今回も水いぼの話です。
さて、みずいぼを診察しているとときにはその部分がかゆくなってきたと言って
受診される方がいます。
そのような状況での対処法はどうしましょうか?というお話です。
こちらの対応ですが、それだけでは決まるものではなく、
より大きな「水いぼをどうするのか」という考え方から決めていく必要があります。
簡単にいえば、取るのか取らないのかですね。
水いぼを取るのであればある意味話は簡単です。
薬を塗ってかゆみを抑えながら一気に水いぼを取りにかかります。
かゆみを抑える薬はいわゆるステロイドの塗り薬になりますが、
長期であれば水いぼを増殖させる方向に向かいます。
しかし短期間であればその副作用はあまり問題にはなりません。
そして水いぼを取りきってしまえばおしまいですから比較的単純な話になります。
逆に水いぼを取らないのであれば話はより複雑になります。
選択肢は更に2つ。薬を塗るか塗らないかですね。薬は同じステロイドになります。
薬を塗ると決めた場合は水いぼが長期化する可能性は否定できません。
もちろん数も増えることになるでしょう。
逆に塗らない場合はかゆみを我慢するか、
飲み薬などでかゆみを抑えるか(あまり効果は高くはありません)
をしながら自然にかゆみと水いぼが引いてくるのを待つ必要があります。
時間はかかりますが手間も痛みも一番少ない方法ではあります。
ちなみに、水いぼが痒いときにはいくつかの可能性があります。
アトピーなどの別の湿疹がたまたま同じところに出た可能性。
もちろん汗疹もできやすかったりしますね。
水いぼのウイルスに対して免疫が形成され、水いぼが排除される過程である可能性。
(モルスクム反応と呼ばれます)
水いぼに細菌が感染し、いわゆる二次感染の状態になっている可能性。
などが考えられます。
まあ、最後のときは痛みや熱も出てくるので別の対応が必要になるのですが。
実は水いぼが痒いという状態は複雑な症状が入り混じっていることも多いので、
一度診察の上で方針を決めてしまったほうが良いかと思います。