わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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ブログ
わかばひふ科クリニック院長野崎誠(皮膚科医)及びスタッフのブログです。

医療の事、病気のことだけではなく、子どもに関する話や
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2017/3/14
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2021/3/1
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2023/1/3
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天気を読むということ

皮膚科医ですが、天気を読んでいます。

もちろん天気予報をするわけではありません。

天気予報を確認し、毎日の診療の参考にしているのです。

 

まずわかりやすいのは外来の混雑だと思います。

当然天気が良ければ受診する。

しかし天気が悪ければ面倒ですから受診はしない。

ということになるわけですね。実際雨や雪の日は患者さんが減ります。

減りますからスタッフの出勤状況も勘案し外来の予約枠を調整することもあります。

実はお休みをしたいのだけど勤務に出ているというスタッフもいるかも知れません。

でも外来が少なくて手が空けばより少人数で待ち時間なく診療ができますので、

そういう方はお休みができるかもしれませんよね。

したがって天気を読み外来の混雑状況を読むということはスタッフにとっても患者さんにとっても

ベストのポイントが変わってくるということになります。

 

もう一つは天気により病気の出方が変わるということ。

例えば今週は雪が降りました。東京では珍しいことですね。

その環境ではどのような皮膚の病気ができるかというと、

冷えて悪化する病気、濡れて悪化する病気です。

例えばしもやけなどがありますね。

逆に急に気温が上がるときはどうでしょうか?

気温が上がると病原微生物の活動も活発になります。

汗もかきますよね。

なので、水虫、とびび、虫刺されなど多様な疾患が発生することになります。

また慢性的な病気も環境の変化が誘因で悪化することもあります。

アトピー性皮膚炎は汗をかきすぎると悪化することが知られていますから

急激な温度上昇は悪化の要因になるわけです。

 

このように天気を読むことで色々なものが見えてきます。

そして今後気をつけるポイントも見えてくるわけです。

天気を読むことは先を読むことに繋がるのです。

やけどの初期治療に冷却ジェルシートは推奨しません

というお話です。

たまに使われている方がいるのですよ。

 

動画で確認したい方はこちら。

 

 

 

やけどで受診された方にはどのような初期対応をしていたのかを外来で確認しているのですが、

ほとんどの方は氷で冷やしているのです。しかし、冷却ジェルシートを目にしたりして…

 

まず大前提として冷却ジェルシートは皮膚のトラブルが有るところには使ってはいけません

メーカーにより記載は少し異なりますが、

ライオンの冷え◯タ

小林製薬の熱◯まシート

の記載事項です。

どちらのメーカーもやけどには使えませんと明記していますね。

ということでメーカーも非推奨だったりします。

 

あとは実際に使ったときにはどうなのかという問題があります。

それぞれ見ていきましょう。

比較対象は一般的な保冷剤、つまり氷です。

 

1)熱を取る力は強いのか?

まずは最も大事なこの点についてです。

そもそもやけどというのは熱により皮膚のタンパク質が変性し、

壊れてしまうために生じるわけですから、

どのくらいの熱量を取ることができるのかが大事になります。

でも…資料がない

冷却ジェルシート全般についての資料は見当たらないのです。

小林製薬はこのように書いていますが。

ただし、気をつけるべきは実際にそのようなデータの詳細です。

どのような使い方をしたのか、どのように測定したのか。

有効成分の入っていない冷却ジェルシートとの比較はどうだったのか。

こちらについての資料が一切見られません。

あとは氷と比較してどうなのか?も不明です。

同量の氷と比較してどうなのか?わからないとしか言えないのです。

つまり、冷却ジェルシートの温度低下作用が氷より高いとは言いにくいようですね。

なお、解熱作用についてもないとする報告があるようです。参考までに。

 

2)皮膚が一緒に剥がれてしまう可能性

ジェルシートというだけ有り、皮膚との接触部分にジェルがあり、

皮膚に密着するようになっています。

つまり剥がすときには一緒に皮膚を持って行ってしまう可能性があります。

特にやけどは症状は強くなると水ぶくれを作ります。

つまり、シートを剥がすときに水ぶくれを剥いてしまう可能性があるのですよね。

これは皮膚科医に取っては嬉しい状況では有りません。

やけどの水疱を剥がすことによるデメリットもあるからです。

・水疱のお水の中には傷を早く治す成分が入っている

・剥けた面が露出するのでこすれや痛みの刺激が強く出てしまう

・剥けた面に二次感染を起こす確率が出てくる

と良いことなしです。

氷を当てるだけの場合は上記のリスクは当然有りません。

 

3)成分にかぶれるリスク

冷却ジェルシートのジェルを作るには色々な成分を必要とします。

理論的にはその成分のどれに対してもアレルギーを起こし、かぶれるリスクはあります。

もちろんその可能性は高いものではないのですが、ここで注意したいのは

やけどの部位に使うということ。

皮膚に異常があるところにある物質を接触させたとき、

その成分に対してアレルギーを起こす確率は正常な皮膚に接触するよりも高くなる

ことがわかっているのです。

つまりやけどの皮膚に対しても同様のことが起こる可能性がある。

氷つまり水でかぶれる可能性はないので、これについては

冷却ジェルシートのみに存在するリスクとなります。

 

まとめましょう

1)熱を取る力

優劣不明だが氷のほうがよさそう(私見)

2)皮膚を剥がす可能性

冷却ジェルシートのみ

3)かぶれるリスク

冷却ジェルシートのみ

となります。

このように考えると、やけどの部分に対してあえて冷却ジェルシートを使う理由は

ないですよねえ…

 

 

 

YouTube動画:アトピー性皮膚炎解説動画 古い薬はオワコンですか?

今回のテーマはアトピー性皮膚炎の昔からある薬についてです。

 

新薬は出たら古い薬はもう使わなくても良いのでしょうか?

どうもそう単純なお話ではなさそうですね。

ということで興味のある方は覗いてみてくださいね。

YouTube動画:アトピー性皮膚炎の新薬解説

今回の動画はアトピー性皮膚炎の新薬についての解説動画です。

2018年からどんどん新薬が出てきました。

その解説とメリット、デメリットについてお話をしています。

2024年1月現在の9種類についての解説です。

興味のある方はどうぞ。