思春期のアトピー性皮膚炎の患者さんに対する薬の選択って結構難しいことがあります。
アトピー性皮膚炎の治療薬は基本的にニキビを悪化させてしまうからです。
感染症とアレルギーはオモテウラの関係なのでやむを得ないところがありますが、最近その図式が崩れてくました。
理由は研究の進歩。一体であり不可分と思われていた、感染症とアレルギーの関係が崩れてきたからです。
つまり、アレルギーは抑えるけれども感染症が悪化させないという薬が色々と出てきたのです。
すでに内服薬ではデュピクセントが発売されています。またそろそろミチーガも発売されますが、こちらも易感染性の副作用はありません。
塗り薬でもモイゼルトという薬が今年の6月から使用可能になりました。こちらもありがたいことに易感染性の副作用はありません。
つまり、思春期のアトピーに使ったときにニキビの悪化を防げるのではないか?
と考えることができるのです。
またヘルペスが頻繁にでるアトピー性皮膚炎の方にもよい治療法になるのではないかと考えています。
ただ、いかんせん新規発売の薬ですので、情報の蓄積がありません。
大事な皮膚炎の治療効果は読みきれないところもありますが、副作用の面では明らかなメリットのある塗り薬となっています。
ニキビも抑えつつアトピー性皮膚炎も抑えていきたい。
そんな過去には欲張りと思われていた希望も今後は当たり前の様に叶っていくのかもしれません。
モイゼルトを試してみたいという方は外来で一度声をかけてくださいね。