わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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子どものアトピー性皮膚炎の治療選択肢は2歳から増えるのです

今日はアトピー性皮膚炎の治療薬についてのお話です。

ここ数年でアトピー性皮膚炎の治療薬の選択肢が一気に増えました。

現在そのハードルは2歳です。

つまり2歳になると一気に選択肢が増えるんですよね。

 

現時点でのアトピー性皮膚炎の治療の選択肢とその年齢です。

0歳からOK

保湿剤

ステロイド外用剤

2歳

プロトピック軟膏

コレクチム軟膏

モイゼルト軟膏

12歳

リンヴォック錠(内服)

サイバインコ錠(内服)

13歳

ミチーガ注(注射)

15歳

デュピクセント注(注射)

オルミエント錠(内服)

※内服、注射剤についてはある一定以上の症状の方のみ投与可能です

 

つまり、2歳までは炎症を抑えるのはステロイド一本槍で行く必要があるのですが、

2歳を過ぎるとそれ以外の選択肢が一気に増えるということです。

また、こちらの外用薬はステロイドではありません。

ということはステロイドの長期投与に伴う皮膚の菲薄化や色素の抜け、多毛といった

副作用もないということになります。

 

もちろん薬というのは必要に応じて使用するものですから、これをもって

ステロイドは一切使用しなくて良くなったということではありません。

ステロイド以外の薬にも欠点や弱点はありますからね。

ただ、多様な薬をうまく使い分けることによってステロイドの使用量は減らせるのではないか。

などと考えています。

 

2歳になったらアトピーの塗り薬、どう選んでいくかと一度検討みる必要がありそうです。

そろそろ加湿器の準備を進めましょう(2022年10月)

今朝、起きると喉がなんとなくいがいがします。

家族に聞いても喉のあれが出てきたみたいと。

 

ということは、冬の乾燥が本格化してきたということですね。

確かに気温表を確認すると日中の湿度が50%を切るようになってきました。

こちらの湿度、朝夕に暖房をかけるともっともっと下がっていきます。

 

外来で観察していると、乾燥肌の悪化の状況は湿度50%が一つの目安になっています。

どうもそのラインを超えてきたようです。

 

さあ、加湿器の準備を始めましょう。

そして乾燥肌のケアを今のうちから始めておいたほうが良さそうです。

準備、準備。

ゼクシィBaby 赤ちゃんが生まれたら読む本 に掲載されました

ゼクシィBaby 赤ちゃんが生まれたら読む本 に記事が掲載されました。

 

赤ちゃんの皮膚トラブルについて、スキンケアや治療法についてのお話をしてあります。

 

これ、アマゾンで調べたら引っかからなくて、よく見たらゼクシィの会員さんのみに
限定で配られる冊子のようでした。
どうりで引っかからないわけです。

 

https://zexybaby.zexy.net/baby/?vos=0mtkbner0347

 

リンクはこちらから。興味のある方は入会してみてもいいかもしれませんね。

 

2022年末から2023年始にかけての冬休みのご案内

今年の年末年始の冬休みのご案内です。

 

年内の最終診療日は

12月29日木曜日

となります。

 

年始は

1月4日水曜日

からになります。

 

その間、

12月30日から翌1月3日まではお休みとなりますので、ご注意ください。

 

年末年始のお休みのご案内でした。

車が故障したときに症状名で検索してはいけない

車が故障しました・・・

なんとなくゴム臭かったのです。

 

ディーラーさんに持っていって現在修理中なのですが。

ネットで症状を調べて検索したら「ひぃっ」ってなりました。

いやこれは怖いです。

 

結局のところ原因はネットに記載されているのとは全く違うものでした。

まあ予想はしていたのですが検索結果はあまり当てにならなかったです。

ネットの記事についてですが、どうしても重症な方にうつりがちになるようです。

まあそうですよね。故障が重症だったら困りますし。

あとは買い替え修理についてのいい入り口になりますからね。

 

ただ、そこに記載されていない事項があります。

頻度です。

多分車種によってもメーカーによってもことなるのですが、

その頻度が全く書かれていない。

症状の原因がよく見られるのか、稀な事象なのか。

それすらも書かれていないのです。

これっておかしいですよね?

 

世の中でなにか起きたときには頻繁に起きることから検討されるべきなんですよ。

だって稀なことを心配しても仕方ないじゃないですか。エネルギーのムダになるじゃないですか。

なので、重症か否かと合わせて頻度が多いか否かについても考えていかなけれな行けないじゃないですか。

重症なのもはきちんと否定するのは大事なんですが、同時に頻度の高いものから合致していくかを確認する。

というのは身につけた知恵ですよね。

財布をなくしたときはいつもおいてある場所をまず探す。

と言われたら確かにと思いますよね?

 

頻度を考えずに重症度だけを記載する。

それは片手落ちじゃないのでしょうか?

その情報にはどれだけの価値があるのでしょうか?

とPCの前で首をかしげながら検索するとある日の午後なのでした。

冬の乾燥肌が始まったようです(2022年10月)

今日の外来、小さなお子さんのお久しぶり受診が多かったです。

 

乳児期には一年中乾燥傾向のある子どもたちも年齢が上がってくると

皮膚がしっかりとしてくるので夏場は湿疹がなくなります。

ただ、秋冬には湿疹の悪化が見られるようになるのですが、

どうもここのところその悪化が多く見られるようになってきました。

 

この季節に湿疹が悪化するのは普通にあることですので、

まずは対処することを考えていきましょう。

 

早めに受診。早めに治療開始。

大事なポイントですね。

 

保湿剤いろいろ(2022年10月)

保湿剤と言っても色々あるんですよね。

というお話です。

 

実は日本は医師が処方できる保湿剤については世界でも有数の恵まれた国だったりします。

なので、海外に赴任される方は保湿剤で苦労することが結構あったりもするのです。

というか、アジア系以外は多分全然ダメかもしれません。

アメリカで薬局を覗いたときにも全然保湿剤はいいのがなかったのですよ・・・

 

保湿剤ですが、じつはエモリエントとモイスチャライザーに分けることができます。

エモリエントの代表格はワセリンですね。

皮膚の表面に膜を張ることによって水分の蒸発を防ぐことが目的になります。

欠点はベタつくこと。

それに対してモイスチャライザーは皮膚に水分を与えることが目的になります。

代表格はヒルドイドソフト。

 

このモイスチャライザーの種類は海外では非常に薄い。

薬局で簡単に手に入るものはほとんど無いかもしれません。

というか探してもなかったです(探し方がわるいだけ?)

 

乾燥肌には明らかにモイスチャライザーのほうがいいんですけどね。

なかなか海外では手に入りません。

 

ということで海外に赴任される方へのアドバイスとして

予め日本のドラッグストアで気に入った効果のある保湿剤を探しておく、

赴任後は家族や同僚などにお願いして定期的に送ってもらう。

などをお話しております、

 

日本の高分子技術って実は結構すごいんですよね。

こういった細かなところから実感するといったお話でした。

新しい乾癬の薬「ソーティクツ」についてのお話(2022年10月)

今回は新薬のお話です。

といってもまだ販売開始前なので、事前情報レベルですが興味のある方もいるかと思いますので、

簡単に説明をしていきましょう。

 

治療対象疾患は尋常性乾癬および膿疱性・紅斑性乾癬など。

TYK阻害薬と言われますが、大きくはJAK/STAT系の阻害薬と考えて良いでしょう。

すでにJAK阻害薬は皮膚科ではアトピー性皮膚炎、それ以外の科では関節リウマチなどに

使用されていますが、今回は皮膚科の乾癬領域の新薬となります。

 

大雑把な考え方として炎症を起こし進めるには最棒の中から炎症を司る物質が

放出されるわけですが、その放出信号を伝える一つの経路にJAK/STAT系というのがあります。

今回はその一部を抑えることにより、乾癬の症状の悪化を抑えるという考え方になります。

全部を抑えると色々と困ったことになるので、一部だけということですね。

その一部に何があるのかでどんな炎症を抑えるのかが決まってくるのでそこが薬の

作り方のキモになるわけです。

 

効果についてはかなり高いような印象を受けます。

現在当院でも処方されているアプレミラストとの比較試験を行っているのですが、

かなり良好な差が出ているようです。

特にアプレミラストがあまり効果出なかった方でも有効であるというのは

かなり嬉しい結果です。

 

しかし問題もあります。

まずはお値段。まだ出ていませんが、アトピー性皮膚炎などのJAK阻害薬を考えると

アプレミラストよりもお高いでしょうねえ・・・

JAK阻害薬系ということもあり、仕方が無いのですが、感染に対しても弱くなります。

同様に体内にすでに感染が成立している肝炎や結核についてはこの薬を飲むと一気に

症状が出て悪くなる可能性があるので、事前の検査が必要になるかと思われます。

また、今後色々と制限事項が出てくるかもしれません。

あ、あとは新薬なので処方はしばらく2週間分しか出せません。

頻繁に通院する必要があるのはデメリットでしょうね・・・

 

しかし、乾癬に有効な新世代の飲み薬がアプレミラストしか無い中で

次の選択肢が出てくることは望ましいことかと思います。

アプレミラストですが、いろいろな理由で内服を継続できない人もいますし、

飲んでいてもなかなか症状が収まらない人もいます。

そのような方にとっては一つの選択肢となるのでしょうね。

期待したいところです。

あとはお値段ですね。お高いんでしょう・・・?ふう・・・

 

機能性衣類と冬の皮膚科(2022年10月)

今週、吉祥寺の東急百貨店にワークマン女子が入るとニュースになっていましたね。

メーカーさんのサイトはこちら

 

メディアでもよく取り上げられるようになりましたが、

作業着を高機能化し、町中でも着られるように、誰でも着られるように

進化させたものと考えています。

その少し前にはスポーツウエアのファッション化もありましたし、

幅広い業界からの流入があるようですね。

そして高機能化も進んでいるように見えます。

夏は速乾性や汗の匂い抑制などもありましたでしょうか?

ときにこれからの季節については保温、防寒といったものが機能性の主体となるのでしょう。

 

保温防寒自体はありがたいですし、積極的に取り入れても良いかと思います。

しかし気をつけてほしいのは逆に室内の温度の高いところでは発汗してしまうということですね。

室内に入ってすぐに脱いで体温の上昇を抑えるなどの対策が必要になることもあります。

 

実際、皮膚科の診察をしていると数年前よりも明らかに大人の汗疹がふえてきたように思えます。

症状自体は軽くしっかりと治療すればすぐに収まるのですが、市販薬などでかぶれてしまい、

逆に長期化してしまうケースも有りました。

汗疹といえば夏というわけでもないようで、冬場もしっかりと汗の対策を

行っていく必要がありそうです。

欲を言えば朝起きたとき、帰宅直後のシャワーは冬場もしっかりと行っていきたいものです。

 

冬もしっかり汗の管理をしていきましょう。

手荒れの悪化が予想されます(2022年10月)

秋も深くなってきました。

子供の乾燥肌やアトピーが悪くなってきたのは診察室でよく目にしますが、

つまりそれは大人の手荒れの悪化もしてくる季節になったということでしょうね。

 

手荒れの原因は色々ありますが、乾燥は大きな要因の一つとなります。

空気が乾燥するのでそれに伴い皮膚も乾燥する。

というわけですね。

また気温が下がるとお湯を使うようになりますが、

そのことも皮膚の脂分を除き湿疹を悪化させる要因となります。

 

悪化が予想されるのであればまずは先手を打って予防を進めることも大切です。

ちょうど寒くなってきたので、普段から綿の手袋をしてみるのも一つでしょう。

それだけでまずは乾燥を防ぐことができます。

また色々なものを直接指先で触ることもなくなりますので、

その分の刺激が減少することにもなります。

そのために湿疹の悪化も防げるということになるわけですね。

そして可能であれば水仕事をするときもゴム手袋をしてから

行うのも悪化を防ぐためには重要になります。

 

今からしっかりと準備を行い、今後の湿疹の悪化を予防していく。

そしてそれを習慣化させて気持ちの面から手袋をすることを当たり前と

考えるようにしていく。

結構大切なことなので早めに予防を進めていきたいものです。

 

最後に、手荒れの悪化の前に早めに皮膚科の受診をおすすめしています。

保湿剤や湿疹を抑えるおくすり、色々と使えるようになってきたので、

以前よりも安全に治療できるようになりました。

皮膚科受診もご検討くださいね。