わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

症状

伝染性紅斑が流行しているようなので、患者さんの数を調べてみた

東京都からついに警報が出たようですが、

外来でも伝染性紅斑の患者さんが結構出ています。

 

ということで、過去の症状の出方について、電子カルテから確認してみました。

開院してからの3年間のデータです

 

2013年(3月開院)

6月 1名

7月 3名

 

2014年

6月 5名

12月 1名

 

2015年

2月 1名

4月 3名

5月 1名

6月 6名。

 

と確かに最近の患者さんの数は多いようですね。

 

一般に都道府県レベルでは徐々に患者さんの数が増えてきて、

警報が出るという流れになるようですが、

開業医レベルつまり、ご町内レベルでは

一気に拡大し、一気に終息するという傾向があるようです。

今回は月レベルでの評価ですが、詳しく日にち単位まで見ると、

たくさん来ている月の受診日はある1週間程度に固まっている傾向がありました。

どうも、それぞれの地域では、一気に広がり、そして消えていくものなのでしょう。

 

当たり前の様に思っていたものでも、

調べてみると、新たな気付きがあるものです。

生まれてはじめての虫さされはかゆくない

うちの娘はまだ虫に刺されていないようですが、

外来で診察をしていると赤ちゃんの虫さされを目にすることがあります。

 

赤ちゃんの生まれて初めての虫刺されって、実はかゆくないんですよね。

でも、何回か刺されるうちに痒くなってくるみたいなんです。

 

いや、実際に見ているとそうなんですよね。痒がる素振りが全くないのです。

引っ掻く行動も起こさないんです。

 

と言うのは、アレルギーの反応の出来方によります。

最初のアレルギーの反応は様子見です。

刺された部分にしこりが出来るのですが、痒みは最初はない。

 

しかし、何回か刺されるうちに徐々に痒みは出てきます。

また、しこりは弱くなり、蕁麻疹のような柔らかさに変わっていきます。

そして、反応までの時間は短くなるのです。

 

赤ちゃんの手足に赤いぶつぶつが出来た時、

かゆくないから虫刺されではない。

ということが出来ないのはこの反応のためなんですよね。

 

あと、赤ちゃんは虫に刺されてから赤くなるまでは半日から1日程度の時間がかかりますから、

刺した虫はもうどこかに行ってしまっていることは多いんですよね。

で、「原因不明の謎の発疹」が出来るのです。

 

知っていれば全然怖くないんですが。

乳児の日焼け止めはどうすれば良いのか?

この質問も外来で良く聞かれる質問です。

結構難問ですが、少し考えてみましょう。

(なお、乳児ですので、生後1歳までの赤ちゃんに限ってのお話です。理由は後述)

 

まず、根本的なところから考えてみましょう。

日焼け止めはなぜ使うのか?

答え:皮膚の紫外線に対する露出を減らすため。

ですね。それが最終的には皮膚の老化を抑え、皮膚がんの発生を抑えることになります。

 

では、赤ちゃんの場合はどうなのか?

紫外線に露出する場合は、どのような場合なのか考えてみましょう。

もちろん外にでる時ですよね。

では、赤ちゃんはどのような状態で外に出ていますか?

ほとんどの場合はベビーカー、抱っこひも、おんぶなどの形で外出しているのでは無いでしょうか。

少なくとも、自分ひとりで勝手に歩くことは有りませんよね。

 

と、ここまで考えると一つ疑問が出てきます。

本当に気をつけるべきは赤ちゃんなの?ということです。

そうです、お母さんの方が実は重要な要素なのです。

 

自分で歩かない赤ちゃんはいつもお母さんと一緒です。

なので、まずお母さんが気をつけるべきなのです。

・日向を歩かない

・日光の強い時間帯(正午+-2時間など)に外出しない

など、お母さんが少し気をつけるだけでも、ずいぶん日光への露出を減らすことが出来ます。

 

また、当然ですが、日焼け止めが赤ちゃんにカブレを起こすリスクも有るでしょう。

皮膚の弱い赤ちゃんはそのリスクは成人よりも高いと考えられます。

 

そうやって考えると、お母さんは十分に気をつけることが出来るなら、

日焼け止めを使うメリットは、他の年齢の子どもに比べてあまり多くないことが分かりますよね。

 

でも、これは一般的なお話です。

・どうしても外出しなければいけない人

・南国に居る/行っている人

・保育園など、お母さんの目が届かない時間が長い人

については、日焼け止めは塗ったほうがよいでしょうね。

 

そして、日焼け止めが必要な場合ですが、

無理にSPFを上げる必要は無いです。25-30もあれば十分。

その代わり、汗で日焼け止めが流れてしまいますので、

2時間おきくらいに塗りたしをすること。

帰宅直後にシャワーで洗い流すこと。

をしっかりと、行ってくださいね。

 

最後に当クリニックおすすめの日焼け止めを挙げておきます。

成人ですが、皮膚テスト済み。ほとんど刺激感のない製品ですので

オススメですよ。

NOV ノブ UVローション EX SPF30 PA++ 35mL

第2子のアトピーは悪くなる?

本日質問されたので、少し考えてみました。

・・・今まで考えたことが有りませんでしたので。

 

まず、アトピーが悪くなるかについては、病気そのものがどうかを考える必要があるでしょう。

ついで、病気に付随するあれやこれやについて考えてみましょうか。

 

アトピー性皮膚炎という病気そのものについてですが、

第2子だから悪くなるというお話は聞いたことが有りません。

遺伝的な要素は当然ありますが、これは生まれ順とは全く関係の無い要素です。

ついで、病気の症状の面から考えても、生まれ順とは関係無さそうです。

まあ、遺伝的な要素ですべて決まるわけでも有りませんが。

 

ついで、病気に付随するあれやこれやです。

医師側から考えた時、第2子だから、何かが変わるかというと、あまりかわりは無さそうです。

ただし、一人っ子と、兄弟とを考えた場合、兄弟の方が治療はわずかですが甘くなるかもしれません。

これはある意味当たり前なのですが、兄弟2人を一緒に診察するときにはバタバタするので、

症状の確認が少し悪くなる可能性があるからです。

 

と、ここまで書いてみてふと思ったのですが、これは保護者にしても同じことかもしれません。

一人っ子と、兄弟がいる場合では、一人っ子の方が濃厚なお世話を受けることが出来ます。

これは当然ですよね。保護者の時間は、兄弟がいたとしても倍になるわけでは有りませんから。

つまり、スキンケアについては、一人っ子に比べて兄弟がいると、緩くなる可能性が考えられます。

目が届かず、スキンケアが甘くなり、結果として湿疹が悪化する傾向がある。

という可能性は有るかもしれませんね。

 

つまり、第2子のアトピーは悪くなりやすい

ということも出来るかもしれません。

 

 

 

でもね、一つ裏に事実が隠されています。

第1子のアトピーも落ち着かなくなる可能性もあるんですよね。

理由は同じ。目が行き届かなくなるから。です。

 

兄弟とアトピー。このようにして考えてみると結構奥の深い問題ですよね・・・

まぶたの虫さされにどのように対処すべきか

ちょうどタイムリーな質問が当院に問い合わせがありましたので、

ブログでお答えさせていただきます。

 

質問の内容ですが簡単にまとめてみます。

・まぶたをブヨに噛まれた。

・目が半開きの状態まで腫れた

・皮膚科受診したら皮膚科の先生からプロトピック軟膏を薦められた。

・リンデロンVGを希望したところ、最終的にリンデロンVGが処方された。

・インターネットを見たら危険だと書いてあり、心配になった。

箇条書きにしてみましたが、それについてお答えしたいと思います。

 

>虫さされでまぶたが腫れた時には?

もともとまぶたは腫れやすい部分です。

虫に刺された後に、ものすごく腫れ、極端な場合には目も開けられなくなることは

結構起こりえます。

最初の対応はとにかく冷やすこと。

保冷剤や氷嚢などを使用して、物理的に温度を下げてください。

冷えピタシートはあまり良くないですね。時に塗っている成分でかぶれる可能性もあります。

まず、とにもかくにも冷やすこと。

 

>虫さされの時に選択される薬剤はナニ?

私の場合はまずステロイドを使用します。

副作用については後述。

プロトピックを最初から使用することは無いですね。

というのも、荒れている皮膚にプロトピックをいきなり使用するとしみることがあるからです。

また、目の周りにはプロトピックは公式には塗らないように言われていますので。

ステロイドですが、虫さされの場合には一般的に使用するものよりも強いものを使うことが多いです。

一般的にはネオメドロールEEやプレドニンなどが使用されますね。

顔にはロコイドやアルメタ、キンダベートといったところが通常使用されるものですが、

虫刺されについてはそれよりも一つ強いリンデロンV(あるいは VG)や、時にはアンテベート

マイザーといった2段階強いものを使用することもあります。

どのステロイドを使用するかは、症状の強さによります。

副作用が心配?それも後述しましょう。

 

>ステロイドは危険なのか?

もちろん、使いかたを間違えれば危険です。

でも、皮膚科医に言われたことを守っていればまず問題は起きにくいものです。

ステロイドの副作用の出来方は、

薬の強さ×塗っている期間で決まります。

また、皮膚が薄ければその分だけで安いことになります。

実は今回の虫さされについてはほとんどの場合は数日である程度落ち着くことが多いのです。

ですので、逆に強めのステロイドを使用しても短期間であれば問題にならない。

ということなのです。

 

最後に気をつけることは何か?

実は、きちんと受診することなんですね。

先に述べたように、短期間であれば強めの薬を使っても問題になる可能性は少ないのです。

また、虫さされは短期間で症状が変わるものです。

当院では最初は週2回のペースで受診してもらっています。

長くても1週間以上間を開けないようにお願いしていますが、

その理由は上記2によるものです。

 

虫さされは短期間で症状が変わっていきますので、

それに併せてキメの細かい治療を進めていくものです。

早めに受診。こまめに受診。

この2つを心がけたいものですね。

もう、子どもが寝るときにエアコンを使っても構わない

と思います。

 

最近、夜に寝苦しくなってきました。

原因は気温。徐々に上がっています。

しかも、湿度もそれなりに高くなってきましたからね。

 

また、診察室でお話を聞いていても寝入りばなに落ち着かないお話を良く聞くことがあります。

これも温度と湿度のせいでしょう。

 

ということは・・・

もうエアコンの出番ですね。

実際に我が家でもすでにこの週末よりエアコンを導入しました。

すると、娘はぐっすりと眠るようになりました。

ついでにわたしもぐっすりと眠れるようになりました。

これは嬉しい誤算です。

 

もしもエアコンのクーラーをつけるのが心配であれば、

除湿・ドライにするだけでも違います。

 

あとは寝るとき1時間だけ、タイマーをかけて寝ること。

さすがに一晩中だと寒いですし、電気代の無駄になりますから。

また、途中で起きたらその後1時間だけつけるようにして下さい。

 

まあ、窓を開けるのでもいいのかもしれませんが、

今の時期は気温が下がるとともに湿度が上がっていくので、

結果的にムシムシする状態はあまりかわりません。

 

なので、エアコンの方が良いかな。

と思います。

試してみてください。

その年最初の虫さされは激しくなる?

先週から虫さされの患者さんがたくさん来る様になりました。

そして、なんとなく気がついたことが一つ。

それが、

「その年の最初の虫さされの反応は強くなる」

のではないか。ということです。

みんな、大きく腫れてきているんですよねー。

 

実はこの現象は体のメカニズムとしては十分に考えられることなのです。

まず、アレルギーの反応は何度も同じ反応を頻繁に繰り返していると、

弱くなることが有ることがわかっています。

実際に虫に刺された時の反応は徐々に弱くなり、早くなることが知られています。

ということは逆にしばらく虫さされの反応は出なかったら、

アレルギーの反応は一時的に強くなる。

可能性があるのです。

 

だから、しばらくぶりの虫さされの反応は強く出てくる

のでしょう。

皮膚科でみる小1ギャップ

小学校が始まり、1週間が経過しました。

新1年生の肌のトラブルが増えています。

まあ、仕方ないことですけどね。

 

それはなぜか。

どうしても生活習慣がかわります。

そのために大きな精神的な重圧がかかってきます。

ストレスにより、悪くかるということがまず上げられます。

当然、睡眠の状況も変化するでしょう。

一般的には睡眠時間は短くなると考えられます。

 

また、汗をかいても今までの時間に帰ってこられるわけでは有りません。

より、汗が皮膚に付いている時間は長くなり、それが刺激になってしまいます。

 

次いでスキンケア。

どうしても学校が始まると朝のシャワーやお昼の塗り薬が出来なくなってきます。

 

そのために湿疹が悪化する子、蕁麻疹が出てくる子が続出するのです。

 

まあ、時間と共に多くは良くなっていくことも多いかと思いますが。

落ち着かない場合は少し頑張って朝や帰宅時にシャワーをする、薬を塗る、

早めに寝るなどの対処で良くなることも多いです。

 

是非試してみてください。

診断の正確さについて考える。

さて、前回、天気予報の信頼性についてお話をしていきましたが、

今回は病院での診断の正確さについてのお話をしていきたいと思います。

 

さて、質問です。

どうして、しっかりとした診断をつける必要があるのでしょうか。

 

答えは、

今後のことをより深く知るため

です。

 

 

診断というものは、将来を知るためのものです。

つまり、これからどうなっていくのか。

症状はどのように変わっていくのか。痕や後遺症は残るのか。

遺伝するのか。するとしたらどのくらいの確率で遺伝するものなのか。

もう一つ。

治療はどうすれがいいのか?何が効くのか?

治療出来なくても、病気の進行を食い止める方法はあるのか?抑える方法はあるのか?

ということを知るために「診断」を行う必要があるのです。

 

もちろん、診断の重要性については病気の程度である程度変わってきます。

ただのカブレ

遺伝性の病気

では、重要性は全然変わってくるでしょう。

 

カブレであれば、

かっちりと診断を付けなくても治療していけば良くなるでしょう。

何が原因かはあまり追求しなくてもよいでしょう。

「繰り返したら、原因を考えましょう」と私も良く言っていますが、

それは、慌てる必要は無いからです。

 

では、遺伝性の病気についてはどうでしょうか?

遺伝する病気にはいろいろな種類が有ります。

ざっくりとしたお話になりますが、(詳しいお話はいろいろな本に出ているので省略)

人間は同じ遺伝子を2本持っています。

その2本の遺伝子のうち、

1本に問題があれば出る病気と

2本両方に問題がないと出ない病気が有ります。

それぞれ、遺伝の形式はちがうわけです。

メンデルのえんどう豆の実験を思い出してもらうといいかもしれません。

1本で出る病気は子どもに半分の確率で遺伝します。

2本の病気はそもそも発症する可能性はあまり高くないものがほとんどですが、

重い症状で出る病気が多いのです。

また、性を決める遺伝子に異常があるかどうか。

異常の有る子の中で症状が出る子はどこくらい居るのか。

など、もっともっと難しい話にもつながっていきます。

つまり、診断をして、遺伝の形式を知ることは、血のつながりという面からは

非常に大事なことになります。

 

最後に癌の話です。

癌の診断とは、がん細胞がどのような細胞なのか、

由来はどこかを考えることが主体になります。

人間の体にはいろいろな細胞が有ります。

そのほとんどすべての細胞が癌になるわけですが、

元々の細胞の性質を持っていることが有ります。

そのため治療方法も変わってくることが有ります。

放射線が効きやすいか効きにくいか。

抗癌剤はどのような物が効果あるのか。

手術の時に、見た目の癌の範囲から更にどのくらい細胞が散らばっているか。

などは、がん細胞の種類によって変わってきます。

また、転移はし易いかどうか。

転移するとしたらどこに転移するのか。

についても癌ごとにクセが有ります。

そのクセを知り、早め早めに対処するために診断をしっかりとしなければいけないのです。

 

診断の信頼性が低いこと。

言い換えれば大雑把な診断しかしないことについてはこれだけのリスクが有るのです。

したがって、大学病院などの大きな病院では

大勢のスタッフが集まり、診断を正確に下すために検討会をしっかりと行うのです。

また、必要があれば、他の診療科の先生や他の病院の先生に相談することも有るのです。

 

このように、診断をしっかりと行うことは未来を知ることと同義語になるのです。

じんましんが流行しています

ここ数日の間ですがじんましんが流行っているようです。

 

もちろんじんましんはウイルスや細菌などの感染性微生物が直接関与するものではありませんので

例えばエボラ出血熱のような感染の流行とは話が違いますが、

どうも、この時期に多くの子に出現するような要因が幾つかあるようです。

 

その1

風邪が流行っている。

溶連菌を思わせる風邪も多いですし、ウイルスによる風邪も多いようです。

時期的なものでしょうね。

先ほど、じんましんは微生物が直接関与するものではないと書きました。

でも、間接的な関与をしていることは結構多いのです。

以前にも書きましたが、子どものじんましんの誘因で一番多いのは

風邪を始めとする感染症です。

大きな誘因となるのです。

 

その2

気温、環境の変化が大きかった。

次の項目ともかかってくるのですが、気温の変化がここ数日、非常に大きなものになっています。

まさか、4月に雪が降るなんて。ねえ。

ぽかぽか陽気の数日後の話ですから、たまったものではありませんね。

 

その3

新年度が始まり、ストレスがかかっている。

家族全員が忙しくなると、当然子どもにもその影響が出てきます。

旅行やお出かけ、学校の準備などで慌ただしくなると、

寝る時間が影響を受けます。また、バタバタするだけでもストレスになっていきます。

このストレスもじんましんの大きな誘因となるのです。

 

そのような理由もあり、今、じんましんが出ている子が沢山受診するのでしょう。

この現象は、もうしばらく続きそうですね。