本当に今年は手足口病の患者さんが多いですねえ。
今週も20人ペースでの診察となっています。
当院で初めて診断がつく子もときにいます。
さて、ときに聞かれる質問なのですが、手足口病の発疹が出ているところに
薬を塗っても良いものでしょうか?
といってもあまりにも漠然としているので、いくつかのパターンに分けて
考えてみましょう。
1)傷薬
傷薬を塗ること自体は問題ないでしょう。
二次感染の予防という面においては塗る意味はあるかと思います。
しかし、発疹を早く治す効果はありませんのでご注意ください。
手持ちにあったとしても塗るように指示がない限り、積極的に塗る必要はありません。
2)ステロイド
こちらはまた難しい問題になります。
一般的に塗る必要はありません。ステロイドの薬を塗ることで発疹が治るものではありません。
またステロイドの副作用でもある、細菌感染症や真菌・ウイルス感染症のリスクは高くなりますので、
何も症状はないのに塗ることは有害とすら言えるでしょう。
では、かゆい部分は?というと、こちらは結構難しい問題になります。
かゆみがあり、皮膚をひっかくとその部分からとびひなどの二次感染を引き起こす可能性があります。
なにより、かゆみそのものが不快なものですからね。
・・・あまり資料が無いので言い切ってしまうのは問題もあるのですが、
かゆいのであれば、その部分にステロイドを塗ることは緊急避難としてやむなしかと
考えています。
まず、手足口のウイルスは皮膚の発疹部分には存在しないとされています。
そこから感染のリスクがないので、学校を欠席する必要はないわけですから。
したがってステロイドを塗ることにより、手足口が悪化したり治りが遅くなるリスクは
非常に少ないと考えられます。
であれば、かゆいとき、かゆいところにはステロイドを一時的に塗って
感染のリスクを下げて、かゆみを取って上げることには意味があるのではないかと
考えます。
でも、注意。
あくまでも一時的にですからね。痒くなくなったらすぐに止めてくださいね。