今回は治療の話をしていきましょう。
抗アレルギー薬のお話です。
小児向けのシロップを何種類か飲んだことがありましたが、
まずい薬は1つも有りませんでした。
まあ、飲み終わった後にわずかに違和感を感じるときはありますが・・・
なんでこんなお話をするのか?
もちろん聞かれることが多いからでもありますが、
先日にザイザルシロップを処方されたうちの娘が
そのシロップ(をいれたスポイト)を見ると満面の笑みを浮かべて、
ハイハイしていくのを見たからです。
なんだかなあ。
TEL050-3355-9592
〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F
今回は治療の話をしていきましょう。
抗アレルギー薬のお話です。
小児向けのシロップを何種類か飲んだことがありましたが、
まずい薬は1つも有りませんでした。
まあ、飲み終わった後にわずかに違和感を感じるときはありますが・・・
なんでこんなお話をするのか?
もちろん聞かれることが多いからでもありますが、
先日にザイザルシロップを処方されたうちの娘が
そのシロップ(をいれたスポイト)を見ると満面の笑みを浮かべて、
ハイハイしていくのを見たからです。
なんだかなあ。
娘に湿疹ができていました。
原因は不明です。
もっとも原因がはっきりしない湿疹など、いくらでもあるので、原因云々は重くは考えません。
左上腕の前面に米粒くらいの湿疹なので、洋服に擦りつけたか、何かの拍子に引っ掻いたのでしょう。
でも、この湿疹が数日たっても引く気配が無いので、
薬を塗ってみました。
思うところがあり、通常処方するよりも一段強いステロイドの塗り薬を使いました。
アンテベート軟膏です。
とある日の入浴後に塗りました。
(ちなみに、アンテベートは赤ちゃんに1回2回塗ったくらいでは副作用は出ませんよ)
さて、その翌日です。
治っているでしょうか?
・・・・治っていません。
たった1回だけ塗ってみて、湿疹を抑えこもうというのはさすがに虫が良すぎたようです。
そうなんです、湿疹を治すためには一日1回ではあまり効果が無いのです。
湿疹は中途半端に治っているのですが、完全には退いていません。
ややもすると、引っ掻いてしまうために、悪化することも十分にありえるのです。
その後どうなるか?湿疹は治らず、ステロイドの外用量のみ増えていくことになります。
そして、最期にはステロイドの副作用が・・・
というシナリオになることも十分に起こるのです。
なので、湿疹に対してステロイドの塗り薬を塗るときは一日2回3回としっかり塗りましょう。
まあ、薬の強さとの兼ね合いもあるので、お医者さんのいう回数よりも極端に多く塗るのは
やめておいたほうがよいでしょうが。
KISSの法則って、ご存じですか?
これはある文章の頭文字を取ったものです。
正式には
Keep it symply. stupid!
というものです。
日本語に直すと、
「単純にしろ、このバカモノが!!」
という風に訳すことが出来ますかね。
皮膚科の塗り薬についても、このKissの法則が当てはまります。
他の病院の処方箋やお薬手帳を見ていて、不思議に思うのですが、
同じ患者さんに対して保湿剤が3種類、一つの部分にぬる薬が3種類と出ていることが有ります。
詳しく聞いてみると、「有るときにはAを、またある時にはBを塗る」用に指示されているそうです。
でもね、実際にそのようにできているか聞いてみると、ほとんどの場合が
「出来ていません」と言われます。なぜでしょうか?
理由の一つが面倒くさくなること。
種類が多くなるだけでげんなりしてしまいます。
もちろんそうですよね。我が身を振り返っても、たくさん宿題があるとそれだけでイヤになってしまいますよね。
ついで、使い分けがわからないこと。一言で言うと、境界条件の問題です。
こうもり問題と私は呼んでいますが、2種類の薬があるときにどちらを塗るべきかわからなくなってしまう問題です。
このように薬の種類が多くれれば、逆にそのための問題も出てきてしまうのが難しいところです。
なので当院では最初はシンプルな塗り方のお話を行っていきます。
一般に同じ部位に塗るべき保湿剤あるいはステロイドは1種類。
部位別の差もあまりつけることはしません。
もちろん、何回も受診されてすでに薬の使いかたもわかっているという方であれば、
少しずつ薬の使い分けに付いてお話をしていきますが、最初からは難しいですね。
しかし、単純化にはデメリットも有るのではないか。
と思われる方もいるでしょう。
デメリットとしては効果は不十分もしくは効果が強すぎる
ということが有ります。
でも、この問題はある程度カバーすることは可能です。
それは時間軸。
効果が強い(=副作用が強い)場合でも、短時間であればそのデメリットは見えなくなります。
逆に効果が弱いのであれば、次に来た時に強くしますし。
(よっぽど効果が弱い時は予定日前でも連れてきますし)
なので、当院の考え方としては
理論上ベストの治療(でも、実際に行うのは大変)
よりも、一段落ち着かもしれませんが、
シンプルで簡単で、自宅でも無理なく出来る治療
を最初は行います。
そして、しっかりと指示通りのことが出来るようになってから、少しずつ難しい方法に
挑戦していく。
というように進めていったほうが結果的に早く、良く綺麗になると思っています。
足元から一歩ずつ治療を進めていきましょうね。
診察中、薬を処方しているときによく聞かれる質問に
「塗り薬はいつから効いてくるのですか?」
というものが有ります。
特にステロイドの外用薬を不安に思っている人は多いのか、
頻度も高い印象を受けます。
また、
「薬が効きすぎてしまった」
ために、塗るのをすぐにやめてしまい、結果として湿疹が良くならないという、
笑うに笑えない状態になることも時に遭遇します。
実際のところ、ステロイドの塗り薬はいつから効果が出てくるのでしょうか?
結論から言えば
「直後から」
が正解です。
まあ、実際のところは5分後くらいには効果の実感が得られるようです。
その前にも効果は出ているのですが、徐々に炎症に伴う痒みが引いてくるのに気がつくのは
意外に難しく、時間がある程度立たないと、はっきりとした差が見られないというのが本当のところですね。
ざらつきや赤みについても同じ傾向が有ります。
年齢に依る差もあまり無いようです。
理論的には子どもや赤ちゃんのほうが効果はあると思いますが。
ステロイドの塗り薬の効果はすぐに現れます。
びっくりしないでくださいね。
ただし、気をつけるべきは、効果が出た=治ったでは無いことです。
症状が完全に引くまでは気を抜かずにしっかりと塗ってくださいね。
中断することで結果的に治るまでの時間が余計にかかってしまうことも有るのです。
皮膚科で出される薬といえば、
ですが、写真からも分かるように、
もちろん、当院でもチューブの薬はたくさん処方されます。
チューブのお薬は、多くの方に合うように作ってあるものなので、
ですが、患者さんの症状は千差万別です。
また、年齢、肌質、塗布部位、生活状況は様々です。
チューブの薬でも大丈夫だけれど、
という事があります。
そんなとき、状況に応じて、
チューブの薬が既製品だとしたら、
ただ、
軟膏の在庫をたくさんクリニックに用意し、
当院では、薬剤師がおりますので、薬を混ぜたときに分離したり、
そして、患者さんの、かゆい・
久しぶりの記事になってしまいました。
最近、風邪を引くと治りが悪いです・・・
保湿剤、特にワセリンですが、どこでも塗ればいいというものではないようです。
診察をしていると、ワセリンが逆に皮膚にトラブルを呼んでいるところもあるようです。
今回はその場所2についてお話をしていきましょう
まず、一つ目は赤ちゃんのおでこです。
ここは湿疹を良く呼び込んでしまうようです。
理由ははっきりとはしませんが、多分汗だと思われます。
また、擦れないこと。
つまり、ほっぺたはいくら塗っても擦れてしまいましが、
おでこがこすれることは相対的に少ないのです。
したがって保湿剤がいつまでも残ってしまいます。
そのために汗疹ができてしまうのです。
もう一つは実はお腹と背中。
赤ちゃんの体幹にワセリンを塗ることは汗疹を読んでしまいます。
理由は同じことのようです。
おでこよりもこすれることは少ないですからね。
あとひとつは、抱っこ紐。
お母さんと密着することにより、皮膚の温度があがり、汗をかいてしまうのです。
そのために汗疹を作ってしまうのです。
他の場所ではあまり問題になることはありませんが、
おでこと、体幹。ワセリンを塗るときにはきをつけてくださいね。
と聞いて、みなさんは何を思い浮かべますか?
試験まで後3日ほしいとは、学生の時に良く思っていましたけどね・・・
このプラス3日。
実は湿疹の治療のキーとなる言葉です。
湿疹とは何か。
難しいお話になるので、これはまた別の機会にしますが、
ひとつ言えることは
「目に見えるものだけが湿疹ではない」
ということです。
赤いから湿疹。ザラザラしているから湿疹。
もちろんそうです。でも、
赤くないから湿疹ではない。ザラザラしていないから湿疹ではない。
と言い切ることはできないのです。
つまり、目で見てもわからない湿疹は多数ある。
ということなのです。
これは何を意味するのかというと、
湿疹というものは目で見えなくても残っていることがある。
ということです。
そして、目で見えなくなってもそこには湿疹が残っていますから、
治療をやめるとすぐにぶり返してしまう。
ということなのです。
ここで冒頭の「プラス3日」なのです。
湿疹がなくなった。目で見えなくなった。
そう思ってからプラス3日治療をしてみてください。
それだけで湿疹のぶり返す頻度は一気に少なくなるはずです。
この法則がよく効くのが赤ちゃんの湿疹です。
特にお顔の湿疹がすぐにぶり返してしまい、悩んでいる方にとっては、
このプラス3日。
それだけで良くなることもたくさんあるのです。
iPhone5Sの投げ売りが始まってるようですね。そろそろ新機種発表でしょうか。
販売価格を見ると、販売直後が最高値で後継機種の出現直前が底値になりますよね。
実は蕁麻疹も同じことが起こるのです。
・・・まあ、蕁麻疹はお店で買うことはできませんが。
他の病院で蕁麻疹の治療の治療をされている患者さんが来院されることがあります。
私は最初は薬剤の種類を変えたり、量の変更を試みることは殆どありません。
まずやること。それは蕁麻疹がよく出る時間を確認し、
その時に血液内の薬の濃度が最大になるように飲む時間を変更してもらうことです。
それだけでだいぶ症状の出方が変わってくることが多いのです。
蕁麻疹の治療は飲み薬で行います。
飲み薬の血液内の濃さにより治療は決まります。
飲み薬は飲んだ1時間後くらいが最大になります。
ということはその時間が蕁麻疹に対する治療効果が最大になり、
その後少しずつ落ちていくのです。
したがって、蕁麻疹の治療効果を最大にするためには
蕁麻疹のよく出来る時間帯を確認し、その時間帯に薬剤の濃度が最高になるように
少し前に薬を飲む。
結構効果ありますよ。蕁麻疹にお悩みの方は試してくださいね。
前のお話で、妊婦さんと薬の話を長々とさせていただきました。
問題問題といっているけど、じゃあどうすればいいのさ。
という声があがるもの尤もですので、今回は対策についてお話をしていきましょう。
妊婦さんがその薬を飲めるのか否か。
実は薬の説明書だけを鵜呑みにするわけには行きません。
というのも、先日の記事に記載した通りあくまでもこれは公式なものに過ぎず、
製薬会社が試験を行っていなければ何も記載できないのです。
(まとめたサイトはこちら。PMDA)
まあ、家電やパソコンなどの説明書とお考えください。
しかし、あくまでもこれは日本国内のお話です。
アメリカなど、他の国では妊婦さんに対する使用が許可されているものもたくさんあります。
というのも、日本の薬は日本人を対象に試験を行わなければいけないからなんですね。
また、実際の問題として妊婦さんに飲んでもらったことがある。
という薬ももっとたくさんあるのです。
先日ドラマで放送されていましたが、妊婦さんが乳がんになり、抗癌剤の投与をしなければいけない。
しかし赤ちゃんへの影響がわからない・・・
というお話も海外での使用報告を確認することにより、飲めるか否かの判断をできるのです。
では、実際に妊婦さんが飲んでも大丈夫という海外からの報告をまとめたページは無いのかというと、
実はあるのです。
私が以前に勤務していた国立成育医療研究センターでは「妊娠と薬情報センター」として
このような情報をまとめ、一覧にして配布をしています。
ページはこちらです。
但しあくまでもこのページはダイジェストであり、正式なものではありません。
正式な物を確認したいというのであれば専門家向けですがこんな本があります。
専門家向けの本ですが、もしも心配な方でしたら、
読んでみてもいいかもしれませんね。
もうちょっと簡単な本もあるようです。まだ読んでいませんが・・・
昨日までお薬手帳のお話をしてきました。
今回はそのおまけ。番外編です。
情報は薬だけほしいのか。
実はそれだけではありません。
薬疹とは言いますが、その原因として市販薬や健康食品やサプリメントも有るのです。
できればお薬手帳には市販薬や健康食品やサプリメントについても記載してください。
どのような情報がほしいのか?
まず、薬の種類が大事です。正式な名前をフルネームで書いてください。
最近はジェネリック医薬品が増えていますが、その場合は面倒くさくても会社名まで書いてください。
というのも、会社によって本来の成分以外の添加剤が異なることも有り、
可能性は低いのですが、その添加剤に対してアレルギーを起こすことも有るのです。
そのためジェネリックA社でアレルギーが出てもB社では出ないということがあります。
市販薬も正式な名称をフルネームで書く必要があります。
特に市販薬では同じブランドネームでも使われている成分がぜんぜん違うために
コレを違えると、原因不明となってしまうことまで有るのです。
一例をあげましょう。誰もが知っているバファリンですが、
バファリンプレミアムでは有効成分はイブプロフェンとアセトアミノフェン。
バファリンAはアスピリン(アセチルサリチル酸)。
でも。小児用バファリンでは有効成分がアセトアミノフェンです。
一文字書き忘れるだけで、全然違ったものになってしまうのです。
コレ、怖いんです。診察する側にしてみると。
最後に、容量も書いておいてください。(何mgというものですね。)
次に大切なのが、飲み薬を開始した日。既に飲み終えた薬では飲み終えた日も記載してください。
飲み薬に対するアレルギー反応はその化学成分が血液の中からなくなれば弱くなります。
症状の強弱と飲み始め、飲み終わりに関係があれば、その薬が犯人の可能性がグッと高くなります。
最低限これだけの情報があれば対処しやすくなるんですね。
また、可能であれば病名と処方した先生の名前も確認しておきたいところです。
必要があれば直接電話して連絡を取ることもできますので。
最後に私はどうしているかですが、
サプリメントや健康食品は一切飲まず、市販薬も時にバファリンを飲むのみです。
処方薬も沢山飲むわけではないので、クスリ手帳は持っていません。
でも、自分で何を飲んでいるか言えるので問題は無いのです。
でも、コレ、あまり参考にはならないですよね・・・