わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

TEL050-3355-9592


〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

病気の話

毛虫にご注意を!

最近、診察をしていると、毛虫に刺されたと思しき症状の方が多いです。

もちろん蚊刺されも増えてきました。

 

毛虫は恒例のチャドクガのようです。

指先でつまめるくらいの小さな毛虫ですが、要注意。

茶色と黒のシマシマの、その黒いところに小さな針のような毛がびっしりと備わっており、

キケンを感じた時にその針を放出します。

目では見えないのですが、刺されるととてもかゆいのが特徴です。

ある日突然、体の一部を中心に同じような大きさの赤い発疹が多発したら

それは毛虫を考えなければいけません。

 

要注意です。

 

乳児の日焼け止めはどうすれば良いのか?

この質問も外来で良く聞かれる質問です。

結構難問ですが、少し考えてみましょう。

(なお、乳児ですので、生後1歳までの赤ちゃんに限ってのお話です。理由は後述)

 

まず、根本的なところから考えてみましょう。

日焼け止めはなぜ使うのか?

答え:皮膚の紫外線に対する露出を減らすため。

ですね。それが最終的には皮膚の老化を抑え、皮膚がんの発生を抑えることになります。

 

では、赤ちゃんの場合はどうなのか?

紫外線に露出する場合は、どのような場合なのか考えてみましょう。

もちろん外にでる時ですよね。

では、赤ちゃんはどのような状態で外に出ていますか?

ほとんどの場合はベビーカー、抱っこひも、おんぶなどの形で外出しているのでは無いでしょうか。

少なくとも、自分ひとりで勝手に歩くことは有りませんよね。

 

と、ここまで考えると一つ疑問が出てきます。

本当に気をつけるべきは赤ちゃんなの?ということです。

そうです、お母さんの方が実は重要な要素なのです。

 

自分で歩かない赤ちゃんはいつもお母さんと一緒です。

なので、まずお母さんが気をつけるべきなのです。

・日向を歩かない

・日光の強い時間帯(正午+-2時間など)に外出しない

など、お母さんが少し気をつけるだけでも、ずいぶん日光への露出を減らすことが出来ます。

 

また、当然ですが、日焼け止めが赤ちゃんにカブレを起こすリスクも有るでしょう。

皮膚の弱い赤ちゃんはそのリスクは成人よりも高いと考えられます。

 

そうやって考えると、お母さんは十分に気をつけることが出来るなら、

日焼け止めを使うメリットは、他の年齢の子どもに比べてあまり多くないことが分かりますよね。

 

でも、これは一般的なお話です。

・どうしても外出しなければいけない人

・南国に居る/行っている人

・保育園など、お母さんの目が届かない時間が長い人

については、日焼け止めは塗ったほうがよいでしょうね。

 

そして、日焼け止めが必要な場合ですが、

無理にSPFを上げる必要は無いです。25-30もあれば十分。

その代わり、汗で日焼け止めが流れてしまいますので、

2時間おきくらいに塗りたしをすること。

帰宅直後にシャワーで洗い流すこと。

をしっかりと、行ってくださいね。

 

最後に当クリニックおすすめの日焼け止めを挙げておきます。

成人ですが、皮膚テスト済み。ほとんど刺激感のない製品ですので

オススメですよ。

NOV ノブ UVローション EX SPF30 PA++ 35mL

第2子のアトピーは悪くなる?

本日質問されたので、少し考えてみました。

・・・今まで考えたことが有りませんでしたので。

 

まず、アトピーが悪くなるかについては、病気そのものがどうかを考える必要があるでしょう。

ついで、病気に付随するあれやこれやについて考えてみましょうか。

 

アトピー性皮膚炎という病気そのものについてですが、

第2子だから悪くなるというお話は聞いたことが有りません。

遺伝的な要素は当然ありますが、これは生まれ順とは全く関係の無い要素です。

ついで、病気の症状の面から考えても、生まれ順とは関係無さそうです。

まあ、遺伝的な要素ですべて決まるわけでも有りませんが。

 

ついで、病気に付随するあれやこれやです。

医師側から考えた時、第2子だから、何かが変わるかというと、あまりかわりは無さそうです。

ただし、一人っ子と、兄弟とを考えた場合、兄弟の方が治療はわずかですが甘くなるかもしれません。

これはある意味当たり前なのですが、兄弟2人を一緒に診察するときにはバタバタするので、

症状の確認が少し悪くなる可能性があるからです。

 

と、ここまで書いてみてふと思ったのですが、これは保護者にしても同じことかもしれません。

一人っ子と、兄弟がいる場合では、一人っ子の方が濃厚なお世話を受けることが出来ます。

これは当然ですよね。保護者の時間は、兄弟がいたとしても倍になるわけでは有りませんから。

つまり、スキンケアについては、一人っ子に比べて兄弟がいると、緩くなる可能性が考えられます。

目が届かず、スキンケアが甘くなり、結果として湿疹が悪化する傾向がある。

という可能性は有るかもしれませんね。

 

つまり、第2子のアトピーは悪くなりやすい

ということも出来るかもしれません。

 

 

 

でもね、一つ裏に事実が隠されています。

第1子のアトピーも落ち着かなくなる可能性もあるんですよね。

理由は同じ。目が行き届かなくなるから。です。

 

兄弟とアトピー。このようにして考えてみると結構奥の深い問題ですよね・・・

処方された薬を塗っても湿疹が良くならない時にはどうすれば良いのか?

この話もよく聞かれるお話です。

まず、話を簡単にするために状況ごとに分けてみましょう。

薬を塗っているのに湿疹が良くならない場合は、大きく2種類に分けれれます

・薬のせいでカブレてしまった

・薬が湿疹に合っていない。

この合っていないは更に2種類に分けられます

・そもそも、その薬が効く湿疹ではなかった

・薬は聞いているが、弱いためにあまり良くならない。

という感じですかね。

 

それぞれ、対処法があります。

まず、薬のせいでカブレてしまった可能性。

確率はあまり高くは無いのですが、どんな薬でも塗っている以上その可能性とは無縁ではいられません。

確率が高くなるのは

>混合軟膏

有効成分がたくさんある場合、カブレは起こりやすくなります。

例えばリンデロンVG(ステロイド+抗生剤)、ネオメドロールEE(ステロイド+抗生剤)

などですね。

もう一つは

>基材成分

が挙げられます。つまり、サラリとした成分の薬ほど負ける可能性が高くなります。

数式にすると、

軟膏基剤<クリーム基剤<乳液・ローション

の順番ですね。

 

判断する方法は、別の部分に塗ってみること。

つまり塗布テストを自分で行ってみるんですね。

例えば、肘の内側などの皮膚が薄い部分に塗ってみる。

それで、同様に赤くなるのであれば、それがカブレの原因

とかんがえることが出来ます。

 

 

次に薬が合っていない可能性。

湿疹の薬は湿疹に使うものです(当然ですが)

逆に湿疹の薬を感染症に使った場合は

良くなることが有りません。

外来で目にすることが有るのは、

「とびひ」にステロイドを使った。

水虫、たむしにステロイドを使った。

それで良くならなかった。ということがありました。

方向違いであればどうあっても効果が出るはずは無いのです。

 

もう一つ、薬が弱かった場合。

こちらも、塗っても塗っても改善傾向は無く、落ち着かない状態が続きます。

こちらも外来で目にしますね。特に、

子どもの湿疹に弱いステロイド歯科塗っていないために良くならなかった。

という話は正直、多いです。

 

このような場合はどうするのか?

方向性が間違っている場合はそれぞれ検査を行います。

とびひを始めとする細菌感染症を疑った場合は、培養を行い原因を調べる。

水虫、たむしを始めとする真菌感染症を疑った場合は、皮膚から真菌がいないか検査をする。

ヘルペスなどのウイルス感染症を疑った場合ば、採血を行い、免疫反応の状況を確認する。

また、時に有るのは皮膚ガンに薬を塗っている場合です。

当然こちらも改善することは無いですから、皮膚を生検し、がん細胞の有無を確認する。

など、検討する形になります。

 

薬が弱い場合はどうするか?

この場合は、単純に薬を強くし、症状の変化を確認していくことになります。

 

いずれの場合でも、数日の間に湿疹に対する変化が現れてきます。

(もちろん、カブレはある日発生するので、しばらく時間が経った後に出ることもありますが)

塗っても良くならない場合は、それを塗り続ける必要はあまり無いのです。

数日のうちに(少なくとも1週間以内のうちに)皮膚科を受診し、

薬を変えるか、詳しい検査を行うか、何らかの方法で対処を始めた方が良いと考えます。

待ってもあまり良いことは有りませんからね。

 

まぶたの虫さされにどのように対処すべきか

ちょうどタイムリーな質問が当院に問い合わせがありましたので、

ブログでお答えさせていただきます。

 

質問の内容ですが簡単にまとめてみます。

・まぶたをブヨに噛まれた。

・目が半開きの状態まで腫れた

・皮膚科受診したら皮膚科の先生からプロトピック軟膏を薦められた。

・リンデロンVGを希望したところ、最終的にリンデロンVGが処方された。

・インターネットを見たら危険だと書いてあり、心配になった。

箇条書きにしてみましたが、それについてお答えしたいと思います。

 

>虫さされでまぶたが腫れた時には?

もともとまぶたは腫れやすい部分です。

虫に刺された後に、ものすごく腫れ、極端な場合には目も開けられなくなることは

結構起こりえます。

最初の対応はとにかく冷やすこと。

保冷剤や氷嚢などを使用して、物理的に温度を下げてください。

冷えピタシートはあまり良くないですね。時に塗っている成分でかぶれる可能性もあります。

まず、とにもかくにも冷やすこと。

 

>虫さされの時に選択される薬剤はナニ?

私の場合はまずステロイドを使用します。

副作用については後述。

プロトピックを最初から使用することは無いですね。

というのも、荒れている皮膚にプロトピックをいきなり使用するとしみることがあるからです。

また、目の周りにはプロトピックは公式には塗らないように言われていますので。

ステロイドですが、虫さされの場合には一般的に使用するものよりも強いものを使うことが多いです。

一般的にはネオメドロールEEやプレドニンなどが使用されますね。

顔にはロコイドやアルメタ、キンダベートといったところが通常使用されるものですが、

虫刺されについてはそれよりも一つ強いリンデロンV(あるいは VG)や、時にはアンテベート

マイザーといった2段階強いものを使用することもあります。

どのステロイドを使用するかは、症状の強さによります。

副作用が心配?それも後述しましょう。

 

>ステロイドは危険なのか?

もちろん、使いかたを間違えれば危険です。

でも、皮膚科医に言われたことを守っていればまず問題は起きにくいものです。

ステロイドの副作用の出来方は、

薬の強さ×塗っている期間で決まります。

また、皮膚が薄ければその分だけで安いことになります。

実は今回の虫さされについてはほとんどの場合は数日である程度落ち着くことが多いのです。

ですので、逆に強めのステロイドを使用しても短期間であれば問題にならない。

ということなのです。

 

最後に気をつけることは何か?

実は、きちんと受診することなんですね。

先に述べたように、短期間であれば強めの薬を使っても問題になる可能性は少ないのです。

また、虫さされは短期間で症状が変わるものです。

当院では最初は週2回のペースで受診してもらっています。

長くても1週間以上間を開けないようにお願いしていますが、

その理由は上記2によるものです。

 

虫さされは短期間で症状が変わっていきますので、

それに併せてキメの細かい治療を進めていくものです。

早めに受診。こまめに受診。

この2つを心がけたいものですね。

もう、子どもが寝るときにエアコンを使っても構わない

と思います。

 

最近、夜に寝苦しくなってきました。

原因は気温。徐々に上がっています。

しかも、湿度もそれなりに高くなってきましたからね。

 

また、診察室でお話を聞いていても寝入りばなに落ち着かないお話を良く聞くことがあります。

これも温度と湿度のせいでしょう。

 

ということは・・・

もうエアコンの出番ですね。

実際に我が家でもすでにこの週末よりエアコンを導入しました。

すると、娘はぐっすりと眠るようになりました。

ついでにわたしもぐっすりと眠れるようになりました。

これは嬉しい誤算です。

 

もしもエアコンのクーラーをつけるのが心配であれば、

除湿・ドライにするだけでも違います。

 

あとは寝るとき1時間だけ、タイマーをかけて寝ること。

さすがに一晩中だと寒いですし、電気代の無駄になりますから。

また、途中で起きたらその後1時間だけつけるようにして下さい。

 

まあ、窓を開けるのでもいいのかもしれませんが、

今の時期は気温が下がるとともに湿度が上がっていくので、

結果的にムシムシする状態はあまりかわりません。

 

なので、エアコンの方が良いかな。

と思います。

試してみてください。

その年最初の虫さされは激しくなる?

先週から虫さされの患者さんがたくさん来る様になりました。

そして、なんとなく気がついたことが一つ。

それが、

「その年の最初の虫さされの反応は強くなる」

のではないか。ということです。

みんな、大きく腫れてきているんですよねー。

 

実はこの現象は体のメカニズムとしては十分に考えられることなのです。

まず、アレルギーの反応は何度も同じ反応を頻繁に繰り返していると、

弱くなることが有ることがわかっています。

実際に虫に刺された時の反応は徐々に弱くなり、早くなることが知られています。

ということは逆にしばらく虫さされの反応は出なかったら、

アレルギーの反応は一時的に強くなる。

可能性があるのです。

 

だから、しばらくぶりの虫さされの反応は強く出てくる

のでしょう。

日焼け止めと虫除けスプレーはどの順番で塗るべきか?

このお話、結構な頻度で相談されます。

更に、塗り薬を塗っている人はどうするのか?

なんとなく適当に縫っている人も多いかもしれません。

でも、それぞれの成分がどのように効果を示すのか考えると、

ベストの塗り方がわかってきます。

 

まず、答えから。皮膚に近い方から

1)塗り薬

2)日焼け止め

3)虫除けスプレーになります。

 

次いで解説を。

塗り薬は一番下に塗りましょう。

それは、薬は皮膚に入り込んで効果を示すからです。

塗り薬の下に他の成分を塗った場合、

効果が下がる可能性があるからです。

 

次いで日焼け止め。

日焼け止めの効果は、その膜で紫外線を吸収または反射することに有ります。

極端な話、日焼け止めはどの順番に塗ってもいいのです。

でも、その他の塗り物との関連で順番を決めています。

軟膏の上に塗るのは、軟膏に紫外線を当てたくないため。

理論上問題は無いとされていますが、軟膏に紫外線が当たれば

そのエネルギーによって成分が分解される可能性も有りますからね。

虫除けの下に塗るのは虫除けスプレーは効果を発揮する理由に有ります。

 

虫除けスプレーを一番上に塗るべき理由。

それは、揮発しなければ虫除けは効かないからです。

揮発し、空中にある程度の濃度となってはじめて、

虫は近寄らなくなるのです。

なので、しっかりと揮発してもらうように一番外側に塗ること。

 

薬理学的に考えて(一番それぞれの薬が効果を発揮するようには)

一番良いのは

薬-日焼け止め-虫除け

の順に塗るのが良いでしょうね。

 

蚊が出る季節になりました

先週から今週にかけて、クリニックの中に、蚊の侵入を確認しました。

ヒトスジシマカでした。

もう、夏ですね・・・

 

と言っている場合では無さそうです。

この蚊は、あのデング熱を媒介する蚊でも有ります。

昨年のこともありますし、そうそう感染するということもないでしょうが、

蚊の対策をしっかりと行う必要があるでしょう。

 

これからしっかりと気をつけていきましょうね。

 

鼻の穴の周りのジクジクは「とびひ」を考える

ある日、帰宅してみると、娘の左側の鼻の穴に、赤いジクジクが。

と、とびひだー!

早速抗生剤軟膏の外用を開始し、落ち着きました。

めでたしめでたし。

 

とびひの最初の症状として、鼻の周りの赤い発疹や、じくじくが出ること、結構多いのです。

なんで、皮膚に普段からいる黄色ブドウ球菌が一気にふえて、とびひの症状を作るのかは、

まだはっきりしませんが、ひとつ言えるのは、鼻の穴の中には黄色ブドウ球菌は多いということです。

したがって、鼻の穴の周囲はとびひの出来やすいポイントでも有るのです。

 

治療についても同様です。

鼻の穴の周りのとびひ「のみ」を直したとしても、すぐにぶり返すことが有ります。

それは、鼻の穴の中の黄色ブドウ球菌をそのままにしているからなのです。

もしも、抗生剤の軟膏をもらった時には必ず、鼻の穴の中まで薬を塗ることが必要なのです。

 

早期発見、早期治療がとびひ治療の鉄則です。