今年の春から九州で流行していた手足口病ですが、
関東でも一気に流行の様相を呈してきました。
当院でもここ23週間は、毎週20名以上の患者さんが来院されています。
今年の手足口病ですが、実はかなり注意が必要な症状を表しています。
というのも典型的な症状が少ないのです。
手足口病なのですが、他の医療機関ではその他の病気の診断をされた患者さんも
多く受診されました。
ヘルペスからのカポジ水痘様発疹症
細菌感染である伝染性膿痂疹(とびひ)
他のウイルス感染であるジアノッティ病(もしくはジアノッティ症候群)
このような疾患と誤認されることがあるようです。
典型的な手足口病の症状は
手のひら
足のうら
口のなか
が主体なのですが、今年はいずれも少ない。
ほんの1個2個しか出ないこともあります。
特に口の中にはほとんど症状が出ません。
まあ、手足口病は時には水も飲めないほど症状が強く出るので、
入院にならない分それはそれでありがたいのですが。
では典型的な場所ではなくどこにできるのか?
四肢及び臀部にできます。
また珍しいことに躯幹・体幹にも出ているように見える子がいます。
と、発生部位が例年とは大きく異なる今年の手足口病ですが、
症状の移り変わりや治り方は例年通りです。
赤い発疹が水ぶくれになり、かさぶたになって剥がれていく。
という治り方は例年通りですので、ご安心ください。
治るまでの期間も例年通りですので、ご心配なく。
あ、最後に1点だけアドバイスです。
今年の手足口病は直った後に1ヶ月くらいして、手や足の爪が剥がれ落ちる
ケースが有るようです。
でもご心配なく、殆どの場合はきれいにまた爪が生えてきますので。