わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

理科の本

書評:「はたらく細胞」 著:清水茜

マンガも読みますよ?

 

本屋さんの店頭で平積みの1巻を見つけて、思わず衝動買いしたのが最初です。

 

ヒロインは赤血球

ええと、血液1μlあたり300万個くらい居ますよね。

ヒーローは好中球。

こちらも血液1μlあたり5000個の50%だから2500個くらい居ますよね。

 

凄いなー。

今まで見た中で一番小さなヒーローとヒロインだー。

と考えてみたり。

まあ、最初はそういったわけで正直イロモノとして見ていたのですが・・・

 

いやいや。

しっかりと書いていますよ。

戦闘シーンは本当なわけがありません。

顕微鏡で見ている感じでは静かなものですから。

こんなに熱血はしていませんよ。

 

でも、生体内でどんな細胞が何を行っているのか。

それについては(医学部学生時代の知識プラスアルファしかありませんが)教科書レベルの記載としては

全く問題なし。

 

なんですよ。意外でしたが。

 

そんなこんなで毎度毎度新刊が出るたびに購入して

今回は4冊目です。

 

血液・血管系だけではネタが持たないんでしょうね。

いろいろなところでの感染症との戦いです。

そういえば3巻ではニキビ居たなあ。

 

一つ言えることは、

これは学習漫画としても、問題は無いのでは無いかと思うんですね。

 

子どもたちの興味を引かせるには良いマンガかと思います。

時にスプラッタですが、中学生高校生向けに読むには良いかもしれません。

生物特に人体の分野が苦手という方も多いかと思います。

でも、こういったマンガをきっかけにして興味の幅を広げていっても良いのではないかと思うんですね。

 

というわけで、(皮膚科医ですが、)オススメします。

 

 

「有機化学美術館へようこそ」

有機化学美術館へようこそ ‾分子の世界の造形とドラマ (知りたい!サイエンス)

 

この本を高校生の時に読んでいれば人生は変わっていたと思います。

多分化学の道に進んでいたかもしれません。

化学はもともと結構好きでした。

こんなに奥が深く、楽しいということを知っていたらいまここでこうしてブログは書いていなかったかもしれません。

それほどまでに楽しませてくれる書籍です。

 

以前より筆者のブログはたまに覗いていました。

最近光合成について勉強している時にたまたまリンクを見つけ、

読んでいたらつい引きこまれてしまいました。

 

いや、こんな分子が世の中に存在するなんて思ったことありませんもの。

nanoputian

 

 

Nanocar2

 

「面白ければいい」というと叱られるかもしれません。

毎日の生活に役に立つのが大事という考え方もあります。

しかし、今は大事では無いように思えることでもいずれ花がさくこともあります。

カーボンナノチューブ、フラーレンなどがいい例ですね。

 

それだけではなく、こんなに面白いものがあるんだよ。

ということを子どもたちが学ぶことも大事だと思います。

子どもはびっくりするくらい好奇心が高く、

脇目もふらずにのめり込んでいきます。

その最初の取っ掛かりとしてこのような本は大事ではないでしょうか。

646px-Types_of_Carbon_Nanotubes

Fullerene-C60

 

この本は難しい化学式はあまり見られません。

CGでカラフルで不思議な図がたくさん載っています。

小学生から中学生くらいでも十分に読むことが可能です。形を眺めるだけでも面白いです。

また、化学をある程度勉強した方であればなおさら。大人が読んでも楽しめます。

たまには自分の専門分野と全く違う本を読んでみてもいいのではないでしょうか。

 

お勧めです。

 

「脳には妙なクセがある」

脳には妙なクセがある

 

著者は現役の薬剤師さんです。

もっとも研究を中心に行なっている方ですが。

この本は脳の研究について、最新の知見をわかりやすく噛み砕いて教えてくれるものです。

巻末の参考文献の多さといったら…

 

人間は、進化の果てに出現しました。

同様に人間の脳も進化の結果生まれたものです。

そのため、その他の動物と非常に似通った反応をすることもあります。

逆に、「自分で考えて行った」ものも実は自動的な脳内の反応を反映したに過ぎないこともあるのです。

 

この本では脳が本来持っている偏り「バイアス」について詳しく説明しています。

つまり、人間という存在が元から持っている偏りについて明快に解説されているわけです。

この事実を受け入れるのは結構不愉快なものですが、事実を事実として受け入れた上で、

どのように生きていくのかを考えてみてもいいのかもしれません。

 

追記1

これらの現象の大くは、まだ理由や機序の不明なものも多く含まれています。

あくまでも「その傾向がある」ということしか示されていません。

「方向性」のみであり、「明確な事実」と言いにくい部分があることも確かです。

そこだけは、忘れないようにしないといけませんね。