待ちます。

おなじ処置を5回繰り返し、終了です。

 

終了後本人に聞いたところ、「全然痛くない」とのことでした。

 

さて、子のイボはどうなっていくでしょうか。明日からも毎日確認してみましょう。

 

イボの治療後、どのようになるのか心配な方の参考にしていただけたらと思います。

 

ブヨ刺され・結節性痒疹の治療法その2 薬以外の治療法を考える

Black_Fly

ブヨ刺され・結節性痒疹のお話その2は、薬以外の治療法についてです。

 

薬を塗ってもなかなか落ち着かないのが、結節性痒疹です。

そのような場合、補助的に治療法を組み合わせることがあります。

 

1)覆う

まずやってみるのが覆うこと。

当院ではパーミロールという透明な粘着剤入りのポリウレタンフィルムを使用しています。

簡単に言うと、皮膚にくっつくサランラップですね。

 

フィルムで覆うことのメリットはいくつかあります。

まず、薬の吸収が良いこと。

単に皮膚の表面に薬を塗っただけでは、薬が剥がれてしまいます。

これにフィルムで覆いをつけてあげると、剥がれる薬はなくなり、効果が強くなります。

もう一つのメリットは引っ掻いた時のダメージが小さいことです。

摩擦の小さなフィルムが表面を覆っていることで、引っ掻いた時に

直接皮膚に刺激が行かなくなります。また、皮膚の細胞がむしり取られることはなくなります。

つまり、血液が出ることもなく、血小板からの炎症を悪化させる成分も出なくなります。

 

逆にデメリットもいくつかあります。

まず、感染が起きやすくなること。

また、塗すぐりの副作用もできやすくなります。

もう一つ、蒸れてふやけてしまうこともあります。

これについては、当院では最も蒸れにくいフィルムを使っているので、問題にはなりませんでした。

〔日東メディカル〕優肌パーミロール(ハンディロールタイプ) 10cm×10m×1巻 品番:H24R10

 

上は当院で使っているフィルム材です。いくつかの製品を試しましたが、

もっとも優れていると思います。

残念ながらAmazonでは10mのものしかありませんが、

当院では2mの長さの製品を扱っています。使い勝手は2mの製品の方がいいみたいです。

受付に申し付け下さい。

 

2)液体窒素

液体窒素で結節性痒疹の部分を焼いてしまうこともあります。

これも何故効くのかよくわかっていません。

一説には皮膚の下まで伸びた異常な神経を焼いているからということも有るようです。

当院では痛くないような方法で治療することもあります。

 

3)紫外線

これも一般的な治療法です。

ナローバンドUVBやエキシマレーザーと言った治療法もこの分野の治療法になります。

が、当院ではこの治療はしていません。

機械がないんです・・・

というのも一つですが、小さな子の場合、若いうちに紫外線で治療をした時に、

その後、皮膚の腫瘍が出来ないのかがはっきりしていないというのも心配な点ですので、

今は治療は行わずに詳しい情報が集まるのを待っている段階です。

 

結節性痒疹はさまざまな治療法を駆使しないとなかなか落ち着かない治療法です。

当院ではこのような治療法を組み合わせて行っています。

これでも、夏は現状維持でよしと考えています。

これから涼しい季節になりますが、これからが治療の本番です。

頑張りましょう。

 

 

イボの治療の時に痛い方がすぐに治るのか?

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イボの治療をしている時に、何度も治療をしている間、

回数を重ねるごとに痛みが強くなると言われることがあります。

逆に何回治療をしても痛みがあまり無いと言う子もいます。

どちらが早くイボが治るのでしょうか?

 

はっきりとした統計はないのですが、多分、痛みが強くなってくる子ほど

イボの治りは近い印象があります。

なぜでしょうか?いくつかの要因が考えられます。

 

そもそも、イボが取り付くのは皮膚のどの細胞なのか?これははっきりとした結論は出ていないのですが、

「幹細胞」ではないかと言われています。

幹細胞」とは最近ニュースで聞かれる言葉かもしれませんが、すべての細胞のお母さんのような細胞です。

女王蜂のようなと言っても良いのかもしれません。

つまり、幹細胞は常にそこにとどまって分裂をしています。

分裂した娘細胞が皮膚となって分化(皮膚として成熟)していくのです。

皮膚の幹細胞は皮膚の一番下に存在しています。つまり、イボが取り憑いた細胞も皮膚の一番下に居るのです。

 

まず、これが一つ目のポイント。

 

次のポイントは液体窒素です。

液体窒素がどのようにしてイボに効くかははっきりとはわかっていません。可能性として

1)物理的な温度の変化で細胞が壊される

つまり、冷凍庫から何度も出し入れするうちに食材がシナシナになっていくのと同じですね。

2)細胞を栄養している血管が壊れる

間接的にイボが取り付いている細胞を餓死させるわけですね。

3)炎症を誘発する

凍ったり、解凍されたりを繰り返しているうちに、体が異変に気づき、その部分を排除しようとする機構が働くわけですね。

などが考えられています。このどれが最も効果をはっきりしているかはわかりませんが、

優しい治療(冷やし方が足りない)と、なかなか治らない印象がありますが・・・

 

最後のポイントは神経線維です。

実は皮膚の表面には神経は来ていません。

神経は皮膚の下の真皮の浅い部分までしか届いていません。

うっすらと血が出ない程度に皮膚が切れていても気が付かないのはこのせいですね。

 

 

では、イボの治療をする時に痛みが出るのはなぜかというと、

その神経の先端部分が冷やされるからです。

当然その上の皮膚もよりしっかりと冷やされているわけです。

 

一般的にイボの部分には厚く皮膚は積もっています。

つまり、他の部分に比べてちょっとやそっとでは凍らないように成っています。

液体窒素を当てても他の皮膚に比べて痛みは弱いのです。

 

では回数を重ねるうちに痛みが強くなってくるのはなぜか。

皮膚の厚さが減ってきているからなのです。

つまり、イボの取り憑いた細胞の数が減少しているから。

イボの取り憑いた細胞の増殖を、治療で抑え込めているからです。

幹細胞そのものを殺しているか、殺せないまでも分裂ペースを抑え込めている方なのです。

 

痛みが強くなるのは確かにイヤなことではあります。

しかし、そろそろイボが治ってくれる証明と考えれば、少しは我慢できるかなぁ?

え、ダメ?

 

 

 

最後におまけ。

治療時の痛みはしたがって効果の証明にはなりますが、痛みそのものだけを取り除いても

治療の効果が落ちるわけではありません。

(ただし、痛くないように治療の手を緩めるとかえって治りが遅くなってしまいますが。)

当クリニックでは痛みだけを取り除く治療を患者さんの希望があれば行なっています。

受診のうえ、ご相談いただければと思います。

痛くないイボの治療を希望される方へ

イボの治療の一番の問題は痛みです。

しかし、痛くない一般的な治療(スピール膏やサリチル酸ワセリン、ヨクイニン内服など)では、

治療効果は今ひとつという印象です。

そうすると、液体窒素の治療ということになりますが、

痛いし・・・

どうしたらいいんだろう。

 

という声をよく聞きます。

 

当クリニックでは液体窒素を行うときに痛みを減らす治療法を行なっております。

まず、受診していただき、イボかどうかの診断を行います。

痛みの少ない治療法を希望される方はその時にご相談下さい。

その時に詳細について説明いたします。

 

この治療法が全国に広まってくれるといいのですが、

様々な制約があり、難しい状態です。

もし気になる方がおりましたらお気軽にお問い合わせ下さい。

 

追記

先進的な治療法ですので、記録のために写真を撮影することがあります。

また、痛みのデータや年齢、部位などの一般的なデータについては

集計し、学会その他で発表することがあります。

精神発達障害、自閉症の方の治療は現時点では行なっておりません。

(今後、数が増えれば可能になるかもしれません)

 

追記その2(2019年2月)

今年から、新しいイボの治療を開始いたしました。

この記事にあるような、麻酔薬を使用して液体窒素を使用するのではなく、

そもそもの液体窒素を使用しない方法となります。

もしも興味のある方がおりましたらこちらからご確認下さい。