わかばひふ科クリニック(東京都武蔵野市吉祥寺東町)

武蔵野市・杉並区・練馬区他の赤ちゃんから子供、大人、老人まで幅広く診察をする皮膚科クリニックです。アトピーやあざを始め、水虫、とひび、湿疹などの相談・治療を行なっています。

TEL050-3355-9592


〒180-0002 東京都武蔵野市吉祥寺東町2丁目11-2 伊藤ビル1F

病気の話

デュピクセントの「在宅自己注射を推奨」に変更します(2020年2月)

当院のデュピクセント治療についてのスタンスです。

現在デュピクセントは在宅自己注射及び通院注射の双方が可能となっております。

 

今までは注射方法については「希望に応じる」というスタンスでしたが、

今後は注射方法について「在宅自己注射を推奨」という方針に変更することにしました。

通院注射を強く希望されない方は在宅で自己注射を行って頂く形になります。

 

理由は新型コロナウイルス感染症(以下Covid)です。

今後日本では患者数が急増することが予想されます。

普通に市中で感染しうる環境になることも推定されます。

 

そのためにアトピー性皮膚炎の注射を受けに医療機関を受診することですらリスクとなります。

交通機関を使用している中で、待合室の中で、もしかしたら医療関係者から

Covid感染を受けてしまう可能性についても検討を行うべき時期に来ております。

 

そのため、感染リスクを最小限に抑えうる方法としての

在宅自己注射について前向きに考えて頂く必要があると判断いたしました。

 

本当にありがたいことなのですが、デュピクセントは今までの内服治療、

つまり、ステロイド内服、シクロスポリン内服とは異なり、

体内の免疫力を低下させるリスクは少ないとされています。

せっかくそのような画期的な治療法が出てきて使用しているのに、

通院中にCovid感染の追加リスクを背負うことが果たして必要なのかどうか、

検討していただきたいと考えております。

 

そのため、当院では今後当分の間、デュピクセントの投与方法について

「在宅自己注射を推奨する」という方針で治療を行うことにいたしました。

現在通院注射を行ってる方にも上記について説明を行ったうえで

治療法について検討いただくことにいたします。

 

よろしくお願いいたします。

2020年3月のデュピクセント注射日程について

2020年3月のデュピクセント注射の日程についてです。

 

デュピクセントの注射ですが、最低2週間以上を開けるようにとされています。

投与本数は初回2本、2回め1本、3回め以降も1本ずつとなっております。

また、自己負担額は1本辺り2万5千円程度となっており、

多くの人の月別自己負担額の上限は8万円程度となっております。

 

つまり、デュピクセントを月に3回投与できる日程で治療を開始すると、

自己負担額が4本10万円のところ、8万円程度で治療を行うことができるという、

ちょっとした裏技のようなことを行うことができます。

 

そして、2020年3月についてはその有利な日程が出現します。

3月2日月曜日ー16日月曜日ー30日月曜日

です。

翌日の3-17-31日も同様に有利な日程になるのですが、あいにく当院はお休みなので、

3月は上記1日程となります。

 

デュピクセントの投与を検討されている方の判断の一助になりましたら幸いです。

 

なお、(当院に限らない話ですが)

デュピクセントをクリニック内に常備してはおりません。

すべての患者さんの投与スケジュールを把握した上で、必要最低限な量のみ

院内にて保管をしております。

したがって初回受診日当日にデュピクセントの投与を行うことは不可能です。

可能であれば1週間以上前。少なくとも3営業日前には受診されますようお願いいたします。

 

子どもの顔、手足の発疹症が増加しています(2020年2月)

ここ1週間位の話でしょうか。

 

子どもの顔と手、足に赤いぶつぶつができて受診する患者さんが増加しているようです。

・・・手足口病ではありませんよ。

 

症状の出る順番は様々ですが、

顔面特に頬部

耳たぶ

腕の外側、手のひら

スネの外側、足の裏

に赤い発疹が出てくることが多いようです。

またみみたぶ、手のひら、足の裏は全体的に赤くなることもあるようです。

 

痒みはあったりなかったりです。

無いことも結構あるのが特徴です。

 

また特徴的なのは分布です。

左右対称性に出ていることが基本となります。

 

逆に左右対称性、体の一番遠い場所に同じような発疹が出ていることが

体の中から起きている炎症であることの証明にもなるわけです。

 

 

原因はウイルスかと考えれます。

然し、全身にウイルスがいるわけではなく、アレルギー的な反応かと考えられます。

というのも、そういった患者さんの中には

上気道炎や胃腸炎などの全身の感染所見が無いことも往々にしてあるからです。

つまり、ウイルスが皮膚に居て暴れているような水疱瘡などと異なり、

ウイルスはおらず、ウイルスに対するアレルギー的な反応になります。

したがって、発疹が出ている子から発疹が直接感染することはありません。

(間接的にその他の感染症が他の子に移り、アレルギー性の発疹ができることも

可能性としてはありますが、非常にまれなことかと考えられます)

 

治療法はアレルギーの治療に準じて行うことになります。

ステロイドの塗り薬、抗ヒスタミン剤などの飲み薬を使います。

治療期間は1ヶ月弱です。徐々に改善してくることがほとんどですが、

2,3ヶ月の間は少し茶色い色素沈着は残存しているようです。

 

以上、今回発生しているウイルス性発疹症のお話でした。

 

花粉症、始まっています(2020年2月)

今年も春の風物詩の一つでもある、花粉症がやってきました。

 

2月に入りチラホラと目の周りの湿疹の症状や、目そのもの、鼻の症状などを

示す患者さんがやってくるようになりました。

 

そろそろ、飲み薬を開始したほうが良さそうですねえ。

 

ご希望の方はご来院下さいませ。

新型肺炎への当院の対策について(2020年1月末)

中国の武漢にて発生し、全世界に拡大しつつある、新型肺炎に対する

当院の対策をお話します。

 

現状国内での感染はほとんどなく、あくまでもの予防を行っている段階です。

 

・スタッフのマスク着用

しておりますので、ご協力お願いいたします。

 

また、場所柄、専門柄、子供が多いこともありますので、

・来院時消毒

をお願いします。

 

海外在住者の方も多いところもあり、

・海外在住もしくは帰国者は申告

をお願いします。

 

 

現時点では上記の対応を行っております。

今後感染の拡大の状況によっては追加での対応を行う場合があります。

まずブログでの告知を行いますので、確認をよろしくお願いいたします。

コレクチムのインタビューフォームを読み込んでみる(2020年1月)

先日の記事にも書きましたが、アトピー性皮膚炎の新規外用薬である、

コレクチムが承認され、販売にむけて話が進んできています。

 

本日PMDAにコレクチムのインタビューフォームが掲載されていましたので、

少し読み込んでみました。

ページはこちらです。

インタビューフォームとは薬の説明書詳細版です。

薬の箱に付属して入ってくる能書に比べ詳細な情報が掲載されていますので、

薬の評価の一つの手段となるわけですね。

 

まずは、適応疾患と適応患者さん。

基本的には年齢です。昨日のプレスリリースでもありましたとおり、

2歳以上16歳未満については治験中ということもあり、販売当初は

16歳以上の成人が対象になるかと考えられます。

その後2歳以上に拡大されるのではないでしょうか。プロトピックと一緒ですね。

また、制限がかかるのは妊婦さんと授乳婦さんです。

どうしても今までの使用経験がない以上安全策を取るのはやむを得ないかと思います。

ステロイド、プロトピックなどの代替薬がありますので、

大きな問題にはならないかと思います。

疾患はアトピー性皮膚炎のみとなるようですが、

こちらも妥当かと思います。

 

次は使い方についてです。

塗布方法は一日2回。これはプロトピックと同様です。

投与量制限あり、こちらは1回あたり5gまでとなっています。

つまり、一日2回の投与で10gまでOKですので、

プロトピックよりも制限は緩いと考えられます。

投与期間についての指定はありませんが、

4週以内に改善なければ中止をとの指示があります。

当然効かなければやめることになりますので、こちらも妥当かと思います。

 

次に気になる副作用ですが、

こちらも独特なものはありません。

免疫を抑える特性上、細菌感染症、ウイルス感染症、真菌感染症のリスクは上がりますが、

こちらもステロイドやプロトピックと同様に考えて良さそうです。

ヘルペスウイルス感染が多い印象を受けますが、プロトピックにもその傾向ありますので、

注意すべきことではなさそうです。

プロトピックのような刺激感はどうもそこまで高くはなさそうな印象があります。

つまり、ステロイドと同程度、プロトピックよりは少ないと考えても良さそうです。

また、長期投与による副作用についてはプロトピックと同等、

ステロイドより少ないと考えて良さそうです。

 

効果についてはいろいろ書かれていますが、正直わかりませんので、

保留。

使用したあとに考えることにします。

 

 

結論

まあ悪くはない薬剤かと思います。

ステロイド、プロトピックに続く3種類目の薬剤として

非常に期待したいところです。

 

あとは使用してみての感じでしょうか?

そちらについては実際に処方してからお話をしていきたいと思います。

 

期待の新薬、コレクチムの製造販売が承認されたようです(2020年1月)

記事のソースはこちらです。

公式なページですので、信頼度は非常に高いと考えられます。

 

今年の期待の新薬(と勝手に期待しています)である、

アトピー性皮膚炎の治療薬、コレクチム。

正式な名前が公開されたようです。今まではコードネームのJT-052と読んでいましたから。

販売開始はこれからのようですが、非常に期待しています。

 

特にステロイドの外用薬に変えることができるのか、

プロトピックとの使い分けをどうしようか。

現時点ですでに方針を検討していかなければありません。

今までに入っている情報では重篤な副作用はなさそうですし、

効果も期待できそうです。

 

ただ、憂慮しなければいけない点が一つだけあります。

投与方法です。

一日2回、1回あたり5gという制約があるようです。

5gとは結構な量に思えますが、もしもこの量で塗るとすると、

1000平方cm程度になるかと思います。(1FTU=0.5g/100平方センチで計算した場合)

つまり、30cm四方ということになり、成人の躯幹などの広い面積に

一気に使用するということは難しいことになるかと思います。

したがって部分的な使用に留めざるを得ないという問題もあります。

以上のことから、現在の使用方法としては

ポイント塗布を行っている強めのステロイドの代替として

使用することが一般的になるだろうと想定されます。

 

今後はその想定方法で湿疹をどの程度コントロールできるのかについて

情報を収集していきたいと思います。

 

当院ではコレクチムについては販売開始後、電子カルテが対応でき次第

処方を開始する予定にしております。

情報については当ブログにて随時公開を進めていきたいと思います。

 

今年の花粉はだいぶ少ないようですね。(2020年1月)

花粉症の季節も始まってきましたが、最新の予報も出てきたようです。

 

2020年春の花粉飛散予測第3報

 

昨秋の予報と同様、関東地方の花粉の飛散は例年と比べて少ないようですね。

ただし、あくまでも少ないだけで花粉は舞います。

 

また、アレルギーの反応は極微量から始まることもありますので、

例年に比べて症状が少なくなるかというとなかなかそのように言い切ることはできません。

軽くなる人もいるかな?くらいに受け止めるほうが精神的にもいいかもしれません。

期待しすぎると失望に変わることもありますしね・・・

 

でも、今年の花粉症。少なくなりそうと考えてもいいかもしれません。

例年通りの治療をしっかりとしていけば、かなりの確率で症状の悪化が防げる可能性があります。

また舌下免疫療法を行っている方の場合、明らかに昨年よりも症状が改善したことが

わかるかとも思います。

 

そろそろ花粉症本番ですが、しっかりと対処をしていきましょう。

水虫の薬でいちごが消える?

ネットのデータを漁っていたらこんな話はありました。

 

抗真菌剤つまり水虫の薬である、イトリコナゾールの投与でいちご状血管腫が改善する可能性が

あるとのことです。

 

いやいや、そんなと思いましたが、まあ、薬には思いも寄らない効果的なものがあるかもしれませんね。

なにせ高血圧の薬がいちご状血管腫に効果的な事がわかって、内服薬として一般的に使われるようになった世の中ですから。しかもここ10年の出来事ですから驚きはしませんが。

 

ただし、すぐに薬が登場するというわけではなさそうです。

あくまでも細胞レベルでの話であり、人間に投与した場合のお話ではありません。

ましてやいちご状血管腫の患者さんは0才児ですから、なおさら慎重に投与する必要があります。

また、その抗真菌剤自体も肝臓に影響を及ぼすことは往々にしてありますので、

軽々しく投与はできないのは当然のことです。

 

まあ、今すぐにということではありませんので、今後の進捗を見ていきたいところではありますね。

 

参考までに文献について記しておきます。

今後読み込んで見たいところですね。

J Invest Dermatol. 2019 Jul139(7):1574-1582. doi: 10.1016/j.jid.2018.12.028. Epub 2019 Jan 25. PMID: 30690033

今年の北日本は乾燥肌に要注意です(2020年1月)

北国に帰省した患者さん。

結構な割合で湿疹を悪化させて帰ってきました。

さて、なぜでしょうか?

 

今年の冬は温かいです。

それが影響している可能性あります。

特に北国では雪が少なくなっています。

実際に年末に東北に行ったとき(この話はまた今度)

本来は薄っすらと雪化粧しているはずの平野部でも雪はなく、

スキー場ですら高度の低いゲレンデには土が露出していました。

 

その様な外部環境になっているときには

例年よりも湿度が下がる可能性が考えられます。

なにせ環境中に存在している水分量が少ないですからね。

したがって皮膚の乾燥も悪化する可能性が考えられます。

 

暖冬なので、乾燥肌に要注意。

ということになるのかもしれませんね。