わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

TEL050-3355-9592


〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

病気の話

Medical Noteのすすめ

今回は医療情報のお話をしましょう。

 

仕事から検索サイトはよく利用します。

薬剤や病気のこと。美容や化粧品のことについても検索を行うのですが、

いやはや、これがまた難しいのです。

 

何が難しいのか?

正確な情報を得ることがです。

検索サイトの最初のページから覗いていくことが多いのですが、

半分宣伝のようなサイトがたくさんあります。

まとめサイトもよく目にします。

で。そのサイトをじっくりと読み込んでみると、最終的にはある商品の宣伝だったりするわけです。

ブログについても同様です。

一般人が書いているようにみえても、読んでいるうちに、ある商品の宣伝ばっかり・・・・

 

これでいいのかな?

と思いながらインターネットめぐりをしています。

 

先日病気の情報を収集していたら、興味深いサイトを見つけました。

それが、Medical Noteさんです。

会社概要を読み込んでみると、社長さんはお医者さんです。

そして、正確な医療情報を伝達するのが目的のサイトとされています。

執筆者も現在の標準治療を進める先生のようですね。

 

実は、これは非常に大事なことなのです。

現在のインターネットの情報は正直に言うと、歪んでいます。

標準的な方法についての情報は少なく、

メジャーではない治療法が相対的に情報量が多くなっています。

 

尤も、これはインターネットそのものについての歪みなのですが、

(インターネットは少数者の声が大きくなる傾向が有ります。

だって、「ふつう」のことは書かないもんね)

そのことを頭に入れて情報を入手しないと、自覚しないうちに知識に

偏りが出てしまいます。

 

ですので、「スタンダード」や「通常」について、質の高い知識が

インターネット上に記載されるということが大切なことだと思うのです。

 

このMedical Noteさんが、今後どのような形で発展していくのか、

楽しみに見て行きたいと思います。

 

リンクはこちら。

 

※利益相反について

この記事を書くにあたり、Medical Noteさんとは一切の情報や物品、金銭の授受は行われておりません。

ステマじゃないよ。

 

ネルソン小児科学 第19版の翻訳を担当しました

ネルソン小児科学 原著第19版

ネルソン小児科学 第19版

 

先日めでたく発売開始になった、ネルソン小児科学第19版の

一部翻訳を担当いたしました。

 

担当した部分は、小児皮膚科の領域の

血管腫、母斑の部分です。

 

そうです、実は私、血管腫や母斑といった、

「あざ」の専門家でもあるのです。

知ってた?

 

まあ、ブログではあまりアザの話をしていませんでしたからね。

というのも、受診する患者さんの中ではアザの患者さんはあまり多くはないこと、

治療も当院ではできず専門施設に紹介しなければいけないこと。

などから、あまりブログの記事にはしていませんでした。

 

丁度教科書も発売開始になったことですし、少しずつアザの話もしていきたいと思います。

 

抗アレルギー薬のシロップを嫌がる子はいません

今回は治療の話をしていきましょう。

抗アレルギー薬のお話です。

小児向けのシロップを何種類か飲んだことがありましたが、

まずい薬は1つも有りませんでした。

まあ、飲み終わった後にわずかに違和感を感じるときはありますが・・・

 

なんでこんなお話をするのか?

もちろん聞かれることが多いからでもありますが、

先日にザイザルシロップを処方されたうちの娘が

そのシロップ(をいれたスポイト)を見ると満面の笑みを浮かべて、

ハイハイしていくのを見たからです。

 

なんだかなあ。

 

どうして直接リンクを貼らないんだろう?

今日の疑問点です。

 

慶応大学皮膚科の長尾先生らによる論文が話題を呼んでいるようです。

遺伝子操作をして、アトピー性皮膚炎のような症状を起こすマウスを作成したところ

そのマウスの皮膚には黄色ブドウ球菌が多く存在していたということのようです。

で、抗生剤を投与していれば、炎症をより抑えることが出来た。と。

 

記事のニュアンスでは、ブドウ球菌対策云々となっているところが多いようですが、

すでに人間のアトピー性皮膚炎の患者さんの皮膚には一般的には

黄色ブドウ球菌が沢山住んでいることが知られています。

イソジン消毒療法(私はオススメしていませんが)なども、上記の治験に基づく

治療法ですしね。

 

でも、問題はそこじゃない。

新聞はテレビは仕方有りません。

なんで、インターネットの記事からは、その論文にダイレクトにリンクが貼られていないのでしょうか?

 

その論文が気になる人、絶対にいますよね。

そして、その中には英語が読める人もいますよね。

更に、生命科学の論文を読める人もきっといますよね。

 

であれば、なんでリンクをはらないの?

一般の人が記事を読めるようにどうしてしないの?

と疑問に思ってしまうわけです。

 

新聞やテレビはしかたないですよ?

でも。インターネットに配信しているのならば、難しいことでは無いですよね。

 

記事を検索から探せばいい?

ええ、探しましたとも。

直接論文にアクセスするのに、2分で出来ましたとも。

 

でもね、それは私がその分野について詳しく知っているからです。

長尾先生の名前を検索欄に打ち、雑誌名を検索欄に打ち、

その雑誌を探し、その中から該当する記事を更に探す。

そんなに難しくはなかったのですが、それは自分の専門分野だから。

 

もしも、気になる記事が「地学」だったり「宇宙科学」だったり、

はたまた、「経済心理学」だったりしたらどうでしょう。

そうなったら、必要とする論文に辿り着ける自信は有りません。

 

なんで、リンクを貼るという行為ができないのでしょうか?

記者も元となる論文を読んでいなかったから?

発表原稿をそのまま記事にしているから?

 

まあ、そこまではわかりませんが、

記事を掲載する人が、

「実際に元の情報源について、一般人が確認することには意味が無い」

あるいは「必要がない」

などと考えているのでは無いか?

などと邪推をしてしまうわけなのです。

 

これって、日本だけなのでしょうか?

外国ではどのようになっているのでしょうか?

気になるところです。

 

 

 

最後に、今回の論文への直接リンクを載せておきます。

参考までに。(会員登録、もしくは有料ダウンロードが必要なようです)

http://www.sciencedirect.com/science/article/pii/S1074761315001284

そして、すべての記事の元となった、慶応大学からのプレスリリースへの直接リンクです。

クリックして20150422_nagao.pdfにアクセス

皮膚科でみる小1ギャップ

小学校が始まり、1週間が経過しました。

新1年生の肌のトラブルが増えています。

まあ、仕方ないことですけどね。

 

それはなぜか。

どうしても生活習慣がかわります。

そのために大きな精神的な重圧がかかってきます。

ストレスにより、悪くかるということがまず上げられます。

当然、睡眠の状況も変化するでしょう。

一般的には睡眠時間は短くなると考えられます。

 

また、汗をかいても今までの時間に帰ってこられるわけでは有りません。

より、汗が皮膚に付いている時間は長くなり、それが刺激になってしまいます。

 

次いでスキンケア。

どうしても学校が始まると朝のシャワーやお昼の塗り薬が出来なくなってきます。

 

そのために湿疹が悪化する子、蕁麻疹が出てくる子が続出するのです。

 

まあ、時間と共に多くは良くなっていくことも多いかと思いますが。

落ち着かない場合は少し頑張って朝や帰宅時にシャワーをする、薬を塗る、

早めに寝るなどの対処で良くなることも多いです。

 

是非試してみてください。

診断の正確さについて考える。

さて、前回、天気予報の信頼性についてお話をしていきましたが、

今回は病院での診断の正確さについてのお話をしていきたいと思います。

 

さて、質問です。

どうして、しっかりとした診断をつける必要があるのでしょうか。

 

答えは、

今後のことをより深く知るため

です。

 

 

診断というものは、将来を知るためのものです。

つまり、これからどうなっていくのか。

症状はどのように変わっていくのか。痕や後遺症は残るのか。

遺伝するのか。するとしたらどのくらいの確率で遺伝するものなのか。

もう一つ。

治療はどうすれがいいのか?何が効くのか?

治療出来なくても、病気の進行を食い止める方法はあるのか?抑える方法はあるのか?

ということを知るために「診断」を行う必要があるのです。

 

もちろん、診断の重要性については病気の程度である程度変わってきます。

ただのカブレ

遺伝性の病気

では、重要性は全然変わってくるでしょう。

 

カブレであれば、

かっちりと診断を付けなくても治療していけば良くなるでしょう。

何が原因かはあまり追求しなくてもよいでしょう。

「繰り返したら、原因を考えましょう」と私も良く言っていますが、

それは、慌てる必要は無いからです。

 

では、遺伝性の病気についてはどうでしょうか?

遺伝する病気にはいろいろな種類が有ります。

ざっくりとしたお話になりますが、(詳しいお話はいろいろな本に出ているので省略)

人間は同じ遺伝子を2本持っています。

その2本の遺伝子のうち、

1本に問題があれば出る病気と

2本両方に問題がないと出ない病気が有ります。

それぞれ、遺伝の形式はちがうわけです。

メンデルのえんどう豆の実験を思い出してもらうといいかもしれません。

1本で出る病気は子どもに半分の確率で遺伝します。

2本の病気はそもそも発症する可能性はあまり高くないものがほとんどですが、

重い症状で出る病気が多いのです。

また、性を決める遺伝子に異常があるかどうか。

異常の有る子の中で症状が出る子はどこくらい居るのか。

など、もっともっと難しい話にもつながっていきます。

つまり、診断をして、遺伝の形式を知ることは、血のつながりという面からは

非常に大事なことになります。

 

最後に癌の話です。

癌の診断とは、がん細胞がどのような細胞なのか、

由来はどこかを考えることが主体になります。

人間の体にはいろいろな細胞が有ります。

そのほとんどすべての細胞が癌になるわけですが、

元々の細胞の性質を持っていることが有ります。

そのため治療方法も変わってくることが有ります。

放射線が効きやすいか効きにくいか。

抗癌剤はどのような物が効果あるのか。

手術の時に、見た目の癌の範囲から更にどのくらい細胞が散らばっているか。

などは、がん細胞の種類によって変わってきます。

また、転移はし易いかどうか。

転移するとしたらどこに転移するのか。

についても癌ごとにクセが有ります。

そのクセを知り、早め早めに対処するために診断をしっかりとしなければいけないのです。

 

診断の信頼性が低いこと。

言い換えれば大雑把な診断しかしないことについてはこれだけのリスクが有るのです。

したがって、大学病院などの大きな病院では

大勢のスタッフが集まり、診断を正確に下すために検討会をしっかりと行うのです。

また、必要があれば、他の診療科の先生や他の病院の先生に相談することも有るのです。

 

このように、診断をしっかりと行うことは未来を知ることと同義語になるのです。

おちんちんの湿疹はまずパンツのチェックを

今回のお話はおちんちんのお話です。

幼稚園から小学生くらいの男の子で時々おちんちんの湿疹がある子がいます。

原因は何でしょうか?

 

幾つか考えられます。

まず汗。

汗って、結構しみるんですよね。

また、汗を煮付めて皮膚に塗るとみんなかぶれることが知られています。

そのくらい、汗の刺激は強いのです。

もう一つは蒸れ。

どうしても密閉空間なので、湿度が上がり、蒸れてしまいます。

体感温度が上がると痒みを感じるのは人の常。

それで引っ掻いてしまい、湿疹を悪化させてしまいます。

 

最後の一つはおしっこです。

そんなに?と思うかもしれませんが、これも原因としては忘れてはいけません。

男の子のおちんちんは特にこのくらいの年齢ではみんな包茎状態です。

つまり、亀頭包皮と亀頭の間にはどうしても隙間ができています。

その隙間におしっこがたまり、それがパンツに付いてしまい、皮膚にくっつく。

そのためにおしっこで皮膚がふやけ、湿疹を作ってしまうのです。

 

ちなみに、おしっこが悪さをしているか判断するのは比較的簡単です。

そうです、パンツを見れば良いのです。

パンツに黄色いおしっこのシミが出ていれば、おしっこのカブレの可能性があるのです。

 

 

治療については通常の湿疹と同じで構いません。

しかし、スキンケアでもいくつか気をつけるべき事が有ります。

 

まず、洗うこと。

洗うことにより、汗やおしっこなどの水に溶ける刺激成分はなくなります。

次に乾かすこと。

蒸れを抑えることも大事です。

ブリーフの子の場合、トランクスに変えることも考えても良いのかもしれません。

最後に一つ。

パンツはこまめに変えましょう。

朝には必ず。汗をかいた後にもパンツを変えてあげたほうがよいでしょう。

 

 

三寒3枚、四温は1枚

暖かい日と寒い日が交互に続きます。

三寒四温は本来冬の言葉なのですが、春のこの時期にこそふさわしいような気がします。

 

気温の変化によるアトピーや乾燥肌の悪化が目立つようになりました。

でも、大体悪くなるのは、低温→高温になったとき。

逆に高温→低温になった時にはあまり悪くはならないようです。

なぜでしょう?

 

原因は多分汗。

さらに、その原因は洋服の枚数に有ると考えます。

 

汗をかくと悪くなる。これはほとんどの子に当てはまります。

正確には汗をかいた状態を放おっておくと。ですが。

では汗をかくのはなぜか?

厚着をしているから。

なのです。

 

特に低温→高温になった時に症状が悪くなるのはそのためです。

温度が下がった時に厚着をして、

温度が上がったにもかかわらず、厚着のままでいる。

これが汗をかき、湿疹を悪化させる要因となっているのです。

 

対策は簡単です。

まず。洋服の枚数を「ダイナミックに」変えること。

天気予報を見ながら、大胆に調節するとよいでしょう。

3枚来た翌日に半袖1枚でも構いません。

また、一日の中でも温度の変化が大きくなっていますので、

朝、昼、夕のそれぞれ、枚数を変えて下さい。

朝の厚着のままお昼の温かい時間を迎えるのも問題ありです。

 

もう一つ、シャワーをすること。

日中に外出すると、多くの場合は汗をかいてしまいます。

帰宅したらすぐにシャワーを浴びて下さい。

 

それだけでずいぶん楽になるはずです。

 

もう一つ、暖かくなったら脱ぐことも対策の一つなのですが、

なぜか、特に男の子は洋服を脱いだりしたがらないんですよね、

不思議だ・・・

じんましんが流行しています

ここ数日の間ですがじんましんが流行っているようです。

 

もちろんじんましんはウイルスや細菌などの感染性微生物が直接関与するものではありませんので

例えばエボラ出血熱のような感染の流行とは話が違いますが、

どうも、この時期に多くの子に出現するような要因が幾つかあるようです。

 

その1

風邪が流行っている。

溶連菌を思わせる風邪も多いですし、ウイルスによる風邪も多いようです。

時期的なものでしょうね。

先ほど、じんましんは微生物が直接関与するものではないと書きました。

でも、間接的な関与をしていることは結構多いのです。

以前にも書きましたが、子どものじんましんの誘因で一番多いのは

風邪を始めとする感染症です。

大きな誘因となるのです。

 

その2

気温、環境の変化が大きかった。

次の項目ともかかってくるのですが、気温の変化がここ数日、非常に大きなものになっています。

まさか、4月に雪が降るなんて。ねえ。

ぽかぽか陽気の数日後の話ですから、たまったものではありませんね。

 

その3

新年度が始まり、ストレスがかかっている。

家族全員が忙しくなると、当然子どもにもその影響が出てきます。

旅行やお出かけ、学校の準備などで慌ただしくなると、

寝る時間が影響を受けます。また、バタバタするだけでもストレスになっていきます。

このストレスもじんましんの大きな誘因となるのです。

 

そのような理由もあり、今、じんましんが出ている子が沢山受診するのでしょう。

この現象は、もうしばらく続きそうですね。

さめはだととりはだ2 とりはだの話

さて、次は鳥肌のお話です。

 

鮫肌と鳥肌。似ていますが、少し違います。

この鳥肌、アトピーや乾燥肌の子によく出てきます。

毛穴のぶつぶつは鮫肌に似ていますが、

部分は全身のどこにでも出来る可能性があるものです。

鮫肌は一部ですから、ここに大きな違いが有ります。

 

鳥肌の原因は軽度の湿疹。毛穴の周りに軽い湿疹が起きているのです。

鮫肌には湿疹性の変化は有りませんので、ここが大きな違いになります。

当然湿疹である鳥肌は痒みが有ります。

鮫肌はかゆくないので、ここも大きな違いです。

 

治療についても同様です。

鮫肌は何もしなくて大丈夫ですが、

鳥肌は放おっておくと湿疹になってしまいます。

なので、症状をみて、落ち着か無さそうであればステロイドの薬を塗って

抑えこむ必要があるのです。

 

鮫肌は体質ですが、鳥肌は湿疹。

似ているけど、異なる2つ。しっかりと対処していきたいものですね。