わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

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病気の話

今年は「秋」が早くやってきた(2017年9月)

早いもので、もう9月です。

秋がやってきました。

というにはいつも早い時期ではあるのですが、今年はまさにその状態です。

というのも、寒い。

だけではありません。

乾燥もかなり強く出ている印象です。

 

湿度は気象予報であまり目にすることはないかもしれません。

しかし皮膚科医としての目は気温よりもむしろ湿度に注目が行くのです。

 

現在の湿度はどのくらいか?

これからどのように変化していくのか?

を見ながら処方を行っています。

 

赤ちゃんや小さな子のお肌は非常に敏感なものです。

だから、周辺環境にも大きく依存するものなのです。

そのため、湿度の低下により皮膚の乾燥が一気に進み、

結果として湿疹の悪化をきたすことも多いのです。

 

印象ですが、その境目は湿度55%程度。

その目で見ると・・・

今年はすでに日中にはその湿度を下回る日が出ています。

最近過ごしやすくなったわけですね。

(湿度は気温の不快感に強く影響しますから)

 

診察をしていても、子供たちのお肌は少しずつ乾燥を増しているように見えます。

例年は9月下旬くらいからその兆候が見えるのですが、

今年はいつにもましてその傾向が強く現れているようです。

 

そろそろ、冬の支度を始めたほうがいいですよ。

保湿剤もあまりきちんと塗っていなかった人は、

しっかりと塗るようにしたほうが良さそうですね。

ベタベタあせもには石鹸を

夏ですね。

まだまだあせもの患者さんがたくさん来院されます。

今回はそんなあせものお話です。

 

あせもにはいろいろなパターンがありますが、

今一番多いのは首は肘、膝といった関節の内側に出来る

ベッタリとしたあせもです。

湿疹の形もベッタリとしていますが、

触るとその部分が実際にベタベタしているのも特徴です。

このベタベタがあせもの原因です。

 

対応はこのベタベタを取ること。

ただ、面倒なことに普通に洗うだけではベタベタは取れません。

 

ベタベタを取るのにはどうすればよいか。

まあ、幾つか方法はあるのですが。

まず熱湯をかけること。

・・・夏にはやりたくない方法です。

次にお酢をかけること。

・・・匂いが嫌ですね。

最後に石鹸で洗うこと。

まあ、前2者に比べれれば良いのではないでしょうか。

ということで、石鹸を使って関節部分のあせもを取ることを推奨します。

 

試しにやってみてくださいね。

 

今年の手足口病も爪が剥がれる(2017年8月)

初夏から始まった手足口病ですが、

お盆のお休みを経て、少し落ち着いてくれるといいですね。

と思っています。

(まだお盆休み明けなので、落ち着いているかなんとも言えないんです)

 

そして、以前に手足口病を発症した患者さんもぼちぼち受診されるようになりました。

 

すでに数名出ていますが、今年の手足口病も、手足の爪が剥がれ落ちるパターンのようです。

 

過去にも書きましたが、その経過はみな同じです。

手足口病の感染後6週間経過して、手と足の爪の数本が同時に剥けてきます。

ぽとりと落ちるのではなく、クレバスのような隙間が空いて、それが徐々に先端部に移っていきます。

途中で剥がれる人もいますし、最後までクレバスの割れ目が残っている人もいます。

 

そもそも手足口病のウイルスは数種類あり、その中の一部のウイルスのみが爪に影響を与えます。

つまり、手足口病でも爪が剥がれるウイルスとそうでないものがいるんです。

で、今年は剥がれるタイプもいますよ。

 

というお話でした。

爪が剥がれてもびっくりしないでくださいね。

光と熱が分離する

不思議な事が起きているように見えました。

連続して白熱電球に触ってやけどをした子がきたんですね。

それも、それなりの年令になっている子どもたちです。

何でだろう。

といろいろと考えていました。

我が家の娘の行動も踏まえて考えていた時に、

思ったことが有るんです。

 

今の子たちはきっと、「光=熱」では無いんだろう。

と思ってしまったんですね。

 

古来、光とは熱でありました。

洞窟の中に住んでいた頃から、光を取るには熱が伴いました。

焚き火から始まり、灯籠やカンテラ、ろうそくなど、様々な明かりがありましたが、

それはいずれも火焔を伴うもの。つまり熱を伴うものでした。

少し前までの日本の家屋も同様に光=熱の図式が伴います。

しかし、第二次世界大戦後にその図式に変化が出てきました。

蛍光灯の登場です。

蛍光灯は、電子の流れと衝突からの放射光がその原理です。

この時、初めて熱=光の図式が崩れました。

でも、まだ蛍光灯は熱かったんですけどね。

 

そして、最新のLEDの登場です。

消費電力が蛍光灯よりも遥かに低いこの発光体は逆に言うと熱となるエネルギーも少ないということ。

したがって、消費エネルギーと発光体の温度が一気に変わりました。

エネルギー消費に比べて発光体の温度が特に低くなったのです。

流石に室内を照らすものでは温度がそれなりなりますが、白熱電球よりも遥かに低くなったのも事実です。

 

そして、その生活に慣れた日本の子どもたち。

そうなんです。明るいものは熱いものという刷り込みは徐々に薄れてきたんですね。

室内でLED、蛍光灯のみの環境に慣れた子達は、旅行先の白熱電球に物怖じせずに触ってしまう。

何ていうこともあるかもしれませんね。

 

世の中の変化に伴い、病気の内容も変化していくものなんです。

というお話でした。

 

子どもの手湿疹は梅雨のうちに治す

いままで、子どもたちの手の湿疹は、春から秋まで一本調子に悪くって、

冬に一気に治すものだというふうに思っていました。

でも、どうも違うんじゃないか?と最近思う用になってきたのです。

 

手湿疹が悪化するのはなぜか?

子どもたちの場合、多くは砂遊びです。

砂に触っていれば荒れる。

なので、夏に悪化、冬に改善のパターンを取るのですが、

夏は夏でも今の梅雨の時期は結構みんな良くなっているんですね・

 

まあ、そうですよね。

雨が降れば砂遊びはしませんからね。

というわけで、多分梅雨の時期の子どもたちの手荒れは良くなっている。

のでしょうね。

きっと。

 

さあ、今のうちに手荒れを直して夏休みに一杯遊ぶことにしましょうか!

紫外線治療は小児の白斑に対して効果があります

さて、今回も紫外線治療についてのお話です。

この機械を導入してからそろそろ2ヶ月が経過しようとしています。

毎日稼働していますが、早速幾つかの疾患で変化が見えてきました

 

それは白斑です。

半分以上の方の白斑に色素の新生が見られるようになってきました。

といっても、まだ治療開始して数週間と言ったところですが、

周囲の一部に色素が出てくることも多く見られるようになりました。

また白斑全部に色素が出現し、白斑自体がなくなってしまった例も出てきました。

 

こればびっくりすることではありますが、すごく嬉しいことでもあります。

昔から白斑の治療に劇的な効果を示すものはありませんでした。

ステロイド外用。

プロトピック外用。

ビタミンD3軟膏外用。

などで治療をしていましたが、色素の出てこない人は出てこない。

 

しかし、紫外線を併用することにより、一気に白斑は治療できる病気になったという

印象があります。

もちろん、期間の長い人、面積の大きな人は治りにくいかもしれません。

でも、逆に言えば、最近できた白斑。小さな白斑は十分に治療ができる。

しかも、塗り薬と併用すれば更に効果を高くすることができる。

そういった病気になってきたようにも思えます。

 

なので、白斑に対して紫外線治療を併用することは、試してみても良いものかもしれません。

もちろん医療保険も効きますので、自己負担額も少く済みます。

乳児医療券も使うことができますので、

白斑ができて悩んでいる子どもで、紫外線治療をしたことの無い子がいましたら、

一度相談に来られても良いかと思います。

まあ、週1回の治療が必要になりますので、通院できる方という限定にはなりますが、

きちんと通ってみて治療してみたいという方はご検討ください。

 

0歳児の虫刺されは点ではじまる

虫刺されですね。

でも、0歳児の赤ちゃんの虫刺されはこんなふうには出ませんから。

 

0歳の赤ちゃんの虫刺されは「点」だけです。

大きさも数ミリ程度。

そして、それが拡大することはほとんどなく、落ち着く時はそのまま落ち着いてしまいます。

また。痒みが出ることも有りません。

もう一つの特徴は刺された日には出ないこと。

半日後から翌日くらいに出てくるんですね。

 

なので、お母さんは気が付かないんですね。

実際に診察の時にそのようにお話をするとびっくりするお母さんが多くいるんですよ。

 

知らなかった?というお母さんも多数。

そうなんです。赤ちゃんの虫刺されは年齢によって出きかたが異なるのが特徴なのです。

 

赤ちゃんの虫刺され、刺されていないのではなくて、見逃しているだけだったりして。

 

水虫の薬を塗り始めた直後には、痒みが増えることがある

じつは、そうなんです。

なぜでしょう?

 

水虫の症状が起きるのは水虫の菌が原因。

確かにそうなんですが、あとは、水虫の構成タンパク質に対する

体のアレルギー反応。

という言い方をすることもできます。

つまり、水虫アレルギーですね。

 

このアレルギー。水虫の表面の蛋白にはあまり出ません。

そうですよね。水虫だって馬鹿ではありませんから(聞いたことはありませんが)

人間から排除されないように体の表面はアレルギーを起こしにくい

タンパク質を構成するようにできています。

(というか、アレルギーを起こしにくい菌が生き残った結果そうなったともいえますが)

しかし、水虫の体の中のタンパク質はそうも言っていられません。

だって生きていくのに必要なタンパク質ですから。

なので、水虫の表面のタンパク質と体内のタンパク質、

アレルギーを起こしやすいのはどっちかと言えば、

体内のタンパク質になるんです。

 

で、水虫の薬ですね、

この薬、水虫の体を破裂させるんです。

ばーん。

 

なので、死んだ水虫の体は粉々になり、皮膚の表面に散らばります。

そして、その成分に対してアレルギー反応が起きる。

だから、治療を開始した後に一時的に水虫が悪化したような症状が

出ることがあるんです。

 

でも、大丈夫。

水虫の菌の数は徐々に減少しますので、

そのアレルギー反応もだんだんなくなります。

 

というおはなしでした。

実はこんな事は別の病原菌でも起きることが知られています。

それは梅毒。

こんなことが知られています。

 

ただし、水虫の薬でかぶれてしまっていることもありますので、

心配なら一度受診してもいいかもしれませんね。

薬疹を疑うのなら、市販薬の使用もやめるべき

最近の外来であったお話です。

薬剤アレルギーを疑って受診された患者さん。

お話を聞いていると、薬剤師さんに相談をしているのですが、

病院で処方されている薬はやめたほうがいいけど、

市販薬はOKで、飲んでいました。

とのこと。

いや、ダメですって、それは。

 

外来では処方箋医薬品による薬疹をよく見るので、

そちらに意識が行きますが、思った以上に市販薬でのアレルギーは

起きているのも事実です。

結構知られていませんが。

製薬メーカーさんも意外に知らないようですが。

クロ現で記事にもなっていますね。

 

薬疹を疑ったときにはまずすべての薬剤をやめること。

だって、体内に入ってきた何らかの分子に対するアレルギー反応ですから。

なんだって、反応を起こす可能性があるんです。

まずやめないと。

 

市販薬だったらアレルギー反応が出にくいとは限りません。

少なくとも症状が出ている以上、可能性はすべて否定しておきたいんです。

 

で、中途半端な内服はせずに病院を受診すること。

アレルギー反応なので、その後も同じ物質を飲んでいると

更に悪化してしまいますから、要注意ですよ。

 

質問:高齢になっても虫刺されで水ぶくれになることはありますか?

さて、今回の質問です。

中年の方ですね。虫に刺された後に水ぶくれになる。

徐々に症状がつよくなっているようだが、原因はあるのでしょうか?

という内容です。

 

まず、簡単に回答を述べましょう。

「起こりえます」

です。

 

では、解説を。

虫刺されの反応はなぜおきるでしょうか?

虫の注入した毒や唾液成分に対するアレルギー反応が起きるからです。

 

なので、アレルギーの強さには虫側の要因と人体側の要因があります。

 

まず、虫の要因。

これは虫の種類ですね。

まず、水ぶくれを作るような虫に触れば水ぶくれができます。

マメハンミョウやツチハンミョウなどが有名でしょうか?

カンタリジンというタンパク質が毒になり、皮膚を溶かします。

あとは、ネコノミなど、水ぶくれを作りやすい虫もありますね。

こちらは化学的な問題というよりもアレルギーの問題です。

 

次に人側の要因。

アレルギー反応が強くなるような要因があれば、

反応が強くなり、水ぶくれが起きることがあります。

アレルギー反応にも実は色々ありまして、

まず全身の反応のしやすさがあります。

これは一つは遺伝によるもの、もう一つは体調によるもの。

ストレスがかかっているときや何らかの感染症があるときなどは、

アレルギー反応は強く出ることがありますね。

もう一つは、経験値によるもの。

 

経験値は虫ごとにカウントされます。

つまり、ある種類の虫にたくさん刺されると、徐々に反応が弱くなると

言うことですね。

でも、気をつけたいのは虫の種類はものすごくたくさんあり、

そのために経験値はそれぞれ、膨大な数に上ります。

そして、その虫の種類の違いはこちらでは認識していないことも

多々あるんですね。

だから、同じ「蚊」に刺されているつもりでも、実際のところ

別の種類であり、その違いを想定していないがゆえに

思った以上に反応しているということもあります。

これは、引っ越しや転居の後に虫刺されの症状が年齢相応よりも

遥かに強く出ることから十分に考えられます。

 

なので、このような要因が関係し合い、

年齢よりも遥かに強くアレルギーの反応が出ることがあるのです。

 

まあ、そう判断するのは難しいんですけどね。

 

回答は以上になります。

参考になりましたでしょうか?

お役に立てればうれしいですね。

 

 

 

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