わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

TEL050-3355-9592


〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

病気の話

水いぼは一つだけなの?

さて、前回のお話の続きです。

健康な成人は水いぼに感染することはないのか?

 

いえいえ。そんなことはございません。

その理由の一つには水いぼのウイルスそのものにあります。

 

水いぼの原因ウイルスは伝染性軟属腫ウイルスと呼ばれますが、

こちらのウイルスは1種類だけではなく、いくつかのサブタイプに細かく分けることができます。

なぜ分けるのか?それぞれ免疫のでき方が異なるからです。

 

したがって、一つのサブタイプに子供の頃に感染をして、治った後に免疫を得たとしても

大人になって子供が別のサブタイプの水いぼに感染をしたばあい、親に普通に感染を起こすということも

十分に可能性があるんですよね。

 

だから、「感染は稀である!」と言い切ってしまうのもいかがなものかと思うのです。

 

・・・データ出してみようかな。

水いぼは大人には伝染らないって本当ですか?

本日、専門職向けのクイズを見ていました。

雨降っていて、時間に余裕ありましたからねっ。

それに今回話題が水いぼだったのもありましたので、試しに行ってみました。

 

・・・あれ、外れた。

そんな。まさか。

と思って詳しく確認をしてみると・・・

「水いぼは大人には感染しない」

○か×か。

 

いやあ、そりゃああるでしょう。

○!

 

そしたら×ですって。

 

あれー。

と思いまして問題と解説を読んでみました。

問題

「免疫が成立している健康成人には通常感染しない」

解説

大抵すでにウイルスに対する免疫を持っているために感染することは稀です。

ただし、免疫不全状態にある成人に対しては感染することがあります。

ですって。

 

・・・この書き方では、水いぼをが出た大人の人は大問題ある人じゃあないですか。

そんなことないんですけどね。

 

普通に大人にも水いぼは感染します。

今日はそんなお話をしていきましょうか。

雨の日のお供に少しだけお付き合い下さいませ。

 

皮膚科医が自分の子供に使いたい虫よけ剤はなにか?(2018年夏)

以外に知られていませんが、皮膚科医は医者の中で最も虫刺されを診察しています。

もちろん治療のプロです。

(いっぱい刺されて気になる方は受診してくださいね)

それだけではなく、予防についても深い知識が必要とされます。

その皮膚科医がおすすめする虫よけ剤についてのお話です。

 

世の中にはいろいろな虫よけ剤がありますよね。

ここ数年、一気に虫よけ剤の選択肢が広がりました。ありがたいことです。

 

その中でも、2018年現在最もお薦めなのはイカリジンです。

その中でも15%の濃度の成分のものがおすすめです。

 

現在市販品として手に入る虫よけ成分の強さを簡単に示すと

↑強い

高濃度DEET30%、高濃度イカリジン15%

DEET10%、イカリジン5%

フェノトリン、除虫菊

アロマ系虫よけ剤

↓弱い

となります。

大まかな目安ですが、それで良いかと。

 

アロマ系は虫よけ剤としてはあまり積極的にお薦めはしていません。

だって効果弱いし。

(他にも理由がありますが、またいずれ。)

 

ではDEETとイカリジンですが、どちらが良いかという問題ですね。

こちら、イカリジンをおすすめします。

DEETにはいくつか欠点もあるので、それを考えると積極的に推奨はできないんですね。

 

まずDEETには使用回数制限、使用量の制限があります。

容量を超えると、震えなどの症状が出る可能性があるんですね。

なので、制限あり。

もう一つ、高濃度のDEETにはプラスチック/樹脂を溶かすという欠点があります。

ネイルも剥がれますよ。

 

対してイカリジンでは容量制限はありません。

プラスチックに対する作用もありません。

 

そういう意味では非常に使いやすいという虫よけ剤になっています。

 

せっかく虫よけを使うのであれば、刺されないものをしっかりと使ってほしいものです。

なので、我が家はイカリジンを使っているのです。

 

高血圧に対するヒドロクロロチアジドによる皮膚の薬剤アレルギーが増えています。

今年明らかに増えました。

ヒドロクロロチアジドは高血圧に対する薬の成分です。

また、古い薬が出てきましたね。

 

というのもこちらの薬は昭和の時代によく処方された懐かしの薬剤なのです。

サイアザイド系もしくはチアジド系利尿薬として有名ですね。

学生時代には薬理学の勉強のときによく出てきました。

でも、医師になってからはほとんど見かけることがなくなった薬剤です。

 

というのも、降圧剤単独として見たばあい、その後に発売された薬剤に比べて使いにくい(らしい)のです。

で、廃れてきました。

しかし最近は治療方法の変化により、再度目にすることが増えてきた印象があります。

でも、単剤ではなく、合剤としての処方なので、以前とは薬の名前が変わりましたので、

パット見た感じではわからないのが悩みの種です。

 

このヒドロクロロチアジドですが、問題がありました。

光線過敏の傾向があるのです。

紫外線が当たることで皮膚にトラブルを起こすことがあるんですね。

 

実は昭和の時代にはヒドロクロロチアジドの有名な副作用として

白斑黒皮症というものがありました。

こちらは光線過敏症の結果として顔面を中心に白斑(色の抜け)と黒皮症(色の沈着)が

同時に起きるというものです。

つまり、白い色と黒い色がまだらに生じる症状です。

対処法は内服をやめること。まあ、薬のアレルギーですからそうですよね。

 

この副作用が平成も終わらんとするときに再度出てきました。

ここ1ヶ月で数名診察していますよ・・・

 

 

でも、今回は症状のメインが異なります。

昭和の時代の症状のメインが顔面特に頬部でした。

平成の時代は実は顔には出ないんですね。首特にうなじから肩甲骨にかけて

それと、最も多いのは前腕です。

最も大きな違いです。

 

なぜそうなるのか?多分今の人はしっかりと日焼け止めを塗っているからでしょうね。きっと。

 

なので、症状の出方は異なります。

治療は簡単。内服を別のに切替ること。

それだけで治ります。

逆に内服を変えない限り、何を塗ろうが飲もうが症状は落ち着いてくれません。

まあ、薬剤アレルギーなのでやむを得ない面もありますが。

 

いまは梅雨の時期なので患者さんの新規発生はありませんが、

梅雨明けからどうなるのか。実は密かに心配だったりします・・・

 

デュピクセントの治療を開始する前に確認すべきこと

さて、今回もデュピクセントのお話です。

今回は投与前のお話です。

 

デュピクセントですが、アトピー性皮膚炎に対して高い効果を持ちますが、

それ故に使用できる方に細かな条件が設定されています。

その条件をクリアした方のみ治療を行えるということになっています。

 

ます施設側の条件です。

こちらはアトピー性皮膚炎の治療に精通している医師が条件となります。

・5年以上の皮膚科の研修

・6年以上の臨床経験。ただし3年以上はアトピー性皮膚炎を含むアレルギー診療の臨床経験

治療開始を検討できるのは十分な経験を積んだ皮膚科医もしくはアレルギー科医である必要があるわけです

 

次に患者さんの側の条件

・アトピー性皮膚炎と確定診断されていること

がまず最初に必要となります。

 

ついで

・アトピー性皮膚炎に対して適切な治療を6ヶ月以上行っていること

・塗り薬の副作用などにより、塗り薬の治療が行えないこと

が必要です。

つまり、まずしっかりと治療を行って下さいというメッセージです。

 

最後に症状が一定以上の程度であることの確認が必要です。

・全体的に湿疹の強さが強いこと。(IGAスコア3以上)

・それぞれの部分の湿疹の強さがある一定以上であること。(EASIスコア16もしくは頭頸部で2.4以上)

・広い範囲に湿疹病変があること。(BSA10%以上)

というように、いくつかの条件が課されています。

 

以上、いくつかの条件があり、そのすべてを満たす必要があります。

診察をして、症状を確認しないとわからない部分もありますが、

もしも治療を希望される方は一度ご相談下さい。

デュピクセント注射時の費用について

当院でもデュピクセントの治療が開始されました。

すでに数名の方が治療を開始、または治療予約を行っております。

プリントをお渡しした方も10名を超えました。

 

その際に問題になるのが費用負担について。

特に注射時にどのくらいの費用が必要となるのかという点についてです。

 

というわけで試算してみました。

なお、当院でのケースですので、他の医療機関ではまた少し異なるかもしれません。

当院は院外処方。0床の診療所での計算となっております。

 

初回投与:約5万円

2回目以降:約2万5千円。

 

概ね注射1本につき、2万5千円が必要と考えられます。

検査や診察・治療内容によってはもう少しかかるかもしれませんが、

注射+診察のみであれば概ね上記のようになります。

 

治療を希望。でも金額がはっきりしなくて治療開始を躊躇されている方は

是非参考にしてみてください。

 

最後に注意ですが

もしもより精確な金額の確認が必要な場合は、実際に治療を希望される医療機関に

ご相談してみてください。

成人アトピー性皮膚炎の新薬、デュピクセントの治療を開始いたします。

今年4月より販売が開始されましたアトピー性皮膚炎の新薬、デュピクセントの治療を開始いたしました。

いくつか注意事項などありますので、全ての患者さんに使用できる薬剤ではありませんが、

施設条件は当院では満たしております。

 

治療を希望の患者さんは、一度受診してみてくださいね。

 

今後、当ブログでもデュピクセントについてはお話をしていきたいと思いますが、

まずは一報、ご報告でした。

小児の舌下免疫療法は7月開始となりました

春ももうおわりなのかな・・・梅雨なのかな・・・

という不安定な天気ですが、嬉しいニュースが飛び込んできました。

 

小児に対する適応を持つシダキュアですが、6月下旬発売開始が決定しました。

それに伴い、当院でも小児に対するシダキュアの舌下免疫療法を7月より開始したいと思います。

 

成人の治療に遅れること数年、いよいよ小児でも治療が開始できるようになりました。

嬉しいですねえ。

 

しかし注意事項もあります。

初回は

1、診察

2、処方箋受け取り

3、薬局にて薬を受け取り

4、クリニックに戻り初回投与

5、初回副作用の確認30分

という流れになりますので、結構な時間を必要とします。最低でも2時間は見ておいたほうが良いかと思います。

なので、早めの時間に起こしください。

また、時間の余裕のある時にお越しください。

 

以上、当院からのお知らせでした。

小児の舌下免疫療法は準備中です!7月使用開始予定です。(2018年5月)

ごめんなさい。発売が遅れているようなんです。

 

今年の春に沢山お問い合わせをいただきました、小児用のスギ舌下免疫療法ですが、

2018年5月現在、使用可能になるのは7月頃を予定しております。

メーカーさんからの販売開始が微妙に遅れているようなんですね・・・

 

なので、夏休み前には治療開始できるのではないかと思います。

当初は小学生以上が対象となります。

もう少しだけ、お待ちくださいませ。

今年もスギ花粉用の舌下免疫療法を開始しました:成人(2018年5月)

やっとスギの花粉のシーズンがおわりました!

 

ということで、今年度のスギ花粉症用の舌下免疫療法の新規開始を開始します。

今年のスギの花粉でお悩みの方はご検討ください。

印象としては半減くらいの効果が見られるようです。

また、舌下免疫療法の性質上、治療期間がながければ効果も発揮するものですので、

来年のスギ花粉のシーズンに最も効果を発揮するのは今の季節から開始することです。

 

スギの花粉がなくなったときがスギ花粉の根治療法の開始のベスト時期です。

受診の際にご相談くださいませ。