高校ネタの続きです。また、昨日の活動弁士さんネタの続きです。
子どもを持つ親として、いつも考えているのが、将来どんな職業につくのだろう。ということです。
現時点では上の娘は「いたしません」になる。と言っています。
下の娘はいまいち何を考えているかわかりません。
でも、今なりたい職業は彼女がおとなになった時にも有るのでしょうか。
娘が将来就くであろう職業は今と同じ名前で、同じことをしているのでしょうか?
それとも、現在は影も無い職業なのでしょうか?
少し考えてみたいと思います。
私は現在小児皮膚科医です。
しかし、そもそも小児皮膚科医という職業は昔はなかった職業です。
もともとは皮膚科医の中のいち部分でした。
皮膚科の中で小児に精通しているために名乗っているのですが、
もちろん皮膚科医でも小児を見ることが出来ます。
スペシャリティーとしての職業名ですね。
(一般に受け入れられるかはともかくとして)
もちろん、マーケティングとしての問題も有りますからね。
でも、医療関係者の中で言えば、
不妊治療医やアレルギー科、スリープクリニック
などと言った職業は今有る職業から別れたものと考えることが出来そうです。
また、同じ職業名でも過去と未来とでは仕事の内容が変わることも十分にあるでしょう。
「いたしません」の外科医ではすでにその萌芽が出ています。
昔に比べて内視鏡手術が増えてきましたし、
最近ではロボットを使用した手術も増えています。
つまり、十分に広い通信回線を確保さえできれば、日本にいながらヨーロッパやアメリカ、アフリカでの
手術を行うことも可能かもしれません。
それが当たり前の世界になると、ひょっとすると手術室には
通信回線を開け、維持するためのスタッフが必要になるかもしれませんね。
臨床通信士などと呼ばれることになるのでしょうか?
対して、昔沢山いたのだが、今はなくなってしまった職業もたくさんあります。
例えば、蒸気機関車に石炭をくべる機関助手。
飛行機のエンジンの調子を飛行中に確認する機関士。
証券取引所で注文を仲介するために場内で取引を行っていた場立ち。
いずれも現在は存在しない、もしくは最盛期に比べるとほんの少しだけしかいなくなってしまった職業です。
昨日の記事にも書いた活動弁士もその中に入るでしょう。
最期に、アメリカの学者さんのお話をしましょう。
「小学校に入ったばかり子の65%は、現在存在しない職業に就く」
とのことです。
多分、これは日本でも同様でしょう。
これからは「この職業にしたいからこの教育」ではなく、
「どんな職業に就いてもきちんと仕事ができること」の方が
大事なのかもしれませんね。