今回はアトピー性皮膚炎のお話。
その中でも学生さん以下の年齢のお話になりますかねえ?
秋のアトピー性皮膚炎。
季節の変わり目にはアトピーは悪化しやすいと言うお話はよく耳にするかと思います。
ただ、秋に関しては悪化のポイントは2つ有るのですよ。
簡単に説明をしていきましょう。
一つは気候変動によるものです。
大体9月終わりから10月にかけてですが、気温が下がるとともに湿度が徐々に下がります。
そのため乾燥が強くなり、アトピーが悪化します。
一般的に言われる秋のアトピー悪化というのはこのことを指すことが多いです。
対応としてはしっかりと保湿をすること、保湿剤そのものを夏用から冬用に切り替えることでしょうね。
ただ、秋の悪化にはもう一つあります。
こちらは先の気象条件とは異なる社会的なものです。
つまり、9月1日。
いわゆる夏休みの終わりですね。
もっとも最近の学校は8月中に2学期が始まるところも多いので、
以前よりは幅が出ますが、夏休みの終わりから学校の始まりにかけては
悪化するパターンが多いようです。
こちらの原因は実は難しく、いろいろな要因が考えられます。
一つはスキンケアの低下。
夏休み中に毎日シャワーをしていた子が2学期になって止めてしまう。
ということも往々にしてあります。
そのために悪化する可能性があります。
あとは、睡眠不足やストレスですね。
夏休みの宿題の仕上げだったり学校の準備だったり。
睡眠時間は短くかつ不規則になる子も多いでしょう。
学校に行くこと自体がストレスになる子もいるでしょうし、
心理的な障壁がなくとも生活習慣が変わりますからそれはストレスになります。
そのために湿疹が悪化するということもあります。
最後、受診できない問題ですね。
忙しく、やることがおおい新学期当初は物理的に時間が取れないとか、
保護者側もバタバタするために受診がなかなかできないということになりがちです。
そのために薬がなくなってもそのままになってしまう。
という問題が発生し、結果的に治療強度が下がるから湿疹が悪化するということになります。
そういったわけで、空気の乾燥の時期は要注意ですが、
夏休みの終わりから二学期の始まりは子どもたちのアトピーにも負荷がかかりますので、
要注意ということになるのです。
秋も少しずつ顔を出してきた気候ではありますが、しっかりとケアは続けていきたいところです。