わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

TEL050-3355-9592


〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

抗生剤がない!(2024年8月)

抗生剤がない!(2024年8月)

今日は抗生剤のお話。

いやあ、夏休み前は大変だったのです。

夏休みが明けたら劇的に状況が良くなるわけではないというのは切ない話なのですが…

 

現在抗生剤が品薄になっています。

原因は色々あります。

・薬価が必要以上に下げられたこと

・原材料を輸入する必要があること

・メーカーの生産体制が不安定なこと

などですね。

お金がないから物が入らないし、設備投資もできずに劣化し、トラブルになる。

というように認識しています。

こちらは薬学系の資料を見ていただくといいかもしれません。

 

そのような状況下で何が起きているかというと、端的に言えば薬局への供給不足です。

ある程度は入荷はしているのですが、それが需要に対して足りていないという現状があります。。

特に出荷調整ということで、今まで薬を多く処方している薬局にはその薬を供給し、

使っていない薬局には供給しないという形で傾斜配分がなされております。

そのために現状では薬局ごとに置かれている抗生剤の種類が異なり、

それぞれの薬局ではそれぞれ別々の抗生剤が枯渇しているという状況になっています。

 

この現状は非常に非効率かつリスキーなものです。

医薬分業により、クリニックでは院内処方はなくなりました。

院外処方ということで処方箋を発行するのですが、患者さんがどこの薬局に行くのかはコントロールできませんし、

してはいけないことになっています。

そのために、いざ薬局に行ってみたらその薬がないという事態が発生します。

薬がなければ、クリニックに電話して薬を変えてもらうか、別の薬局に足を運んで薬をもらうかしかありません。

いずれも手間と時間がかかる状況です。ここで無駄が生じてしまいます。

薬局にとっても必要な薬を渡せないということになりますからこちらも問題です。

 

幸いにも今までウチでは処方薬の変更を言われることは数えるほどしかありませんでした。

ただ処方している薬はそれが一番効果があるから処方しているわけで、その薬がないから変更しても

同様の効果が期待できるとは限りません。

そこも怖い所です。

ただ薬局に薬がないために一番効果のあるであろう薬とは違う薬を最初から処方するということは

すでに発生しているのです。

診察が順調に回ってるように見えても実は目に見えないところでこのような綱渡りは発生しているのです。

 

残念なことにこの状況は早急に改善するというものではなさそうで、しばらくはこの状態が持続しそうです。

抗生剤が必要にならないように毎日のスキンケアをしっかりと行うこと。

万が一感染症にかかったときには治療を最後まできちんと行い、ぶり返さないように務めること。

は現時点でも行える対応です。

頑張って夏を乗り越えていきましょう。

« »