とびひの患者さんがぽつりぽつりと出て来ました。
もう冬はおしまいのようです。
みんな汗を書くようになったんですね。
そろそろ朝の水浴びも考えてみたいところです。
大人も、子どもも。
TEL050-3355-9592
〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F
水いぼの治療をしているとよく聞かれるのは上記の質問です。
もともと、水いぼはプールで伝染ることが多いものです。
世間では感染源はビート板などとも言われていますが、それだけではありません。
当然、ビート板の共用はあまり良くはありませんが、
子どものプール教室を見ていると、じゃれあっていますよね。
あれだけくっついていれば水いぼのウイルスは直接移ってしまいます。
そこで問題になってくるのは水いぼの子はプールに入れるのかどうか?
明確なルールはありませんが、学会では指針を出しています。
その指針では「問題なし」です。(日本小児皮膚科学会)
でも、実際にプールに入れるかどうかを判断するのはそれぞれの施設なので
最終的にはその判断に任せなければなりません。
ということで………
当クリニックのスタッフに手伝ってもらい、吉祥寺の周辺の水泳教室に
電話で聞いて見ることにしました。
結果は・・・
様々です。
あまりルールとして決まっているところは少ないようでした。
しかし、ルールとして、「水いぼがなくなるまでは教室には参加出来ません」というところもいくつかありました。
また、「医師の判断による」とするところもいくつかあるようです。
意外だったのは、電話をしたその時に即答してもらえないことです。
たらい回しもいくつかありました…………
結構その辺はルーズなようですね。
2013/5/23追記
もしも心配な方はプールに相談してみて下さい。
OKな場合もありますし、治療していればOKなこともあります。
まったくダメなところは数は少ないですよ。
あと、一つ。
友達に感染させてトラブルになることが心配な方は
物理的に取るのが一番かと思います。
今は痛みを少なくする方法もありますので、
皮膚科医に相談してみてはいかがでしょうか。
2013/5/29追記
水いぼの治療方針についての記事を掲載しました。興味のある方は参照下さい。
コチニールと聞いてもピンと来ない人もいるかと思います。
では、カンパリと言えば?
これは見たことがある人も多いのではないでしょうか。
色々なもので割ってカクテルにして飲んでいますよね。
この鮮やかな赤い色のもとになるもの(今はカンパリには入っていません)が、
コチニールというものです。
その中に特に含まれるカルミン酸が鮮やかな赤い色を示すために赤い色素として、昔から使用されてきました。
中世のスペインが南米を支配していた理由の一つはこの色素とも言われています。
さて、このコチニールはどのようにして取り出すのでしょうか。
実は、この色素はある種の昆虫から抽出して作成します。
その昆虫がコチニールカイガラムシ、別名エンジムシという虫です。
メスの虫を乾燥させ、アルコールや水で色素を抽出します。
実はこのコチニールは様々な食品に添加されています。
有名な所では紅白のカマボコでしょうか。
昆虫の抽出物を口にふくむということで稀にですが、
コチニール入りの食品を摂取したあとにアレルギーが起こることが知られています。
原因は色素ではなく、同時に抽出された昆虫のタンパク質とのことであり、
国産品ではあまり起きないようですが、外国の商品は注意をしたほうがいいかもしれません。
安い、特に外国由来の「赤い食べ物」を食べた時だけアレルギーが起きた時には
原因としてコチニールを考えたほうがいいかもしれませんね。
「成育医療研究センター語?」のエントリーにあったとおり、
当院のアトピー性皮膚炎に対する治療法はあまり他の病院では見られません。
その考え方のキモになるものが
「上塗り」
「下地」
「保湿」
という薬の使い分けです。
他の病院の多くは「湿疹」と「保湿」のみ使用しているでしょう。
しかし、アトピー性皮膚炎の”悪い皮膚”は赤い所だけでしょうか?じくじくする所だけでしょうか?
という疑問から始まった治療法です。
アトピー性皮膚炎では全身の皮膚に何らかのトラブルがあります。
その中で、特に症状の強いところが痒みを出していると考えてもいいでしょう。
逆に考えると、湿疹のない部分にはまったく何も無いわけではないのです。
したがって、湿疹か正常か、白か黒かという話ではないのだろう考えています。
つまり、
「何もない」のではなく、「症状が弱い湿疹がある」のです。
したがって、保湿では落ち着かない事になってしまうのです。
当院の「上塗り」は他の「湿疹」のお薬と一緒です。
当院の「保湿」は他の「保湿」のお薬と一緒です。
では、「下地」は?これは保湿剤に少しだけステロイドを加えたものです。
つまり、何もないように見える部分(先に述べたとおり、弱い湿疹が実はあるのです)
にも少しだけステロイドを塗ることでその部分もしっかりと抑えようという考え方です。
でも、何もない皮膚にステロイドを塗り続けるのは心配ですよね。
なので、下地は塗る回数で調整をしていきます。
症状が落ち着いていたら徐々に保湿剤に切り替えていくわけですね。
アトピー性皮膚炎の「湿疹がない」皮膚は、実は「ちょっとだけ湿疹がある」のです。
ただ、それが他のひどい部分の影に隠されているだけなのです。
ですので、その「ちょっとだけ」の湿疹に「ちょっとだけ」ステロイドを塗ってあげるのです。
先日、近隣のお世話になっている小児科さんにうかがって、
先生とお話しする機会がありました。
旧国立小児病院時代から成育医療センターへの
歴史的な流れなど様々なお話を聞き、
そのなかで、
『上塗り』『下地』
という用語が、ポンと飛び出しました。
皆さん、意味がおわかりになるでしょうか?
これ、成育医療センター語なんだそうです。
旧国立小児病院時代から、
皮膚科のドクターと患者さんの間で
当たり前のように使われてきたコトバなんだそうです。
開院初日、診療補助についていたところ、
院長と顔見知りのアトピーの患者さんとのこんなやりとりがありました。
院長 『薬は足りてますか?』
患者さん『下地はまだあるんですけど、上塗りがもうないです。』
院長 『オッケー。じゃ、上塗りだけでいいね〜』
正直、聞いていた私には、何のことやら???
薬剤師として病院畑を10年歩いておりましたが、
過去勤務した4つの病院でも聞いたことがありませんでした。
今回、小児科の先生にうかがって、納得がいきました。
もちろん、初めての患者さんには、きちんと薬の説明、塗り方、
すべてご説明しますので心配いりません。
ですが、院長の口からポンとこのコトバが出たら・・・
ああ、成育語〜!と思って頂ければ幸いです(笑)
こんな話があったので、
脇毛の匂いが気になる人へのお話です。
そもそも脇毛の匂いは何か?
実は全てがわかっているわけではありません。
汗、特にアポクリン腺という(他の動物ではフェロモンを出すところですね)特殊な汗の
成分や、皮膚や毛の表面に存在する細菌の出す成分。
また、細菌が皮脂や垢、汗を分解するときに作り出す成分が原因と言われます。
低級脂肪酸やアミン類と言われます。
では、汗の匂いをどうやって抑えるか?
先に出てきた原因を一つひとつ潰していけばいいわけです。
一つは汗を流すこと。
朝に一度シャワーをするだけでもだいぶ違います。
もう一つは細菌を流すこと。
シャワーだけでは不十分ですので、石鹸を使って洗い流します。
男性は特に脇の下だけでなく、陰部や顔のTゾーンはしっかりと流してください。
さらに言えば、抗生剤を塗ることで更に細菌を殺し、数を減らすことができます。
(あまりにも強い時には飲み薬も使うことがあります)
それでも落ち着かないときには、塩化アルミニウムという汗そのものに働く薬もありますが、
最終的には手術を行うこともあります。
しかし、今までの経験では、ほとんどがシャワーと石鹸で落ち着きました。
抗生剤を塗ってもダメな人はあまりいませんでした。
匂いが気になる方はご相談ください。
次亜塩素酸ですね。
今日、ホームセンターに行ったらまだ販売されていたようなので、記事にします。
次亜塩素酸というと、ピンと来ないかもしれませんが、
プールの底に沈んでいる白い塊がアレです。
小学生の頃に、(え、幼稚園?)「プールの底の白い塊には触れてはいけません」という
注意を聞いたこともあるかと思います。まあ、昔は気にせずに触っていましたけどね。
アレは次亜塩素酸カルシウムや次亜塩素酸ナトリウムが主成分で、
水に溶けたら徐々に塩酸となり、塩素を供給するものです。
その塩素でもって殺菌するわけですね。
それを応用して(誰が考えたのかしりませんが)
「次亜塩素酸の錠剤を作って、首から下げれば、インフルエンザの予防になるんじゃね?」
と作られたのが、いわゆる空間除菌剤と呼ばれるものです。
でも、これ、
使わないでください。(そこまでいかなくても、私は絶対に他人には薦めません)
塩素が出るのはいいんですが、(いや、本当はあまり良くないんですよ。)
その塩素が高い濃度で皮膚や洋服に張り付く訳です。
あとは、抱っこしている赤ちゃんとか。
その塩素は皮膚や洋服に対して非常に強い反応を示します。
(洋服についた塩素は脱色し、繊維をボロボロにするだけですが、)
皮膚につくと大変なことになります。
私達が「化学熱傷」と呼んでいるものですが、
強いかぶれの反応が起きます。
あたかも、やけどをして、皮膚がべろりと剥けるような。
当然、そのような強い反応が起きたら皮膚にキズが残る可能性があります。
場合によっては一生残ってしまうかもしれません。
実際に、そのような事例の報告があり(消費者庁HP)、ある商品については厚生省は回収命令を出しています。
消費者庁のHPには実際に起こった症状が掲載されています。
これだけのリスクを冒してまで得られるメリットですが、どうもはっきりとしたものはないようです。
少なくとも有名ドコロの医療機関で採用したという話はありませんので、
感染予防効果は少ないと考えて良いのではないでしょうか。
まあ、新しいものを出すのはいいんですが、
きちんと検証しましょうよ。という話でした。
いや、誰も言わないみたいなので、勝手に発令しました。
しもやけは凍傷と違って、気温は0℃以上でも出ることがあります。
0℃から10℃くらいの気温で、濡れた足のままだとすぐに出来ます。
遺伝するので、両親のどちらかがしもやけ持ちだと要注意です。気をつけましょう。
では、何を気をつけるべきか?
それは冷やさないこと、濡らさないこと。
靴はしっかりと乾燥しているものを履くこと。
帰ってきて靴が濡れていたら、室内に持ってきて暖房に当ててあげましょう。
中には新聞紙をいれて、水分を吸収させるように。乾燥剤も有効です。
靴下も可能ならスキー用などの厚手の物で外に出ましょう。
学校に行く時には替えの靴下を持っていったほうがいいでしょう。
なお、学校では、靴は教室の中まで持って行って、乾かすこと。
登校途中に濡れた靴を下駄箱に入れっぱなしにしておいて、
下校時にその靴で帰ると確実にしもやけはひどくなりますよ。
症状が出たら薬を塗って、温めること。あくまでも印象ですが、こたつは結構有効です。
一般的にしもやけは子供の病気です。
特に幼稚園児から学童期に多く見られます。
たま~に大人もいますけど、あまり数は多くは無いです。
もしも、大人で、いつまでも治らないしもやけがあったら・・・
早く病院に行って、検査しましょう。GWまで残っている人は要注意です。(北海道除く)
でも、しもやけの治療法や予防法って、自分が子供だった時とほとんど変わっていないんですよね。
確かに、困ってはいるけど生命に別状のない病気ですし。
たしかに、しもやけで皮膚の検査をしましょうと行ったらみんな嫌がりますもんね。
難しい問題です。むう。