わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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ブログ
わかばひふ科クリニック院長野崎誠(皮膚科医)及びスタッフのブログです。

医療の事、病気のことだけではなく、子どもに関する話や
それぞれの趣味の話などを掲載しております。

2017/3/14
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2021/3/1
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2023/1/3
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2023/1/3
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シェーバーの消毒、していますか?

今回は髭剃りのお話です。

 

 

男性は特に毎日のルーチンとなっているかと思いますが、

ひげそり、ひげ関係の疾患というのはいくつか見られます。

 

切り傷、毛穴のちぎれ、毛包炎

あたりでしょうか?

 

切り傷というのは毛穴以外の皮膚に傷をつけてしまい発生します

毛穴のチギレは、毛を剃るときに負荷がかかり、毛穴そのものにダメージが入ること

毛包炎とは、毛穴にバイキンが入って腫れることですね。

これらの疾患はときに外来で目にするのですが、シェーバーのメンテナンスをしっかりと行えば

ある程度予防することができます。

そのメンテナンスをしっかりとやっていますか?

というお話ですね。

 

これらの疾患の要因として、刃先に問題があることが見られます。

刃がかけている、刃切れ味が鈍っている、刃先に皮脂などの汚れが付着しているなどですね。

刃そのものの劣化に伴う問題は刃先を変えましょうというお話に帰着するのですが、

刃先が汚れていて、それが刺激となりもしくは感染の原因となるのは避けたいところです。

そのためには刃先そのものをきちんと消毒することが対処法になるのですが、

それを毎日手作業で行うのは面倒くさいものです。

現在の電動シェーバーの中には、自動で消毒液を使用して洗浄消毒をしてくれるものもありますので、

そういう製品を選んでも良いのではないかと思います。

少なくともそのような製品を使用していれば、毛穴の汚染からの二次感染というリスクは減らせるのではないかと思うのです。

お値段は少しかかりますが、使用期間を考えるとそこまで割高にはなりません。

ちょっとしたことですがトラブルを起こすリスクは確実に下げることができますので、

ぜひ検討していただきたいところです。

<診療枠は通常通りです>診察時間変更のお知らせ(2024年8月28日)

台風10号接近のため、8月28日水曜日の診察時間は

17時までとなります。

(8月26日9時追記)

28日水曜日は通常通りの診察を行います。

 

また今後の台風情報によっては更に診察時間を変更する可能性もありますので、

WebもしくはTwitterをご確認ください。

小学生がお化粧をしてもいいですか?

んー。別に悪くはないと思いますよ。

ただ注意することがいくつかあるので、気を付けて使ってねというお話です。

 

 

昨今の社会状況そして子供の成長の様子を見ていると、

小学生高学年くらいからお化粧をしたいと思うのは普通にあることだとは思いますし、

それを頭から否定する必要はないと思います。

ただ使い方にだけ気をつけてください。

 

まず大前提です親と一緒に選び、使い方を教わること。

これは非常に大切なことです。

 

自分のお小遣いで買うというのはあまりおすすめはしません。

というのはお化粧品でもトラブルがおき、その影響は時には一生続くからです。

もともと子供のお肌は大人と比べ弱いです。これはもう仕方の無いこと。

そのために大人では問題のない刺激でも子供の皮膚には耐えられない。

ということも起こり得ます。

そのことは同様に、ある成分に対してアレルギーを起こす可能性が高いということにも繋がります。

化粧品の成分へのアレルギーはあまり発生率は高くはないのですが、一度発生すると

理論上はその後ずっとその成分は使えなくなります。

子供は今後の人生が影響もより強くなると考えられるのです。

また親と一緒に購入し、使うことで、正しい使い方についても教わることができますし、

ドラッグストアなどでも親子であればお化粧の指導をしてもらうことも問題はないでしょう。

子供だけの場合はお化粧の指導は難しいですよね。

 

あとはきちんとした製品を購入するということです。

プチプラとは言いますが、逆に言えば安かろう悪かろうの可能性もあるのです。

海外の製品をそのまま輸入するのであればコストは掛かりませんから販売価格も安く抑えられます。

しかし逆に言えば何が入っているか不明瞭というリスクでもあります。

少なくとも大手ドラッグストアで購入できる製品についてはそのようなリスクは

雑貨店で購入できるプチプラの製品よりも少ないと考えてよいかと思います。

誰もが知ってるような日本のメーカーの製品であれば、何が入っているか、それがきちんと安全であるかと考えたときに

問題が起きる確率が極小と言えるでしょう。

こういった安全性に関わるお話を親子でしながら、

お化粧品を購入するというのは大事なんですよ。

どうしても子供は目に見えないリスクは軽視する傾向にあります。

あるいは存在しないと思っているか。

そのリスクが値段に乗っているということをお話をするちょうどいい機会かもしれませんね。

 

子供のには一律に禁止すると逆にこっそりと買い、裏でこのような問題に遭遇する可能性もあります。

その状況に直面してうろたえるよりは、表にしながらしっかりと話し合い、

コントロールしながら製品を選んでいくと言う方が良いのではないかと思うのです。

早熟ではなく、成長の一つの過程として、親は見てあげてもいいのかなあと思うのです。

 

皮膚科受診日は水虫の市販薬は塗らないで

来てほしいのです。

 

 

ということで今回は水虫のお話。

ドラッグストアや薬局では水虫の市販薬が色々と置いてあります。

水虫かもと思ったときは、市販薬を塗って皮膚科を受診したほうが良いですか?

というお話です。

 

皮膚科は、

水虫の市販薬を塗って受診すると、結果的に水虫の診断治療が遅れますよ。

という考えです。

 

水虫とは何か?白癬菌いわゆる水虫のカビが足の皮膚につくことにより生ずる病気です。

なおこの白癬菌は水虫で無い方の足にはおりません。

つまり、白癬菌が有るかないかが水虫の診断の基準となるわけです。

実際に皮膚科では水虫の診断をするために足の皮膚を削って

顕微鏡で水虫の有無を確認するんですね。

 

ただ、その検査は市販薬を塗ってしまうとわからなくなってしまうのです。

薬のせいで水虫がいなくなってしまうんですね。

そうなると逆に診断できないのです。

だって元々いないのか、居たけど居なくなったのかの判断は顕微鏡ではできないですから。

 

そうすると皮膚科としてはまず何も塗らずにしばらく経過を見て、

症状が出たら再度顕微鏡で検査をしてという形で対応をせざるを得なくなるのです。

また再度受診していただくことになるので、手間がお互いかかってしまうのです…

 

 

また、そもそも論として、水虫と言って受診される方のある程度の割合で、

水虫でない方がいるのです。

汗による湿疹だったり、多汗症だったり、ウイルスによる病気だったり。

そういったものを水虫と言って受診される方も多いのです。

だから顕微鏡で検査をする必要があるんですけどね。

逆に市販薬をそういった病気に対して塗っても効果は期待できません。

というところもあまり水虫の市販薬をおすすめしない理由でもあったりします。

 

できれば皮膚科を受診する日は最低でも市販薬は塗らないでほしいですし、

本当のことを言えば市販薬を使う前に一度受診していただきたいところですねえ。

浸水した道を歩いて帰った後にすることは?

今回は災害対応のお話です。

皮膚科的に少し考えてみることにしましょう。

 

昨今の集中豪雨、以前よりも凄さを増していますねえ。

お家も浸水のリスクを考える必要がありますが、それ以外にも、帰宅途中に

浸水に見舞われその中を歩いて帰ったとき、その後どうしたらよいかを考える必要がありますね。

 

足がびしょびしょでお家に帰る前に行ったほうが良いことがあります。

それは家族に連絡を取ること。

自宅でもあらかじめ準備をすることで被害を最小限に食い止めることができます。

ではその被害は何か?健康被害ですね。

つまり浸水した水はただの雨水ではありません。

雨水、下水の入り混じった水である可能性があります。

少なくとも一度側溝に入った水ですので、側溝内のさまざまな有害物質に汚染されていると考える必要があります。

また側溝内には動物の死骸などがありますので、病原微生物への暴露も考える必要があります。

そのようなモノを家に持ち帰るわけですから帰ってこられる側でも相応の対応をする必要があります。

なので、事前連絡からの準備は大事です。

 

では連絡された側は何をするかというと。

まずは玄関にバケツやビニールの大きな袋を準備してください。

可能ならざっと洗えるようにお湯/水を準備すること。

そしてお風呂場まで、床を歩かなくても良いようにお風呂場までタイルや防水シートを敷いておく。

最後にお風呂にお湯を張っておくこと。

以上は帰宅直後に行えるように準備することを推奨します。

可能であればアルコールで消毒する準備も必要です。

というのも時間が経てばその汚染物質は乾燥し、ホコリとなって舞うことになります。

そのリスクを下げる必要があるんですね。

 

ということで事前に準備をしてもらってから帰宅します。

帰宅して玄関先でまず行うこと。

脱いでください。

靴も、濡れたズボンも全部脱ぎましょう。

上半身も汚れたのであれば、汚水のついた服は全部脱ぎます。

そしてそばに置いたバケツなり、大きなビニール袋なりにしまい、

蓋をするかくくるかをして、汚水でそれ以上周囲を汚染しないようにします。

 

で、タオルや防水シートの上を歩いてそのままお風呂場へいきましょう。

そしてまずはしっかりとシャワーをして汚れを落としてください。

一般的に石鹸は1回使えば良いと思いますが、心配なら2回石鹸で洗いましょう。

その後湯船に入り、体を温めると良いかと思います。

 

湯船に入って行うことはまず汚水付着部に傷が無いかの確認です。

水虫、擦り傷、虫刺されなど、皮膚の一部に傷があればそこから感染を起こす可能性が

跳ね上がります。

同様にふやけて破れた皮膚についても要注意です。

湯船の中でゆっくりで良いので全身特に下半身はくまなく確認してください。

問題なければOK。

温まったら、まず湯船のお湯を抜き、浴槽内を洗剤で掃除し、もう一度シャワーで汚れと湯船のお湯を落として上がります。

その後は清潔な服を着て、汚水が付着した可能性があるところを消毒して回りましょう。

最後に寝る前に再度足を中心に皮膚のチェックを行います。

その頃にはふやけた皮膚も乾燥していると思いますので、再度傷の確認を行います。

 

(汚水の付着した洗濯物・靴への対応は専門の方の情報を確認してください。

こちらでは割愛します)

 

当日の対応はそれでOKです。

翌日以降ですが、

・もともと免疫の低下している方(糖尿病、ステロイド/免疫抑制剤内服、抗がん剤治療中など)

・汚水付着部に傷、虫刺され、水虫など皮膚ダメージが見られる方

・新たに皮膚になにか症状が出てきた方

は早く医療機関を受診することをおすすめします。

持病があり、定期的に通院している方はそちらの受診を検討してもよいですし、

皮膚科や形成外科、外科などいわゆる皮膚や傷の対応ができる医療機関を受診しても構いません。

免疫力が低下している方であれば状況によっては予防的に抗生剤などを飲むことも考えられます。

またそれぞれの皮膚症状がある方は、感染症を注意しつつそれぞれの皮膚症状を抑える必要があります。

なお、受診時には汚水に触れたことはきちんとお伝え下さい。

その情報が有るか無いかによって医療従事者の感染症対応が変わってくる大切な情報ですので、

状況の説明をしていただけるとありがたいです。

後は医療の方で対応という形になります。

 

感染症ですが、吸い込みからの呼吸器感染症もありますが、まず最初に考えるべきは

皮膚局所からの感染症です。

一般の方であれば大きな問題になることがありませんが、特に糖尿病などの方では

対応が遅れると切断レベルの話に進行することがありますから注意が必要です。

本当に怖いんですよ…

 

最後に繰り返しになりますが、

浸水した水はただの雨水ではありません。有害物質、病原微生物を含んだ汚水です。

きちんと対応し、その後の感染症もしっかりと予防してくださいね。