今回は6月に少しだけお話をした円形脱毛症の飲み薬についての続編になります。
現在円形脱毛症の方でJAK阻害薬の内服を開始している方が数名おられます。
またアトピー性皮膚炎に円形脱毛症を合併したたために、アトピーの治療薬としてJAK阻害薬を内服している方も数名おられます。
今回はその経過についてのお話です。
現在日本では円形脱毛症に対してオルミエントというJAK阻害薬の内服が認められています。
ただし、内服を開始するためには条件があり、
・頭部の面積の50%以上に円形脱毛症があること
・半年以上の脱毛期間があること
をそれぞれ満たす必要があります。
つまり重症の円形脱毛症の方であることが前提条件となっております。
また、アトピー性皮膚炎についてもオルミエントは内服可能であり、
そして円形脱毛症を合併することはアトピー性皮膚炎では稀ではありません。
つまりアトピー性皮膚炎治療中の患者さんに円形脱毛症が合併する場合、
オルミエントを飲んで一緒に円形脱毛症の治療を行うことも可能ではあります。
こちらはアトピーのために飲んでいるので、円形脱毛症の面積や脱毛期間は関係ありません。
以上の2つのパターンの円形脱毛症の患者さんがJAK阻害薬を飲んでいるのですが、
やはり前者に比べて後者の発毛状況の方が良いようです。
本当にどんどん生えてくるというのは正直な印象ですね。
あっという間に消えてなくなってしまう患者さんが多い印象をうけます。
円形脱毛症がなくなって、アトピーの治療を別の薬剤に変更したくても
同意してくれないくらいの満足度があります。
逆に新規適応内服開始となった円形脱毛症については長期戦の覚悟が必要なようです。
どんどん生えてくるという印象はあまりなく、そろりそろりと出てくる印象ですね。
数週間をかけて少しずつ生えてくるという印象を受けます。
こちらについては薬剤内服前から長期戦の覚悟を持って治療を始める必要がありそうです。
説明書にも、内服開始後36週間程度は継続して様子を見ることとありますが、
まさにその通り、変化が目に見えるようになるまでには時間がかかりそうです。
そこをいかにして治療意欲を保ち続けるかというところがポイントになりそうです。
ゆっくりじっくりと治療を進めていく必要がありそうです。
あとはより早い時期から、より面積の小さい時期から治療を開始できるようになるといいのですが。