わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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湿疹

質問:とひびにステロイドを塗ってもいいのでしょうか?

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先日、知人から質問を受けました。

なんでも、子どもがとびひになってしまったそうです。
近くの皮膚科でステロイドと抗生剤の混じった塗り薬をもらって塗っていましたが、
良くならなかったので、別の病院に受診した所、その先生に

とびひにステロイドを塗るとはけしからん

と怒られてしまったそうです。
その先生曰く、とびひにはゼッタイ、ステロイドは塗っては行けないそうです。

 

本当にそうなの?

 

確かにとびひは黄色ブドウ球菌などの細菌による感染症です。
また、ステロイドの塗り薬を細菌感染症に塗るのは原則禁止するべきことです。
教科書にもそのように書いてあることもありますよね。

でも、「とびひの治療」にはそうかもしれませんが、
「とびひになった子」の治療はもっと複雑になるのではないでしょうか?

 

まず、そもそも、とびひは皮膚にトラブルの有る子がかかる病気だということ。
昔、とびひの統計をとったことがありますが、約半数の子にアトピー性皮膚炎や乾燥肌といった
皮膚のトラブルがそもそも存在しているのです。

そんな子たちは、もともと皮膚が痒くてひっかいています。
その引っかき傷から細菌が入ってとびひになってしまうのです。

その点とも関連しますが、とびひの子は結構な割合で痒みを伴うことも事実です。
とびひは正式には伝染性膿痂疹と言いますが、それが一部、湿疹のようになることもあります。
膿痂疹性湿疹と呼びますが、これは痒いです。

この痒みにはステロイドの塗り薬は有効ですが、抗生剤ではかゆみは取れません。
また、伝染性膿痂疹の発疹と膿痂疹性湿疹の発疹は非常に紛らわしいのです。

確かに、お医者さんは見分けることが出来るかもしれません。
でも、「伝染性膿痂疹には抗生剤を塗ってね。膿痂疹性湿疹にはステロイドを塗ってね。
あ、でも、逆にすると悪くなりますから注意してね」
と言われて、そう言われたお母さんは家でしっかりと塗ることが出来るのでしょうか?
非常に難しいでしょう。うちでもたぶん無理です。事務長がブチ切れている姿が目に浮かびます・・・

現実的では無いですよね。

 

私は、そもそも、治療とは「病気を治す」のではなく、「病気になった人を治す」ことだと考えています。

同じ効果が期待できるのであれば、より単純であること、簡単であることが大事だと考えます。
とびひは塗り薬だけで治すのではなく、飲み薬や毎日の生活指導など、他にも気をつけるべき
重要なポイントが幾つもあります。
あくまでも塗り薬はその中の一つでしか無いのです。
病気の治療はあくまで、簡単にするべきでしょう。

 

なので、当クリニックでは
とびひにステロイドの塗り薬を使うことがあります。
あ、もちろん、家族の希望がなければ使いませんよ。

 

追記
とびひの統計ですが、論文として報告しております。
興味のある方はご確認下さい。
当科における最近の皮膚細菌感染症についての検討

流動性の罠

※経済学の用語を検索して当ページにたどり着いた方は申し訳ありません。
他のページを参照いただくようにお願い致します。
間違っても、このページを基に、経済学のレポートなど書かないように。

雇用、利子および貨幣の一般理論〈上〉 (岩波文庫)

 

診察をしていると、様々な処方を見ることができます。
今回はそんなお話です。

ある昼下がりに80代の女性の方が娘さんと一緒に受診されました。
頭の湿疹を訴えています。

問診票を見ると、あれあれ?治療中ではありませんか。
お薬手帳も同時に確認すると、しっかりと、ローションで治療を受けていました。
しかも、飲み薬が3種類も出ています。

おやおやと思いながら診察を始めると、
頭の中が乾燥して、粉を吹いています。
そして、話によると、ぬってもぬっても落ち着かないと。
痒くて眠れないということですからよっぽどのことでしょう。

さてどうしようかと話を聞いていると、
「薬を塗った後に頭のなかが乾いてしまう」と言われました。
そこで、ピンときたので、薬を変えてみる事にしました。

塗り薬はあえて一段下のステロイドに変更し、
軟膏に変更。
飲み薬は全部やめてみました。

そして、「べたべたするけどしっかりとぬってね」とお話をして、
その日は終了。

 

その1週間後くらいでしょうか。
受診した彼女は開口一番
「よくなりました」と。

d(`・ω´・+)ャッタネ

 

さて、実はコレは「流動性の罠」と呼ばれるものです。
というか、今勝手に名前をつけました。

一般に、飲み薬は飲んだほうが効果が高い。
塗り薬は強いものの方が効果は高い。
と考える方は多いかと思います。

しかし、塗り薬にはもうひとつの問題があります。
それは「基材」の問題です。

「基材」と言ってもピンと来ない方も多いかと思います。
簡単に説明しましょう。
塗りすぐりには有効成分の他に、それを何に溶かしているかという話が常にあります。
その「何に」が基材なのです。
細かい成分云々は難しい話になるので、割愛しますが、
おおまかに基材はいくつかの種類に分けることができます。
軟膏、クリーム、ローションです。
(厳密にはヴァニシングクリームやら、スプレーやらo/wにw/oやらいろいろありますが、省略)

この、3種類の基材はそれぞれ性質が異なります。

一般に軟膏が一番ベタベタします。逆にローションはさらさらです。
したがって、塗り心地はローションのほうがいいのです。

しかし、皮膚によく残っているのは、軟膏が一番。
また、かぶれるリスクは軟膏が一番少なくなります。
また、塗りやすいものは乾きやすいという難点もあります。

 

つまり、今回、塗り薬を弱くしても逆に効果が出たのは、
基材を変更したからといえるでしょう。
べたつく基材で長い時間皮膚に接触していることが大事っだったわけです。

 

実は処方された外用薬の種類を見ることで、
皮膚科医はその先生の考え方まで知ることができます。
小児科や内科の先生に対して皮膚科医は軟膏基材の外用薬を出すことが多いです。

たとえ、患者さんからべたつく。とか、塗りにくい。とか言われても、
トラブルの少なく、汎用性のある基材を使用するわけです。
逆に、患者さんのお話を聞きすぎるあまり、
(聞くのが悪いわけではありません。何事も程度問題なのです。念の為に)
ローションやクリーム基材の塗り薬を処方し、
逆になかなか治らなくなってしまう。
これを「流動性の罠」と呼ぶわけですね。

ちなみに、経済学の流動性の罠とはこんなお話です。
・・・よく分かんない。むう。ちなみに高校の社会は日本史選択組でした。

 

 

最後に、そのおばあちゃんが、
「いままで一杯お薬を飲んでいたのは何だったんでしょうね」
と帰りぎわにぽつりと。
難しい問題です。

 

垢すりタオルと皮ふの不適切なカンケイ

ハンドブック消費者〈2010〉

垢すりタオルってありますよね。

ナイロンでざらざらしているタオルです。

 

あれ、あまり良くないんですよ。皮膚科的には。

ナイロンタオル皮膚炎もしくはナイロンタオル黒皮症という病名を聞いたことがあるでしょうか。

 

原因はナイロンタオルです。

ナイロンタオルのザラザラした感触は一見皮膚にいいように見えます。

また、ナイロンタオルで皮膚をこすっていると、垢がぼろぼろとれるので、なんとなくキレイになった印象を受けます。

 

でも、そのザラザラは皮膚には良くないのです。

ちょうど皮膚をおろし金でこすっているように、皮膚の表面には小さな目に見えない傷ができます。

また、刺激により目に見えない小さな湿疹が起こります。

また、垢は体を守るバリアの機能もあるので、垢を取り過ぎると皮膚のバリアは弱くなります。

そのため、皮膚に小さな炎症がずっと続くことになります。

 

その炎症が持続すると、黒い色が残ってしまい、その色は何年も続いてしまうことになります。

また、場合にとってはずっと湿疹が出続けることにもなるのです。

 

もう一つ、ナイロンタオルを使っていると皮膚に小さな傷ができます。

ナイロンタオルをずーっと浴室においておくとタオルがなかなか乾燥せず、そこに雑菌が繁殖します。

その雑菌はナイロンタオルに住み着き、皮膚についた小さな傷から皮膚の中に潜り込んで増殖します。

そして、毛穴に炎症を起こし、膿んでしまいます。

 

とまあ、あれやこれやでナイロンタオル(垢すりタオル)による皮膚のトラブルが起きるのです。

積極的に使う必要は無いと思いますよ。

ロドデノールによる皮膚障害についての詳細が出たようです

本日、カネボウのホームページに初めて詳細が掲載されました。(リンクはこちら

やっと、詳しい情報が出てきたのでほっとしています。

 

いままで、マスコミを中心として出てきた情報ですが、あまりにも錯綜していました。

特に問題と考えるのが、「白斑」という言葉でした。

メーカーの公式情報には「まだらに白くなる」と記載されていましたが、

一部ニュースではこれが「白斑」となっていました。

 

実は「白斑」という言葉には2つの意味があります。

一つは皮膚の色素が抜けて白くなる。という肉眼的な症状を表す言葉。

例えば、湿疹の起きた後に皮膚が白くなることがありますが、これを白斑と呼ぶこともあるのです。

この湿疹の後に皮膚の色が抜けてくることは一時的なものですので、あえて治療を行う必要はありません。

(余談ですか、下記の「白斑」と混同を防ぐために私は診察時には「脱色素班」という言葉を使っています)

 

もう一つは皮膚の色素を作るメカニズムがおかしくなっている。という病態に踏み込んだ言葉です。

特に、白斑を作る病気で一般的に知られているものは「尋常性白斑」というものでしょう。

この尋常性白斑は皮膚の色素細胞(=メラノサイト)に対する自己免疫性の疾患ですので、

皮膚に炎症がおこり、多くは徐々に拡大していきます。

拡大するようであればステロイド(や、保険は効きませんがプロトピック、ビタミンD3軟膏)の塗りぐすりや

紫外線照射などの治療が必要となります。

 

つまり、「白斑」という状態でも、一方では時間が解決してくれるので、様子を見ればよく、

もう一方ではしっかりと治療を行わないと、どんどん広がってきてしまうのです。

 

残念ながら、当初の情報ではこのどちらに当たるのかが不明確でした。

個人的な意見を言えば、カネボウのHPに「白斑」という言葉ではなく、「まだらに白くなる」

と記載されていたことは前者の可能性が高いだろうと考えていましたが、確証はありませんでした。

 

今回のメーカーの発表では、より詳しい症状の記載がされていました。

特に塗り薬やその他の治療を行う必要はなく、時間が解決してくれるようです。

これで99%は安心して皆さんにお話することができます。

 

残りの1%ですが、非常に専門的かつ細かな話になるのですが、

「細胞診でメラノサイトが残存している例」とのことですが、

尋常性白斑でもメラノサイトは残っていることはあります。

皮膚組織をとった時の結果についても是非知りたいです。

それでメラノサイトに対する炎症がなければ心配は無用でしょう。

もっとも、化粧品を中止した後に白くなった皮膚が拡大した人はいないようですので、

尋常性白斑が起きている可能性は少ないと思います。

いつまでも治らない虫さされ あるいは ブヨに注意

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ブヨ。

皮膚科医に取っては嫌な言葉です。

だって、刺されると手こずるんですよ。しかも治らないんだもの。

 

なぜ、ブヨに噛まれると症状が長引くのか?

実は完全にはわからないのです。

ただひとつ言えるのはブヨは皮膚を「刺す」のではなく皮膚を「噛みちぎる」から。

そのために悪化する可能性があります。

 

ブヨの刺し傷の特徴は今述べたように噛みちぎること。かゆみが強いこと。

そのために皮膚の反応は他の虫さされと異なる様子を見せます。

 

まず、皮膚は一部なくなりますので、それをなおすためにかさぶたを作ります。

また、なくなった部分から血液や組織液(いわゆる「つゆ」)が出てきます。

実は組織液や血液の中には痒みを強く感じさせる成分が含まれていることがわかっています。

また、かさぶたも一般的に痒みを感じることがありますよね。

そのためかもしれませんが、皮膚の下のかゆみを感じる神経が「過敏」になっているようです。

 

そのせいで、ブヨに刺されるととてもかゆくなってしまいます。

結果として皮膚は刺されたところを中心に固く盛り上がってしまい、

治療を続けても全然良くならなくなってしまうのです。

これを「結節性痒疹(けっせつせいようしん)」と呼んでいます。

 

ここまで進んでしまうと、治療は大変です。

ステロイドの塗り薬を数ヶ月ずっと塗る必要があります。

副作用が出て、毛が生えてくることもありますが、やむを得ません。

(治療をやめれば毛は抜けるので心配しないで下さい)

でも、治療をしないと、数年間も持続してしまいますから、仕方が無いのです。

 

以上、ブヨに刺された時にいかに大変かお話しましたが、

同じようなことはずーっと引っ掻かれた皮膚ではすべて起こりうることなのです。

なので、引っかかないことが大事なのです。

引っかかないほうが早く虫さされは治りますよ。

家での手荒れの治し方

リラックマ ゴム手袋

先日、テレビを見ていたらウエディング雑誌の付録特集をしていました。

一番売れ行きを上げた付録が、なんと、レースでデコレーションしたゴム手袋でした。

びっくりしましたが、逆にもっとデコ手袋が一般的になってくれれば手荒れで悩む人は減ると思うのですが。

 

手荒れにおいて、もっとも大事なことは素肌を晒さないことです。

そもそも、手荒れは毎日の家事仕事でも悪化します。

主婦湿疹とも言われるとおり、手荒れは仕事を指定なくても出来るものですから、

逆に毎日の生活を少しずつ変えていくことが予防と治療になるのです。

 

手荒れで大事なことは手を濡らさないこと、石けんを付けないこと。

ですので、炊事の時、特に皿を洗う、テーブルを拭く時には必ずゴム手袋をかけたほうがいいでしょう。

可能ならば料理をするときにもゴム手袋をつけたほうがよいのですが、ゴム手袋だとゴワゴワしてしまうのが問題です。

本当はその時にも介護用の薄いプラスチックやゴムの手袋をつけて欲しいのですが。

あと、以外にも濡れた洗濯物を干すときにも手は荒れます。

多分、濡れることや、ものを触ること、こすれることが良くないのでしょう。

そのため、洗濯物をホスト機にもゴム手袋をつけたほうが良いのです。

 

以上の2種の家事では、濡れるので、それを予防するために防水の手袋を使う必要があります。

また、それ以外の洗濯物を畳むときや、掃除、片付けの時には綿の手袋をしたほうが良いでしょう。

 

あとは、以外に外出するときにも手荒れの原因は潜んでいます。

特に自転車、あとは車のハンドルを持つ時には、自分の汗で濡れる。グリップで荒れることが起こります。

その時にも本当は手袋をしたほうがいいのです。

タクシーの運転手さんを見て下さい。みんな白い手袋をしていますが、

それによって、手荒れは防止できていると思います。

 

最後に忘れていけないのは寝ているとき。

その時にも必ず手袋を使うことを忘れないようにしてくださいね。

1日の4/1から1/3はみんな寝ていますから。

 

 

手荒れの予防も治療も職場と家庭での対応が一番です。

治療の効果が上がるも下がるも予防が大事。

まず、毎日の生活を見てあげて下さい。

 

手荒れは職場で治す

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あるいは、「職場が」治すでしょうか。

 

昔むかしの話です。

手荒れの美容師の患者さんを治療したことがありました。

その美容院は店長の方針により、スタッフは手袋着用禁止。

もちろん、その患者さんも手袋はできませんでした。

湿疹が悪くなるのを承知の上で仕事をせざるを得ない状態をそのままにし、

放置しているそのお店の店長に怒りを覚えたことがあります。

「手荒れごときで働けなくなるようなスタッフなら辞めてしまえ(替えはすぐにきくから)」

とその店長に言われているような気がして、その美容院にはゼッタイ行かない。

と思った記憶があります。

 

手荒れで受診する患者さんのかなりのかたは何らかの仕事を持っています。

話を聞くと、美容師さんや床屋さん。飲食店関連の仕事をしている方が多いようです。

職場での手荒れへの対応を聞いてみると、まちまちです。

しっかりと対応してくれるところもあれば、逆にほったらかしのところもあります。

 

いつも仕事での対応について上司と相談するようにお話するのですが、

あまり芳しい返事も持ってきてくれる人は少ないようです。

 

水や何らかの化粧品・薬品を使うときには防水の手袋をする。可能なら綿の手袋をする。

時には保湿剤を塗る時間を数分作ってあげる。

 

これだけでも随分と手荒れや手の湿疹は良くなるのです。

このちょっとしたことをどれだけ気を使ってあげられるかは

人の上に立つ者の度量が問われることでは無いでしょうか。

もう少し、このようなことまで気を配ってあげたらいかがですか?

店長さん??

手荒れの体質

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手荒れ体質はあるのだと言ったらみなさんはびっくりするでしょうか。

 

毎日診察をしていると、沢山の手荒れの患者さんがやってきます。

当クリニックでは問診票を書いてもらっています。

その問診票を見ていると、元々アトピー性皮膚炎を持っている人が結構多いんですよね。

まあ、ウチは小さな子どもとそのお母さんが多いので、若年者の比率が多い可能性はあるのですが、

それでも、世の中のアトピー性皮膚炎の患者さんの比率よりもずっと多い印象があります。

 

手の湿疹とアトピー性皮膚炎。

ぱっと見あまり関係がないような2つですが、共通のキーワードでつながります。

そのキーワードは「フィラグリン」です。

 

フィラグリンとは何か。簡単に言うと皮膚のバリアを司るタンパク質です。

フィラグリンが少ない人は、小さい時には尋常性魚鱗癬という症状を発症します。

すねの前の部分にあたかも鱗のような皮膚の割れ目が出来る病気です。

この病気は大きくなるに連れて良くなってくるのですが、

手のひらや足の裏の指紋が深くなることが知られていました。

 

また、このフィラグリンはアトピー性皮膚炎の一部の人でも少ないことが知られています。

大体1/4から1/3くらいのアトピー性皮膚炎の人に異常があることが知られています。

このアトピー性皮膚炎もおとなになると多くの人が良くなることが知られています。

でも、あくまでもはっきりと出なくなっただけであり、大人でも調子が悪くなると、

関節などに湿疹が出来る人もたくさんいます。

 

多分、アトピー性皮膚炎の人の「調子が悪くなったとき」の調子の良くない皮膚が

手のひら、手の指なのでしょう。

なので、体に何も湿疹がなくても、指や手のひらに症状が出るのでしょう。

 

つまり、これがアトピー性皮膚炎と手の湿疹の関連性と考えられます。

では、治療はどうするのか?

これも、アトピーと同じ。まず、生活指導。ついで塗り薬です。

 

治療の話は次回以降にしましょう。

 

虫さされの治療のお話

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以前に虫さされの話をしておいて、治療の話をしていなかったのをすっかりと忘れていました。 m(-_-)mゴメンナサイ

今回は治療の話をして行きましょう。

 

前回の記事のとおり、虫さされの反応、は毒に対する化学的反応とアレルギー反応の混ざったものです。

この反応は、正直無くても構わないものです。

毒と言っても、日常刺される虫からの毒の量はごく微量であり、生命に危険を及ぼすものでは無いこと。

(厳密には注意する虫もいくつかありますが、普通に生活している限り出会うことはまずないでしょう)

また、毒自体は体の中でいずれ中和され無毒化されること。

アレルギー反応も本来必要とされる強さよりも強く出現しすぎていること。

などから、利点よりも欠点の多い反応と考えます。

 

したがって、中途半端に痒いのを我慢するよりは病院で薬を処方して貰った方が良いのでは無いでしょうか。

薬もしっかりとステロイドをもらって構わないと思います。

 

ステロイドの塗り薬は副作用を心配する方も多いのですが、虫さされの治療についてはステロイドの副作用はは殆ど無視出来るものです。

なぜなら、虫さされの反応は数日で引いてしまうので、物理的に大量、長期間使わないからです。

また、同じ所を何度もさされる可能性は少ないですから、同じ皮膚にずーっと塗り続けるないからなのです。

(ステロイドの塗り薬の影響は、薬の強さと塗布量、塗布期間をその場その場の皮膚が反応することによって決まります)

 

では、薬局で購入する薬や市販薬(OTC)はどうか。

私は一時しのぎにはなりますが、根本的な治療にはなかなか結びつかないと考えています。

まず、OTCの炎症を抑える力は処方されるステロイドの塗り薬より弱いです。

では、OTCを塗ることで痒みはなぜ抑えられるのかというと、麻酔薬で神経の反応を抑えているからなのです。

したがって虫さされによる炎症はそのまま残っている状態です。

もちろん、炎症は自然に落ち着いてきますが、その時間はステロイド塗った時よりもとても長くなってしまいます。

したがって、症状が引くのに時間がかかるのです。

 

つまり、虫さされは

アレルギー反応→炎症→痒み

という症状が出るわけですが、

ステロイドはアレルギー反応そのものを抑える。

OTCは痒みを抑えるが、アレルギー反応は残ってしまう。

という違いが、効き目となって現れるのです。

 

もう一点、OTCをあまりおすすめしない理由ですが、

いくつかの商品では、薬を塗るところがギザギザ、トゲトゲしているものがあります。

これは絶対にオススメ出来ません。  乂(´Д`;)

ひっかくという行動は虫さされには絶対に良くないのです。

 

では、ひっかくのはなぜダメなのか。

このお話はまた今度しましょうか。

唇が荒れる子の治し方

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今回は唇のお話です。

 

冬になると唇がかさかさする方も多いかと思いますが、

夏でも唇が荒れる子もたまに受診することがあります。

 

なぜ唇が荒れるのか?これはいくつかの要因が関係しています。

まず、皮膚自体がもともと荒れやすい子。全身の乾燥があれば、当然唇の皮膚も乾いています。

そのために湿疹ができやすいのです。

次に醤油かぶれ。食材に入っている塩分や香辛料その他の成分により、物理的に湿疹が起きることもあります。

また、よだれそのものが湿疹を誘発することもあります。これはよだれの中に含まれている酵素が皮膚を溶かす?

ことや、濡れた皮膚が弱くなること、濡れた皮膚が乾燥した時に割れることなどがあります。

また、こすり過ぎもあります。洋服の袖やティッシュ、タオル等でごしごしこすってしまい荒れてしまう。

最後に精神的・心理的な癖で唇をいじってしまうために湿疹が起きることがあります。

 

ただし、唇が荒れる原因はこれらが関係しあっていることが多いのです。

単一の原因があることはむしろ少なく、湿疹が起きたことをきっかけに他の要因が起き、

そのために更に悪化してしまうこともありますので、何が原因か判断することはとてもむずかしいものです。

 

治療はどうするか?

まず、湿疹を抑えること。

でも、湿疹のみを抑えてもその前に存在する乾燥を抑えない限りすぐにぶり返してしまいます。

なので、同時に乾燥も抑える必要があります。

乾燥と湿疹を同時に抑え、悪化する要素を取り除くこと。

これが治療のスタンダードです。

したがって、ステロイドを塗るだけではダメ。保湿剤だけでも落ち着かないことが結構あります。

うまく使い分けて塗っていくことが必要です。

また、場合によっては心理的な要因も関係していることがありますので、

カウンセリングなどの心理学的なアプローチも必要になることがあります。

状況によっては心療内科受診をおすすめすることもあります。(滅多にはありませんが)

 

もしも、唇の荒れが心配な方は一度相談にいらして下さい。