先日、お友達と子連れ同士で、プチ贅沢ディナーに出かけました。
誰もが知る有名レストランのカジュアルダイニングで、子どもが遊ぶスペースもあり、
その界隈でゆっくりしたいママたちには、人気のお店です。
ちゃんとお子様メニューもあり、1200円〜1800円の間で3種類から選べ、
それぞれ、ハンバーグ、お魚料理、フィレステーキと、どう考えても破格値で、
大人が頼みたいくらい。
もちろん、お味も子どもにはもったいないくらい美味しい〜。
丁度お祝い事があったこともあり、サプライズでお祝いをしてくださったり、
平日ですいていたこともあって、子どもの相手をしてくださったりと、
ゆったりと気持ちのよい時間を過ごしていました。
たまたま頼んだエスカルゴに、つけあわせの薄切りフランスパンがついていました。
そのパンがおいしかった様で、子どもたちが食べてしまい、
カタツムリだけが残ってしまったので、追加のパンを頼むことに。
給仕の方に、
『エスカルゴが残ってしまったので、追加でパンをいただけますか?』
とお願いしました。
厨房に確認に行かれた後、同じ物はご用意できないのですが、別のパンでよければご用意しますと。
もちろん、別の物でかまいませんとお答えしたら、
大きなバゲットを持ってこられました。
薄く切ってあるものではなく、厚さ5〜6センチくらいのものが2つでした。
給仕の方が厨房に何を伝えたのかはわかりません。
でも、少なくとも給仕の方は、私たちがおなかがすいている訳ではなく、
エスカルゴを食べるためにパンを注文したことはご存知のはずです。
結局、エスカルゴも食べず、パンにも手を付けずにお店を出ました。
そこまでのサービスは完璧でした。
でも、その最後の出来事で、とても残念な印象が残りました。
そこまでの評価が高かった分、落差が激しくなってしまい、よけいにマイナス面が印象づけられてしまったのでしょう。
この出来事で、ある本を思い出しました。
『帝国ホテルで学んだ無限リピート接客術』
この中に、タイトルの 100-1=0 が出てきます。
『100点でなければ、0点。たったひとつのミスもあってはならないのです。』
『たったひとつのマイナスの恐ろしさ。いったん気分を害されると、それまでの評価も修正されます。見る目が変わってしまうのです。
こうして、お客様の中でそのお店の評価は、たったひとつのマイナスのために、100から0へと、激変してしまうのです』
その通りだと思いました。
私共も、医療技術の提供とともに、気持ちよく診察を受けて頂けるよう、可能な限り様々な努力をしているつもりです。
なるべくお待たせしないこと、患者さんとの接し方、待合室の居心地の良さ、バリアフリー化やおむつ変えベッド、様々な情報提供。
それでも、きっとご不満をお持ちになる患者さんもいらっしゃることでしょう。
この本では、『たったひとつのマイナスもあってはならない』という言葉の意味を、『クレームがあってはならない』という意味ではないことを説明しています。
お客様が不満を持ったままお店の外に出てしまうことこそが、本当に恐ろしいことだと書いています。
今回、私が経験したことは、まさにこの不満を持ったままお店の外に出たことでした。
もし、こうしたことが起きた場合、お店を出るまでの間にスタッフがお声がけをしてフォローすること、
そしてお店の中で不満を吐き出して頂き、忌憚の無いご意見をぶつけて頂くこと、
それがお店にとってもお客様にとってもプラスになることだと結んでいます。
今回のこの経験は、自分自身を振り返る貴重なものとなりました。
スタッフ一同、目配り、気配り、心配りを忘れずにいるつもりではございますが、
どうぞ、お気づきの点やお困りになられたことがございましたら、遠慮なく申し出て頂ければと思います。